光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

大レイアウトを考える・60年代の組み立て式レイアウトに学ぶ

2014-06-13 15:55:32 | 思いつくままに・考察
 今回は久しぶりに大レイアウトについての考察です。

 荒崎良徳氏「長編成列車のためのレイアウト」という題で組み立て式レイアウトの製作記事を上げておられましたが今読んでも示唆に富む内容でした。
 荒崎氏というと摂津鉄道と並ぶ日本型レイアウトの傑作「雲竜寺鉄道(レイアウトテクニックなどに収録)」の作者としてつとに知られた存在ですが一方で地元のクラブ活動などを中心に組み立て式レイアウトを手掛けられておりその造詣も深かったようです。
 そのプランニングについて書かれていた事を要約すると以下の様になります。

 あっさりしたエンドレスの単調さを破るために3段の高低差を付ける。
 その間に勾配を付けるにしても長い勾配をひとつ付けるよりもその半分の勾配をふたつ付けた方が楽であり変化に富んだプランが作れる。
 一番低い線路を最小限3センチ持ち上げる事で地上線の寂しさを補い、且つポイントマシンなどの機器類を収めるスペースを作る

 大径の曲線であっても緩和曲線を極力付ける。これがあると運転上の効果も去る事ながら、線路が雄大に見え、線路だけで生きた鉄道の感じを与えてくれる。連結面の食い違いを軽減する効果も大きい。最急曲線を大きくとる事に苦労するよりも曲線半径をある程度にとどめて緩和曲線を入れる方が効果的。

 直線コースの長さは20M級8両編成の列車長を2Mとしてこの列車がスケールスピード80キロくらいで走った場合、私たちの目を(列車が走ってゆく)と楽しませてくれる長さを考えて3~4M。
 この条件を考えるとレイアウト全体の 幅は5~6Mが最小限となる。


 これは16番のケースですからこれをNに換算するなら長さや幅にして大体これの半分、Zなら3分の1位に計算して見ると大体イメージできると思います。

 ですがここで書かれている事は私の理想と考える大レイアウトの像とかなり重なるばかりかこれまで私の考えていた事を更に深化させた内容も含んでいました。
 これほどの内容が46年も前に書かれていたとは全く驚きです。

 これはひとり荒崎氏ばかりではなくこの当時の著名な組み立て式レイアウトのいくつかは上記のコンセプトを具象化した様な物を見る事ができます。
 そのいくつかは昔のTMSをはじめ、レイアウト全書、モデリング、テクニックなどにも紹介されていますがどれもこれも今では希講本になってしまいビギナーが目にすることが難しくなってしまいました。
 現在では古めかしくなったり通用しない技法もあるとはいえ、固定式レイアウトでも見直されるべき内容も多いので再販をぜひ希望したいところです。閑話休題。

 ですがこの現象はTMSのバックナンバーを紐解く限り昭和40年代後半くらいまでの様です。
 お座敷運転用の組線路が普及した事もあるのでしょうが、この種の「路盤を一々ベニヤ板から切り出してその上にフレキシブル線路を固定する」組みたてレイアウトと言うのもこの前後の時期から急速にその姿を消してゆきます。

 組線路の登場でお座敷運転の敷居は随分と低くなったのも事実ですし私自身結構お世話になっているのですがその反面線路配置は幾何学模様化してしまい線路配置の自由度などの点で失われた物も結構多い気がします。
 それを特に感じるのが多くのレンタルレイアウトです。
 あれだけのスペースがあるならもっと自由度の高いトラックプランも可能と思われるのにそれを実行している物が極めて少ない。製作の効率性やメンテの容易さから組線路を使う気持ちもわかるのですが・・・

 とはいえ、上述の要素は大レイアウトをプランニングする上で非常に有益な内容でした。
 これらを考慮した大レイアウトを作ってみたいところです。

 ・・・私の場合「プラン」ですが(大汗)

