旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

政治経済「今年の課題」 ・・・ TPP問題と日本農業

2011-01-10 14:25:06 | 政治経済

 

  この問題が突如出てきて大騒ぎになっている。環太平洋の国々が、お互いに関税を取っ払って自由貿易をしよう、ということらしい。ことの本質は何か・・・?

 経済がこれほどグローバル化してきた中では、最早一国だけで生きることは出来ず、互いに交易を深めていくしかないだろう。自国に無い物は輸入し、沢山あるものは無い国へ輸出する。その点からすれば、所詮自由化の方向には抗しきれないのではないか?
 とは言え、それぞれの国には特殊事情があるので無制限の競争など出来るわけがない。自由を最も強く叫ぶアメリカでも、農産物などの保護政策を数多く採っている。
 要するに、できるだけ障壁を取り払い、価格を下げて経済を活性化させる方向をとりながら、それぞれの参加国に無理のいかぬようにしようと言うことではないか? その点からすれば、そもそも議論にも加わらないということにはならないのではないか?

 

 しかし、絶対反対、問答無用という勢力がある。農業界とそれを支持する勢力である。その言い分は色々あるが主要点は、「TPPに参加すれば日本農業はつぶれる。食料自給率は、それでなくても低い40%から13%に下落して危機的状況となる」などである。
 しかし日本農業はそんなに弱いのだろうか? 年末から友人が『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率』という本の要約文を送ってくれたので読んでみた。月間「農業経営者」の副編集長淺川芳裕氏の書だが、それには次のようなことも書いてある。

日本の農家の減少が問題視されるが、全人口に占める割合は1.6%で、英国0.8、米国0.9、ドイツ1.0に対してまだ高い。

農業人口減少も世界共通。最近10年間の減少率は日本22%だが、EU(15カ国)21%、ドイツ32%、オランダ29%、フランス23%、イタリア21%、など

 農業人口は1960年の1200万人から2005年の200万人に減ったが、農産物生産量は1960年の4700万トンから、2005年の5000万トンと300万トン増産。

 従って農業者一人当たりの生産量は、過去40年で6.4倍、生産性は年率4%の上昇。

 

 総じて、「農業GDPシェアー1.7%の日本は、先進国の中では米国に次ぐ2位の生産額を誇っている」のであり、日本の農業は非常に強い産業だとしている。
 一体どうなっているのか? 何を信用すればいいのか? 次回もう少し中味を見よう。


政治経済「今年の課題」 ・・・ 消費税

2011-01-08 12:53:32 | 政治経済

 

 民主党の混迷を中心に、政治とカネの小沢一郎問題や、問責決議処理の仙谷・馬渕問題など、次元の低い問題に揺れながら新年を迎えたが、日本が国として解決しなければならないもっと大きな問題が山積している。長く自民党政治も解決できなくて放置してきたもので、ここに来て一挙に表面化してきた「消費税」や「基地・国境問題(普天間、尖閣、北方、竹島など)」と、突如表に出てきた「TPP問題」などである。

 まず消費税問題。これは大変に難しい。財政規模を無駄も含めてどんどん膨らませ、足りなくなったので皆で負担してくれと言うような無節操な言い分は聞けないが、その不足の原因に、医療や教育や老後生活(含む年金)などの巨大化があるとなれば、それらをどうするかということは国を挙げて取り組まなければならないだろう。
 「医療も教育も老後生活も不安なくして欲しいが負担はしません」でいけるとすれば、その処方箋を見つけ出さなければならない。現に国の年収は支出の半分しかない。支出の中味を徹底的に詰めることは当然だが、何とかしなければやがて破綻することは間違いない。

 北欧などの福祉国家を見ると、医療、教育、老後生活などほぼ不安のない体制を作り、反面国民は20%から25%の消費税を負担している。国民に殆ど不満はないらしい。もし日本が消費税を上げなくて北欧並みの国家補償を実現できるとすれば、それが出来る日本の特殊性を示さなければならないだろう。相当に高い国力(国の生産性)を必要とするか、今の財政支出が半分近く無駄使いであるかいずれかとなろう。
 トルコを旅したとき、ガイドのフラット氏が、「日本の消費税5%は想像を絶する。もし20%にすれば、日本国民は全生活が保障されるのではないか?」と言ったことを思い出す。若しそうだとすれば、日本国民はどちらを選ぶだろうか?

 こんなことを考えるにつれ、難しい問題だと思う。ただ、そろそろ国を挙げた議論を始めなければならないことだけは事実ではないか?


