武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

霧のフクロウ

2007年08月13日 | 人生の意味
午後7時56分。
時計を見やると、レーダーから機影が消えて、ちょうど1時間が経っていた。
周囲は真っ暗闇ながら、暗視メガネで辺りを見やると、無数の肉片が、木々にぶら下がり、また地面には人間の太腿、片腕、胴体が散乱していた。
まだ燻ぶっている機体の残骸は粉々になって、ジャンボ機の優美な原形をとどめていない。
習志野空挺部隊から緊急出動した自衛隊の精鋭・レンジャー部隊。
コード名「霧のフクロウ」は、御巣鷹山の墜落した現場に降り立ち、事故状況を当時六本木にあった防衛庁にホットラインで報告した。
一通りの報告を終えてから、空中にホバーリングしているヘリに、吊り上げるように、指示を出すと、ゆっくりと「霧のフクロウ」 隊員2名を持ち上げていった。
吊り上げられながら、下一面を見やるが、とても生存者がいるとは思えなかった。
そして、口に咥えた煙草を線香代わりに空中から放り投げると、近くにもう1機のヘリがいることに気がついた。
暗視スコープで確認すると腹の所にコブラのマークが描かれている。
米軍の偵察ヘリだ。 さすが抜け目がない奴らだ。
後で分かったことだが、墜落したジャンボ機は翌朝未明に発見されたことになっており、レンジャー部隊の早期発見は公表されていなかった。
1985年8月、日航ジャンボ機が群馬県上野村に墜落し、520人の犠牲者が出た事故から22年を迎えた12日、現場となった御巣鷹で遺族らが黙とうをささげたという。
 

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