ジャンクの玉手箱から・ミニ蒸気機関車3題

2014-06-13 15:52:53 | 車両・蒸気機関車
 今回はジャンク箱のだぶり機種の話から。

 これまた当然の様に入っていたミニトリックスとアーノルドのT3形タンク機。
 いずれも60年代終わり頃から70年代前半にかけて当時のNゲージャーの定番機種だった機関車です。

 私自身同形機をここ2年位の間に入線させる事ができましたが、外国形の中では比較的中古ショップで見かけやすい機種ではあります。
 でもまさかその両方ともが同じジャンク箱に入っているとは(笑)

 この2機、プロトタイプは全く同じなはずなのにまるで別な機関車に見える所が面白い所です。
 アーノルドの方が実車のイメージに近いようですが、ミニトリックスもプロトタイプを離れてみる限りではそれほど悪い印象はありません。
 聞く所ではミニトリックスのT3は元々手押し玩具としてリリースされ(!)後に動力が内蔵されて同社初のNゲージモデルとして登場した経緯のあるモデルだそうです。

 その目で観れば結構いいディフォルメがされている感じもします。

 さて、このジャンク箱のT3、アーノルドの奴はモータが抜かれて自走不能、ミニトリックスもかなり使いこまれていたらしくスムーズとはいかない走りでした。
 ただ、西ドイツ製のいいところで何分か鳴らし運転をすればそこそこスムーズに走ってくれます。
 アーノルドのも重連用トレーラーと割り切れば決して悪くはありません。

 さて、小型蒸気と言うともうひとつ外せないのが76年リリースのトミーナインスケールのKSKタイプCタンク。
 やっぱりと言いますかこれも当然の様に入っておりました(笑)
 こちらは煙突が折れていたので最初はどうしたものかと思いましたが、幸い同じ箱の中に折れた煙突が落ちており割合楽にリペアできました。
 走行性はミニトリックスより良い位でそれなりに拾いものではあります。

 ところでこのジャンク箱からはもうひとつ大物の蒸気があったのですがそれについては次の機会に。

ジャンク玉手箱におもう「70年代の定番Nゲージ車両」のはなし

2014-06-13 15:51:48 | 思いつくままに・考察
 ジャンクの玉手箱ネタから。

 これを購入した時にも書きましたが、120両近いラインナップだっただけに私が既に持っているモデルもそれなりに存在します。
 関水金属のD51、EF65、DD13やあるいは20系、スハ44系客車、485系電車、キハ20系、貨車類など。あるいはナインスケールの機関車や若干の貨車、エンドウのEF58などなど。

 それでも全体のボリュームを考えると驚くほど比率としては少ない物でしたし、中には既存の編成に混ぜてフル編成に近づけられるものや何両居ても困らないものばかりです。

 で、これらのダブリの車種(これに以前触れた103系なんかも含めると)を俯瞰してみるとここにも70年代のNゲージャーの一般的な姿が浮き彫りになってきます。

 上記の車両群はどれもこれも当時の平均的なNゲージャーなら必ず持っていたと言っていい機種ばかりであり、もし今回と同じようなタイムカプセル的なジャンク箱が売りに出ていたらその中には必ず上記の車両のいくつか、あるいは全部(笑)が間違いなく入っているでしょう。
 要はそれ位当時のNのラインナップはメジャーな機種中心とはいえ、限られた物だったという事です。

 現に70年代初頭の入門書では「Nゲージの蒸気機関車は殆どが外国形ばかりでキットもないし日本型蒸気のファンには向かない」とすら言い切られているくらいです。
 このジャンク箱に入っていたミニトリックスのT3タンク蒸機もその時期に当時のNゲージャーのマスコット的存在としてBACHMANNのドックサイダーBタンクと並びかなり普及していたモデルだったはずです。

 恐らく上述の車種だけでレイアウトを作っても総花的に日本の鉄道っぽい感じには仕上がると思いますし「●●時代の××線区」といった細かい設定に拘らなければ決定的な不満を感じないで済むぎりぎり最低限のラインナップだったと思います。
 と同時に、後になってこれだけ揃うのを見るだけでも当時を知る人間ならば必ず思い出と懐かしさが蘇るラインナップではないでしょうか。

