ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

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教育基本法の「改正」に反対する声明

2006年12月03日 19時59分57秒 | 大学
 今日付けで、大学の有志で、国民的合意を得ないままの教育基本法「改正」に反対する声明を出した。衆議院での強行採決から、参議院にまわって、その後、今国会で「成立」するのではないかといわれている。しかし、いじめ自殺など現在の教育をめぐるる状況は、教育基本法の精神を充実させ、浸透させることを求めている。一人ひとりのかけがえのないいのちと発達が保障されるよう…。


  「教育基本法」の国民的合意を得ないままの「改正」に反対する声明

                       奈良教育大学構成員有志一同

 現在開催中である臨時国会の衆議院本会議において、政府・与党は11月16日、「教育基本法改正法案」を、野党4党が欠席する中で強行採決し、参議院に送付しました。教育基本法は、わが国の大学教育を含めた教育全体の基本的な理念を規定する、教育の「憲法」とも言うべききわめて重要な法律です。現行法の不備や問題点、改正の必要性について、国民的な合意のないまま改正を強行するべきではありません。

 ところが、これまでの審議において、今なぜ「改正」が必要なのかについての説得力のある理由は何ら示されてこなかったばかりか、「改正案」には、戦前のような教育の国家統制を可能にしかねない内容が盛り込まれており、教育学の専門家を始めとする各方面からの批判や反対の声が上げられています。また、全国公立小中学校校長の66パーセントが「改正」に反対し、保護者の実に88パーセントが「改正案」の内容を「よく知らない」と答えているといった調査結果も報告されており、「改正」に向けての国民的な合意が形成されているとはとても言い難い状況です。

 さらに、国民の意見を広く求めるために行われていたはずの政府主催のタウン・ミーティングにおいて、「改正」に賛成する「やらせ質問」が仕組まれていたという驚くべき事実が明らかにされました。これは、政府による世論の「偽装工作」とも言える重大な問題であり、法案提出者としての政府への国民の信頼を根底から揺るがすものです。

 私たちは国立大学の教育学部という、わが国の教育及び教育者養成に対して公共的な責任の一端を担う機関の構成員として、このような状況の中で教育基本法の「改正」が強行されることを黙過することはできません。衆議院において採決が強行されたことに断固抗議するとともに、参議院においては決して国民的合意のないままにこの重要な法律の改正が強行されてしまうことのないよう、慎重な審議がなされることを強く求めます。

 あわせて、わが国の教育に対して公共的な使命と責任を担うあらゆる組織、機関においても、この「改正」問題についての真摯な検討がなされ、それに基づいた積極的な発言や行動が行われることを切に希望します。

2006年12月3日

【呼びかけ人】(50音順)
生田 周二(教育実践総合センター 人権教育・社会教育)
石田 正樹(理科教育講座 生命・地球科学)
伊豆藏好美(社会科教育講座 哲学・倫理学)
井深 雄二(学校教育講座 教育経営学)
大山 明彦(教育実践開発講座 文化財保存修復)
内田惠美子(生活科学教育講座 被服学)
片岡 弘勝(学校教育講座 生涯学習)
越野 和之(教育実践開発講座 障害児教育学)
今  正秀(社会科教育講座 歴史学)
玉村公二彦(教育実践開発講座 特別支援教育)
長友 恒人(教育実践開発講座 古文化財科学・年代測定学)
日高 佳紀(国語教育講座 国文学)
平賀 章三(理科教育講座 生命・地球科学)
安田 寛 (音楽教育講座 音楽科教育)

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