旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

領土問題をめぐる争い、特に破壊・略奪行為を憂う

2012-09-19 15:11:09 | 政治経済

 

 領土問題、特に尖閣諸島の領有権をめぐる日中の争いが、容易ならざる方向に発展しつつある。双方には歴史的経緯を経てそれぞれの言い分があろう。双方が「固有の領土」と主張するところから領土問題は発生するが、尖閣諸島については、途中の第二大戦後の処理も含めて、日本がその領土として実効支配し、かつ日本人の個人が所有地として所有してきたこともあり、一世紀を越えてあまり問題にもならなかった。
 ところが70年代ごろから海底資源が注目されるようになり、急に中国側が「固有の領土」を主張し始めた。先方はもっと昔から主張していたというのだろうが、過去一世紀にわたり問題とならなかった領土をどこまでさかのぼって「固有の領土」と主張するのだろうか?
 固有の領土などというものは遡りかかればきりがなく、どこかで線を引いて収めていくのが国際間の良識であろう。それを問題にするとすれば、、少なくとも冷静に、国のトップ機関で話し合うことから始めねばなるまい。

 ところが中国は、それを国民のいいなりに任せている。もちろん、国民が考えを表現することは止めることはできない。しかしそれが暴力沙汰に及び、日本の施設の破壊、略奪に及ぶのを放置する政府は、一国の統治機関の体をなしているといえるのだろうか?
 私は、中国民族についてはその長い歴史を生き抜いてきた実績、育て上げた多くの文化、特に日本が長きにわたって吸収してきた文化の数々からしても、一定の尊敬の念を持ってきた。ところが今回の姿を見て、とても尊敬出来るような民族ではないと思った。中国国民の品性はあんなものであったのか? 中国という国家の品位は地に落ちたのではないか。破壊も悪いが略奪に至っては海賊、泥棒の水準で、とても近代国家として話し合いの出来る相手ではない。
 
 逆の場合、日本人はあのような低劣な行為に及ぶだろうか? 竹島や北方領土で相手国の大統領が踏み込んだりしたが、韓国商品を略奪したり、ロシア人の店を破壊したりした話はない。
 つい半世紀前、軍国主義に踊らされてアジア諸国に攻め込んだり、また今も「橋下維新の会」の熱狂政治に多くが引き込まれそうになっているので自信はないが、高度経済成長と平和主義、民主主義の確立をもって第二次大戦の反省を乗り切った国民として、報道されている中国の若者の水準に落ちることはないと信じている。
 重要なことは、いざというときに国民の品格、国の品位を保つことが出来るかどうか、ということであろう。


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