 少なくとも30~40年以上Nゲージを続けていたり、私の様に20年位ブランクを開けて出戻ってきた世代が集まったら初対面の相手であっても思い出話で盛り上がれる機種ばかりとも言えます。

 さて、TOMIXの登場(77年初頭以降)と前後していくつかのメーカーが新規参入してからはラインアップは更に充実していきますが、それと反比例してこうした「定番商品」みたいなアイテムは減少してゆきます。
 もちろん上述の機種のすべてが今でもリニューアルして生き残っているものばかりですが、実際にはものすごく機種のバラエティが広がったのでいきなり最初にキハ07とか京成スカイライナーといった細かな好みからNに入って来る様なファンも多い気がします。
 コレクターでもない限りはキハ20系と103系をいっしょくたに揃えるファンは今では昔ほどにはいないのではないでしょうか。

 そう思うと懐かしさを感じる反面、年季の入ったファン同士の間で共通に語れる機種やモデルが少なくなっている(買えないという意味ではなく)のが少しさびしい気もします。


謎のオロ30(笑)

2014-06-13 15:49:09 | 車両・客車・貨車

 今回は5月の連休(と言っても私にとっては実質日曜日一日でしたが)の収穫品から。
 ジャンク箱とは別に見つけたものです。

 某地(秋葉原ではない)の中古ショップで見つけたジャンク品扱いの客車です。
 見ての通りKATOのオロ30の塗り替え品ですが、よく見るとデッキ部のドアを撤去してあり改造車と言って良い力作と見受けました。
 この手の改造車は中古ショップでも格安で出回る事が多いですが個人的に良い仕上がりと思える時は結構手を出してしまいます。

 カラーリングはグリーンとクリームのツートンでこれだけでも観光鉄道風の感じで好ましい印象です。
 ことによると「津軽鉄道辺りのオハ31に貴賓車があったら」位の想定で作った物かもしれません。

 半分の窓をブラインドかすりガラスよろしく白塗りで隠しているところや帯を半分だけ付けている所も芸が細かいところです。
 生憎この車両は1両だけですが、先日紹介のリマのペンシルバニア383のユーレイ編成に組み込めばどうにか使える車両です。

 この手の改造車ではごく最近ですがKATOの9600をタンク機に改造した奴が近所の中古ショップに出ていました。
 面白い改造とは思ったのですが、こちらは何分価格が(汗)でした。
 たまにはこういう事もあります。

中古モデルにふと思ったこと

2014-06-08 21:12:18 | 思いつくままに・考察
 今回も中古ショップネタです。
 私がよく覗いている中古ショップで見つけたものです。

 鉄道コレクション東武6050を三千円ちょっと。
 新品だと2両セットで2500円位なので一見これだけだと割高な印象ですが実はこれは6両組。
 しかも全車パンタと車輪を交換してNゲージモデル化したものです。
 更に純正でないGMとはいえ動力化、併合編成に対応して一部先頭車のカプラー交換までしていたという代物でした。

 換算すると1両辺り500円、全く掘り出し物とは言えます。

 鉄コレに限った事ではないのですが中古モデルの場合この様なグレードアップをした品であっても新品でないだけで相当に安価になっている事が多いので買う側からすれば有難いのですが、考えようによっては複雑な気分になります。
 そう言えば私の現住地の様な田舎レベルでも中古ショップを見ていると殆ど手付かずの状態で(要は「新品同様」と言う事ですが)売られているモデルを良く見かけます。

 これらの場合、新品ショップの在庫処分品などの可能性もそれなりに高いのですがコレクターが買ってそのままのモデルを売りに来たというのも結構ある様な気がします。
 模型である以上は飾る、走らせる、手を加える為に買われているとは思うのですが、手付かずで買われて手付かずのまま転売されるというのも聞く所ではそれなりに多いと聞きます。
 リニューアル、又はより出来の良い同形式の製品が出たので手放したり、或いは買ったはいいけれど期待はずれだったからとか行った理由も多いようです。
 当然中古屋でもそうした製品なら新品に近いコンディションですから高く買い取りやすいでしょう。

