タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

高山の鳥たち

2009年08月10日 | 山歩きから
コマクサ畑のホシガラス

 高山の鳥と言えば昨日紹介したライチョウを思い浮かべる人が多いでしょうが、ホシガラスもまた高山を代表する鳥であることは間違いありません。今回の山行きでも多くのホシガラスを見ましたが、望遠レンズを装着したカメラを胸にかけて歩いているわけではないので、一瞬のチャンスをモノにすることは、少なくともタカ長には不可能なことです。



「日本鳥名由来辞典」(1993年・柏書房刊)によると、ホシガラスは江戸中期から「しまかしとり」「しまかけす」の名前で知られ、後に「ほしがらす」「しまからす」「えぞがらす」「だけららす」と呼ばれるようになった、と記述されています。それらの中からいま私たちが呼んでいる「ホシガラス」が選ばれた経緯についての説明はありませんが、ほぼ全身に星をちりばめたような白い斑点があるので「ホシガラス」と呼ばれるようになったのでしょう。ホシムクドリとかホシゴイなどと同じような理由のネーミングなのでしょう。



 今日はチョッとアカデミックに手元の資料など読んでみると、ホシガラスの英名は「Natcracker」で「クルミ割り器」の意味になります。またその学名を和訳すると「殻の堅い木の実を細かく割る」と言うような意味になるそうです。私にはラテン語の知識は皆無なので、これは図鑑(野鳥の名前・阿部直哉解説・2008年山と渓谷社刊)からの受け売りです。
 私たちが普通に見るのはハイマツの実をついばんでいたり、口にくわえて飛んでいるところですが、同図鑑によると地面や樹木の隙間に食物を埋め込む、いわゆる貯食習性があるようです。そのような行動をとるとき、ガッチリとした嘴が役に立つのでしょう。

 私にはそれらしい写真が撮れなかったので、北アルプスらしく、燕岳らしくコマクサとのワンショットを紹介しました。



 彼らは槍ヶ岳など北アルプスの山々を展望できるこのようなハイマツ帯に棲息しています。考えてみれば随分贅沢な住処に住んでいるのですね。



 私たちが燕岳から大天井岳に縦走した朝はご覧のようにきれいに晴れました。燕岳の左には遠く立山・剣岳が見えています。

 このように晴れていても時間の経過とともに信州側から雲が上がってきて、この日も昼前にはすっかり霧に包まれてしまいました。山の朝は早くて朝食は5時からですが、私たちは早朝は山の展望や、この日予定通りに行われたヘリコプターによる荷揚げなどを見物して、少し遅めに燕山荘を出発しました。遅い、と言っても6時半ころです。
 山に登る人は誰でも知っていることですが、山経験のない人には随分早く感じられるのでしょうね。

 そう言えば何かの本で読みましたが、最近は早く出発して早く目的地に着くと言う山の原則が崩れかかっているようです。しかし、私など古くから山を歩いている人は、山に入れば山の時間に体が順応するようで、3時半には起床して5時の朝食までには出発準備を完了しています。