松も取れて・・・

2011-01-07 13:38:29 | 時局雑感

 

 「今日は七草粥(ななくさがゆ)ね・・・」と言いながら、ワイフが買い物に出かけた。
 私はそれに気づいて、玄関回りの松飾や正月飾りを取り外した。早くも松の内が過ぎようとしている。

 昔は、「松も取れた、さあ、働くぞ」と正月気分をとり払う転機にしたものだが、今やそれほど肩に力を入れることもあるまい。仕事に手を抜くつもりはないが、時の移ろいにも自然体で向かいたい。
 来週から2月初旬にかけては、新年会含みの様々な集まりが続く。自分が中心の会からお付き合い的なものまであるが、これらも、無理をせずに流れにまかせて行くとしよう。
 心配なのは酒の量だ。このところ齢は重ねるが酒量は減らない。元気な証拠ですよ、と言ってくれる人もいるが、どこかで沸点を越えてとんでもないことになるのではないかという不安も強い。まあそれも成り行きというもので、それこそ自然体なのかもしれないが。

 今年のテーマのひとつは、昨年末に粗原稿を書き上げた『旅のプラズマパートⅡ~世界の酒と食』を纏めあげることだ。出版物になるかどうかは分からないが、趣味の世界(酒と旅)における自分の来し方の集大成と思っているので、とにかく纏めておきたい。
 もうひとつは、体力的な限界からそろそろ怪しくなった海外旅行に出かけることだ。3月に「オーストラリア・ニュージーランド」の予定があり、正月に入って「9月ごろ、西安・敦煌に行かないか」という話が飛び込んできた。前者は既に申し込みを済ましてあり、初めての南半球を楽しみにしている。後者は極めて不確定であるが、西安・敦煌には一度行ってみたいと思っていたので気が募る。しかしこれこそ体力が気になるが、呼びかけてくれた人が同年齢(75歳)の酒博士であるので、「お互いに無理のないところで・・・」と言うことになるかもしれない。

 その他いくつかテーマはあるが、あまり欲張らないことにしよう。
 


一年の計

2011-01-04 11:38:35 | 時局雑感

 

 穏やかな新年を迎えた(2日のブログ)ように、今年一年も穏やかでありたい。
 昨年の暮れから会社勤務を週2日にしてもらった。原則火曜日と木曜日で、しかも10時半出勤だ。会社には迷惑をかけるが、所詮大きな役に立つことは出来ないので、徐々に引かせてもらうしかない。
 考えてみれば、三井銀行を経て三井ホームリンケージに勤めていた頃をピークに、その後は「人生の縮小再生産期」に入っていたと思う。体力的にも能力的にも衰えは隠せず、少しずつ引いて行くしかないのだ。もちろん、従来とは別の活動分野というものは常にあるものだが。
 そしてここに来て、いよいよ「人生の始末期」に入る。これは決して後ろ向きな、悲しい時期を意味しない。人が、自らの人生を振り返りつつ自ら始末をつけていくと
いうことは、素晴らしいことでむしろ前向きな生き方だと思っている。
 拡大再生産の時期は、物を生み出しいかにも前向きに見えるが、同時に悪をもたらし(環境破壊など)、人を傷つけあう(格差の拡大や、貧困層の創出など)。人類はそれを修復し、補い合う時期を経ながら発展して来たに違いない。

 酒も旅もほどほどにしなければなるまい。計らずも初詣のおみくじが「旅行 さわぐな」と示してくれた(2日のブログ)ように、少なくとも「はしゃぎまわる」ことは慎もう。ペースを落とし内容を濃くしたい。その意味では前向きの年にしたいと思っている。
 ブログも少し書きすぎかもしれない。二日に一回のペースで4年間書いてきたが、これもそろそろ縮小再生産で内容を濃くする時期かもしれない。もちろん、回数を少なくしてそれだけ内容を濃くすること
など至難の業で、そんな能力は持ち合わせないが。

 この齢になっての「一年の計」なんて、なかなか難しいものだと思っている。


穏やかな正月

2011-01-02 14:59:30 | 時局雑感

 

 穏やかな正月を迎えた。政治も経済も世事一般も、決して穏やかではないのだろうが、あまり考えないことにした。

 例によって、ふとんの中に新聞を持つ込み、実業団駅伝を見る。ひいきにしている旭化成が第一区の区間賞を取って気分を良くするが、その後順位を下げていくのを悲しむ。
 頃あいを見て起き出ると、私に合わせて朝食を待つワイフがおせち料理を広げる。今年は会社の取引先からおせち料理を購入、ワイフは暮れの料理作業から開放されてことのほか喜んでいた。穏やかな正月の一因であったのかもしれない。
 三段重ねの重箱に盛られた多種類の料理を楽しみながら、『亀の翁』を飲む。久谷焼仲田錦玉の“青粒(あおちぶ)”の平盃に注がれた純米大吟醸が、心地よく胃にしみた。

     

 年賀状の整理を終えて、ワイフと娘に誘われて初詣に出かける。五位につけている駅伝の旭化成が気になったが、とても優勝できそうもないので諦めて初詣へ。
 下高井戸の八幡神社に着くと、鳥居の外まで長蛇の列。やはり不景気を反映して「神頼み」の風潮が強いのか・・・。
 おみくじを引くと小吉であったが中味はすこぶる良い。「願事 思い通りです、しかしやり過ごせば悪し」、「失物 必ず出る 物の間」、「商売 利益あり売りに吉」など・・・。実は会社に売り商売の話があり、これがうまくいくといいなあと思っていたところだ。今年は、元旦は小吉であるが、年を通じて中吉、大吉と上っていくと信じよう。
 笑ったのは「旅行 さわぐな」というお告げ。ワイフと娘が、「旅行で一番はしゃぎまわるお父さんに対する神様の注意ね」と大笑い。今年もいくつか旅の話しがあるが、自重して臨もう。要するに平穏であれと言うことであろう。

          


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