 その一方でユーザーがそれなりに手を掛けた痕跡を感じる製品と言うのは悪い意味で「手垢のついた」製品と言う事になって大概安価に買い叩かれて店頭に並ぶのだろうという事も容易に想像が付きます。
 これはこれで間違ってはいませんし現に私の様にその恩恵を受けているユーザーも多いので文句を言う筋合いではありません。

 ですが手を加えられているという事はそれなりに前のユーザーの顔が見える(大げさな言い方ですが)ユーザーのモデルへの愛情が感じられるモデルでもあります。
 それらの要素は多分にメンタルなものですけれども、中には手の加え方が優れていたり、中には「細かすぎて手に負えない後付けパーツがフルに装着済み」という有難い装備のモデルが安価に買えるという場合もあったりします。

 そうした物もひっくるめて「新品同様でないから」と言う理由で評価されないというのはそれはそれで寂しい物も感じます。
 ただ、繰り返しますが、そうしたモデルの恩恵を受けている者のひとりとしては文句を言う筋合いではないので尚更複雑な気分なのですが(汗)

ジャンクの玉手箱から・謎の蒸気とユーレイ客車(笑)

2014-06-08 21:09:24 | 車両・蒸気機関車
 今回はジャンク箱の中から。
 
 箱の中にあった不動品のCタンク蒸気。
 アメリカ型らしいというところまでは分かるのですがメーカー表記その他が一切ないために素性は不明です。調べた範囲だとどうもLIMAの物らしいのですが・・・

 この機関車の特徴はモータが横置きに配置され真横にあるギアを介して駆動する蒸気としては特殊な部類に属する形式ですがモータが全く反応しない上にギアとのかみ合わせも悪く結局不動品でした。
 やむなくモータと駆動系のギアを抜いて一応転がるようにだけはしましたが、珍しい形式だけに何とか使いたかったところです。

 そこで思いついたのが「ユーレイ駆動」今風に言えば「SL銀河・PDC方式」とでも言いましょうか。
 機関車ではなく後ろの客車か貨車に動力を仕込み後ろから押させる方式です(笑)

 幸い私の手持ちにはこうした用途に使える動力車が3両ほどあります。

 KATOのチビ客車、中村精密の開拓使号、TOMIXの初期型C57のテンダーがその候補です(笑)
 テンダーはともかくほかの二つはこのロコのデザインにも合いますし、やってみる価値はあります。

 チビ客車で実験してみた所ではどうにか破綻なく走らせる事ができました。
 ところで客車の中にこれまた不思議なオロ30が居ますがこれについては次の機会に。 


ブログ7周年を迎え・・・ていました(汗)

2014-06-07 21:29:56 | 日記
 移転前の前ブログから通算して昨日から8年目に突入です(汗)
 実を言いますと今日になって初めて気が付きました。
 ブログの移転やら何やらでこのところごたごたが続いているうちにすっかり失念していたというお粗末です。

 さて、この1年を振り返ってみると昨年以上に中古モデルやジャンクモデルの入線が増加しており、それに伴うレストアや改造が中心になってきています。
 最新モデルの出来の良さはもちろん認めますし入線もさせているのですが、どこかしら手を加えたくなる旧モデルとか走行しないジャンクものなどを復活させる方に魅力の重点が移りつつあるのを我ながら実感しています。
(その極北が先日の「ジャンク箱」だったりするのですが)


 その一方でレイアウトの改修・製作の方は昨夏のミニSLレイアウトの棚幡線の開通以来ほとんどやっていません。これまでの趣味のメインがレイアウトにあっただけに丸1年空白があるというのは初めてです。
(とはいえスペースの事など考えるとこれ以上増える訳もないのですが)
 今後は従来のレイアウトの改修や再製作などでレイアウト自体の密度を上げてゆく方向になると思いますが、それにしても当面は派手な動きはないと思います。
 ただ、車両面でレストアメインの方向に進んでいるのも「レイアウトがあるー走らせるべきフィールドがある」からこそですし、レイアウトに飽きたという訳ではないのですが。
 
