旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

秋田羽後町の新そばに舌鼓

2012-09-16 17:07:34 | 時局雑感

 

 昨日午後、クール宅急便が届いたので開けてみると、秋田羽後町西馬音内のそば屋『彦三』さんからの届け物。送付状の品名には「新そばです」とある。それにしても重いなあ、と思いながら開いてみると、大きなペットポトルにたっぷりの「そばつゆ」も添えられて、打ったばかりの模様の蕎麦が詰まっている。
 添え状を見ると賞味期限2日とあるので、さっそく夕食で食べるかと思ったのであるが、ワイフは既に夕食の用意は終えているという。量的にも家族4人だけでは食べきれないほどある。これは一つ、先だって西馬音内を訪ねた連中を誘って“彦三の思い出”を語りながら食べようと電話すると、まず義兄が「明日はそちらに行く予定であった。ぜひともそばの昼飯に参加したい]という。これこれ、というわけで、本日の「そば昼食パーティ」と相成った。

 ところが昨夜、8時を回ったころ『彦三』の店主から電話があった。受話器の第一声は、「そばを送ったが食べたか」ということであった。「いや、かくかく云々で、先日お邪魔した連中も呼んで明日の昼飯でいただく」と答えると、「やっぱりそうか…、早く電話するんだった。今日食べてほしかった」と叱られた。
 やっぱりそうだったか…、と悔やんだが後の祭り。店主猪岡さんは先述した(8月25日付け本稿)通り蕎麦つくりのプロである。鮮度の落ちない一番おいしい時に食べてほしかったというプロの誇りに満ちた悔しそうな電話であった。「しかし、首藤さんが仲間と一緒に食べたいという思いやりも分かるので、それはそれでうれしいです」と最後は慰めてくれたが。

 ところが、今日、みんな集まって食べた「彦三そば」の美味しかったこと! みんな、「やっぱりちがうなあ」と大喜びで食べてくれた。さっそく電話して次々とお礼を述べた。私も、「お世辞抜きで美味しかった! ところで昨日食べていたら、どれほど美味しかったのだろう? これ以上の美味しさは考えられないが…?」と告げたが、猪岡さんはそれには答えなかった。
 昨日食べたら、本当にこれ以上に美味しかったのだろうか?

   
 
              


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