 と、つらつら書き殴りましたがブログも8年目に突入です。
 相変わらずの内容のブログですが今後ともよろしくお願いします。

今月の中古車から・マイクロの8620

2014-06-07 21:27:46 | 車両・蒸気機関車
 今回は久しぶりに(笑)ジャンク箱から離れた中古の入線車両のはなしです。

 先日の消費税上げの反動に対する応策なのでしょうか、最近になって近所の中古ショップで大量に出物が並んでいました。
 これほどマニアックな製品が一堂に会するなどこれまでのそのショップでは考えられなかった事です。

 マイクロの製品が中心ですがオレンジの9600とかステンレスのEF10、DD50の片割れ、茶色塗装のEH10とか、まるで秋葉原辺りのの中古ショップみたいなノリです。
 その中でこれまで持っていなかったアイテムもいくつかあったので安い順に購入しました。

 やはりマイクロの8620。
 これまで秋葉等で出物を見ていますが、今回はそれらの6割程度の値段でしたからまあまあリーズナブルな部類と思います。もっともキャブにがたつきがあったのでその辺も安かった理由かもしれません。
 マイクロの86は既存の動力ユニットを使った関係で特にプロポーションの狂いが著しい事で有名なモデルです。

 実際、ボイラーが太い上に腰高、背高なマイクロ蒸気の特徴を全て引き継いでいるので純粋主義のマニアには受けが悪いのもやむを得ない所もあります。
 が、上記の条件の範囲で考えるとこれはこれで結構頑張っている造形ではないかとも思います。

 キャブ周りやテンダーなどはそれなりに86っぽさを出していますし。
 何よりこの86、走りっぷりが意外に良くこれだけでも十分許せる気がします。

ジャンクの玉手箱から・廃車回送専用編成(笑)

2014-06-07 21:24:49 | 鉄道模型 
 たしか、昭和51年頃のことだったと思います。
 夏休みのある日旅行に出かける亡父を見送りに盛岡駅に行った時、ホーム上で父の乗る特急の真向かいにED75がD51を牽引して入ってきたのを見て驚いた事がありました。

 当時は廃車回送なんて専門用語こそ知りませんでしたし、今の様に事前に情報がマニアの間に膾炙する事もそれほどありませんでしたから私ばかりかホーム上に居た人の殆どが「珍しい光景」としてその場に固まっていた記憶があります(笑)
 そうそう、あの頃はカメラ構えた集団がマナー無視状態で絶叫したりストロボを焚きまくるなんてのも(少なくともその場では)ありませんでした(笑)

 その時のD51はナンバープレートをはじめとした「金目のもの」は全て外され、白ペンキでナンバーが書かれていたのが何か痛々しく、全体にくたびれきった風情でファンでなくても何かせつない心持にさせられそうな雰囲気を漂わせていました。

 実は今回こんな事を思い出したのは先日の「ジャンク箱」と関係があります。
 件のジャンク箱の中には車体はありながらモータとギアを抜かれていて自走不能になった機関車が何両かありました。
 外見も相当にくたびれ切っていますし、普通ならそのまま捨てられかねない所ですがこれを見ていて「廃車回送の再現に使えないか?」と思い付きました。

 偶然と言いますかそういう用途に使えそうなDE11とかEF14といった入替機も最近充実していますし。
 モデルは殆どが外国形でアーノルドのT3とかフライッシュマンのB形電機(パンタなし)とかメーカー不詳のSNCF(フランス国鉄)のED電機とかです。
 特に3番目の奴などは経年劣化(?)のせいか塗装のはげ具合とか車体のよれ具合に十分なエージングが発生していてこういう用途にはぴったりです。

 自走不能になった機関車などはモータを抜いてトレーラー化し、重連用の本務機に使う手もありますがこうした回送シーンに使うのも面白い気がします。
 廃車回送専用列車なんてレイアウトにしか存在しない珍編成と言えますが(笑)
(それはそうでしょう。同じ車両が何度も何度も「廃車回送」される訳がないですし)

ジャンクの玉手箱から・ひょっとするとNゲージ最古の流線形DLか?

2014-06-07 21:21:47 | 車両・ディーゼル機関車
 6月に入ってもジャンク箱ネタが続いています。
 それだけ先月のあれのインパクトが強烈だったと言う証左でもあるのですが。
 先日お話ししたアメリカ形客車の話の続き、それを牽引する機関車の話です。

 例のジャンク箱にはメーカーなどの表記のないなぞの外国形モデルがいくつか入っていましたが、その中にアメリカ型の流線型ディーゼル機関車があります。

 台車回りのモールドなどはないに等しい状態ですし、車体は金属製でくたびれ具合も物凄いものです。
 走行部は恐ろしいほどにギアが露出しており4軸中、中央の二軸のみの駆動形態は一見すると資料などで見た事のある「SONYマイクロトレーンのED75」のそれを連想させます。
 その一方で集電側のばねを使ったイコライザ(というかサスペンション)機構が付いているのが目を引きました。

 ところで数年前のRM MODELSで「紀元前N世紀」という連載がされていた事があります。
 50年前の関水金属のNゲージ参入前後の時期の各国のNゲージの開発事情などを豊富な資料とこれまた豊富な実物のモデルを交えて考察した物ですが、今回の様な「謎の品の多いジャンク箱」のモデルのチェックにはこの上ない資料です。
 幸いと言いますか、この当時はRMをほぼ毎月買っていたので書庫やら物置やらひっくり返してどうにか発掘しました。

 その結果、連載3回目くらいの欧州のNゲージ事情(米国進出も含めて)を書いた記事の中でこの謎の機関車らしいモデルの事が記述されていたのを発見しました。
 驚いた事にNゲージの黎明期に当たり、関水金属がC50でNげーじに参入するより前の1963年頃にアーノルド・ラピードが米国進出用にリリースしたモデルの様です。
(あるいはLIMAやBACHMANN辺りの可能性もありますが何しろメーカー表記がないので推定するしかありません)
 当然、関水金属(KATO)の参入前の時期で、電動式のNゲージモデルとしても黎明期の製品といえます。

 模型と考えると許しがたいレベル(笑)の台車回りの造形のラフさも、この当時の仕様だった様で同時期のドイツ型の機関車もほぼ同じ足回りだったようです。
 もしそうだとすればこのジャンク箱の中のモデルでは一番古いモデルという事になり、50年近く前のNゲージモデルという事になります。
 (実際には本国と日本の間にリリース時期のずれがあった事も十分考えられるので、購入時期は先日の初代EF70とほぼ同じだったのではないでしょうか)

 先述したSONYのマイクロトレインの仕様ともよく似ている点がある事から、当時のSONYも検討用にこれを買って構造や造形などを研究していた可能性は大でしょう。

 ところで例のEF70は結局駆動系のトラブルで自走が出来なかったのですが、こちらのロコは派手に車輪とレールの間に火花を散らすものの、どうにか自走は可能でした。 
 これは驚きです。

 とはいえこれでは火花がまるで線香花火並みに大きく、危なっかしくて仕方ないのでギアに注油、車輪もクリーニングの上集電安定剤を塗りました。
 その結果、走行性はかなり改善し火花もかなり減少しました。
 私個人はこの種のケミカルは基本的には好まないのですがこれ位集電系の問題のはっきりしたモデルに使う分には絶大な威力を見せてくれます。

 以前紹介のアーノルドのレールバスも同様の処理で走行性を改善していますし。

レイアウトのダイヤ運転に思うこと

2014-06-02 06:40:51 | 思いつくままに・考察
 久しぶりの土曜休ですがこういう時に限って色々な用事が入り、昼寝が出来たのは夕方4時。
 そんな訳で最近無闇に暑い中ゴロゴロしながら68年頃のTMSを読みふけります。

 今回はそこで感じた事から

 個人的にですが昭和39年頃からTOMIX登場直前位までのTMSは本当に面白いと思います。
 16番の車両工作は図版が豊富で読んでいるだけで作った様な気分になれますし(笑)Nゲージは勃興期で製品の充実度の少なさに反比例するかのように創意工夫で車種を増やして行く記事が多いです。
 レイアウトも最近では絶滅状態の組み立て式レイアウトや庭園鉄道もまだまだ見られますし、Nのレイアウトもアイテムの少なさを(以下略・爆)

 中には今読んでも目から鱗の落ちるような記事にもまだまだ当たります。

 今回特に感銘したのは河田耕一氏の「スケール運転を楽しもう」(68年7・8月号)
 これまでレイアウトに於けるダイヤ運転について私自身「1日を60分に縮めたスケールタイムでダイヤグラムを組んで、遅れを出さないように正確に運航する」とかずいぶんと堅苦しいイメージを持っておりました。

 いや、実際のダイヤ運転はそれ位堅苦しい物なはずなのですが。

 ですがこの記事でも述べられている事ですが、趣味で運転するダイヤ運転ならば時間を定めなくても「列車を動かす順番」を決定しそれを追ってゆくだけでも十分面白いという事です。
 ここで言う順番とは必ずしも複数の編成の行き違いや入替のみを意味しません。7月号ではある駅での混合列車の貨車の連結と順序の入れ替えをフォトストーリー風に追っていましたがこういうのでもなかなかリアルでかつ鉄道模型の醍醐味を味わえる感じがします。

 考えてみたら、レイアウトが1/150だからと言って時間まで1/150になる訳ではありません。
 ファーストクロックなどなくても「朝起きぬけに運転するときは通勤時間帯を想定し、昼間の閑散時間帯はそれにふさわしい短縮編成などをちょこっと流し、夜寝る前の運転なら最終列車とそれに伴う明朝への準備としての車両配置をする」という形でユーザーの生活時間帯に合わせてレイアウトの運転形態を変えるというだけでも十分に「鉄道のシステムを物にしている」気分が味わえるのではないでしょうか。

 こういう楽しみ方も小さいながらレイアウトを私有しているからできる事ですし、その魅力を持続しうる要素だと思います。
 


 ですが、以前も触れましたがミニSLレイアウトの棚幡線は本来そういう楽しみ方をすることを前提にした物です。
 だからこそエンドレスで終わらず外部との2本の連絡線を持ち自作のアンカプラーまで装備させ、旅客と貨物の二つの駅まで設置したはずなのです。

 それなのに上述のような堅苦しいイメージに私自身が縛られていたからなかなかそれを生かし切れていないのが現状でした。
 本当に目から鱗の気分でこれなら少し気楽にダイヤ運転を捉える事も出来そうです。

 ただしそれを楽しむには運行上の設定(ルール作りの基礎となる部分です)だけはしっかりさせなければなりませんが。
(写真は本題とあまり関係ありません)

思い出の一冊から「Let's Play Layout」

2014-06-02 06:38:39 | 書籍
 これまで何冊か私の趣味の自分史にシンクロして影響を与えてきた本をいくつか取り上げて来ましたがこれを取り上げないのは文字通り「画竜点睛を欠く」と言う奴で。

 なぜなら、この本だけは「記事を見ながら実際にレイアウトを作った」一冊だからです。

 「Lets Play Layout(NEKOパブリッシング)」
 私が趣味の再開時(つまりレイアウトの着工時)に書店で普通に手に入るレイアウトの入門書は実質この一冊だけでした。
 元々中断中はTMSは読んでいてもRMMやNなんかはあまり手に取って見ていなかったので趣味の再開直前まで本書の存在も知りませんでした。

 が、趣味の再開直前のまさにその時期、ショッピングセンターで地元のクラブ(現在私も所属していますが汗)の運転会を見ていた時に隣で食い入るようにモジュールや列車を眺めていた中学生くらいの観客の手に明らかに読み過ぎてボロボロになった「Lets Play Layout」が握られているのを見て「ああ、こんな入門書もあったのか」と認識したのが最初です。

 その観客が実際にレイアウトを作っているかどうかはわかりませんでしたが、ここまでボロボロに出来る本なら使いでのある本に違いないと感じ、趣味の再開時に真っ先に買いました。

 実際その印象には間違いはなく、バラストの敷設、地面の製作、ウェザリングの技法や植生の仕方等最初のレイアウトの製作中は本書を片時も手放せない状態(そう考えると『開きっ放しで手元に置けない』本書のサイズの小ささは結構なウィークポイントだったのですが)でした。

 その後もレイアウトの拡張やモジュールの製作などで折に触れて参考にさせて頂きましたし、今読み返しても十分名著だと思います。

 ノウハウ本として有難いポイントは「1技法1ページ」で要領良く作り方が紹介され、専門誌の製作記の様に流れになっていないので必要な所を必要なだけ拾い読みできる」点にあります。
 これはこれまでTMSはもとよりとれいんの様な専門誌や、他のビギナー向けの入門書でも成しえなかった所と思いますが、要するに「こういう本作りが必要になるほどレイアウト製作が特殊でなくなってきた」と言う事なのでしょう。
 それでいて作例紹介も当代一流のレイアウトビルダーを揃え、レイアウトへの夢をかきたてる構成になっているのも見逃せません。

 これは今でも入手可能な本であると同時に、今でも十分にお勧めできる入門書の一冊と言えます。

ジャンクの玉手箱から・「EF65・またまた」

2014-06-02 06:36:46 | 車両・電気機関車
 今月に入ってからずっと続いているジャンクの玉手箱ネタから

 今回はKATOのEF65です。
 以前から「偉大なる凡庸」と呼んでいるEF65ですがこれだけ在籍数が増えている背景のひとつとして「ジャンク袋の中にかなりの確率で入っている」という要因があります。
 今回のメガ盛りジャンク箱の中にも当然の様に入っていた訳で(笑)
 同じKATOの20系と同様に黎明期から普及期にかけてもっとも普及したモデルのひとつだからなのでしょう。

 今回紹介するのはKATOの65としては3代目に相当するモデルでこれまで私が持っていなかったバージョンです。確か78年か79年頃のモデルだったでしょうか。
 これが出た当時はかの「ブルートレインブーム」の時期でNゲージでも20系の他に24系がリリースされ同じ65でも1000番台はそれまでの500番台よりもグレードアップされたものがKATOはもとよりTOMIX(香港製)やエーダイから続々リリース。EF65全体の質的な底上げがなされていた時期でした。

 それゆえに10年前のままの500番台も何らかのグレードアップに迫られていた時期のビッグマイナーチェンジだったと言えます。

 特徴としてはKATOのEF65、あるいはEF65の500番台としては初めて「ライトが点灯する」こと。EF70と違って初代のEF65は10年近くライトなしでした。
 その他はこれが発売された当時に当のKATOが盛んに自慢していた「EF65専用台車の採用」があります。それまでは足回り、特に台車はEF70と共用でしたがここへきてようやく専用の足回りとなった訳です。
 また現在では絶滅しましたが関水金属用の電磁マグネットカプラーが装備されていた事も大きな特徴です。

 外見では前面Hゴムや側面モニタ窓に色刺しがされている事で容易に判別出来ます。
 当時はこれだけでもそれ以前のモデルよりかなりグレードアップした様な印象がありました。当時出ていたTOMIXの24系やエーダイの14系15形と組み合わせてもそれほど古臭さは感じなかったと思います。
 恐らく当時もこのタイプは一種のステータスシンボルになっていたのではないかと思います。

 このジャンク箱の他のモデルも大概そうでしたがこの65も走行性はかなりくたびれていました。
 全く走らない訳ではないのですがこのモデルもそれなりに使い込まれていた様です。

 とはいえ、これまで持っていなかったバリエーションでもあるので当面は改造などは考えずに温存する積りでいます。