「まつたけ十字軍」の“布教救世軍活動”で“教祖”吉村御老公+猫田・宮崎の助さん角さんデコボココンビで小豆島漫遊の旅へ。
姫路港からフェリーで1時間40分、福田港には旅程のお世話をいただいた森川さんはじめ「小豆島まつたけ十字軍」のそれぞれにユニークな方々がお出迎えいただいた。
小豆島は大半が花崗岩の隆起でできた島で、面積約150平方㎞、神奈川県川崎市、大阪府堺市とほぼ同じくらい、島の周囲約130km、平坦な直線道路は延長1kmほどのところが一ケ所あるくらいであとは曲がりくねったアップダウンが続く。最高峰816.6mと意外に高く、内陸部には寒霞渓に代表される奇岩の渓谷もありちょっとした山岳地帯かと錯覚するほどである。よく知られている観光の目玉は「24の瞳」、オリーブ、醤油、そうめんといったところか。島にはコンビニが3軒しかない(3軒もある?)そうだが、意外にもホームセンターを2軒も見かけた。
まずは島の長老、港さん宅で一休み。メンバーがそろったところで昼食に出かけ名物讃岐うどんをご馳走になった。
午後は島の「観光大使」萩本さんの案内で、寒霞渓、「24の瞳」とオリーブだけではない、とってもコアなウラ小豆島巡りへ。ギネスにも載っているという世界最狭の土渕海峡(9.93m)、大阪城石垣の残石公園、大観音像、棚田100選に選ばれてもおかしくなさそうな千枚田を車窓から眺め300年の歴史を誇る国指定の重要無形文化財「農村歌舞伎」の舞台へ。
「農村歌舞伎」の舞台は、京都の円山音楽堂をもう少し素朴にしたような、青空階段状の客席に藁葺き屋根の野外舞台で、上演は主に春と秋とのこと。驚いたことにこの舞台は回り舞台になっていて、床下で屈強の強力が幕間、人力で回す仕掛けなのだそうだ。運よくちょうど近くの公民館で行われていた子供歌舞伎の練習風景を見学させていただくことができた。一生懸命練習に励む子供達と熱心に指導されている地元の方のはりのある豊かな声量に圧倒され、ぜひとも本番を観覧してみたくなった。
銚子渓おサルの国。喜んでおサルを見に行くのはシロウト。萩本さんが案内してくれたのは対面に寒霞渓ロープウェイを望む山頂、四方指(777m)。「パチンコ好きの人がよく来る」という寒いジョーク付き(失礼)。サルの糞があちこちに臭いのには閉口したが奇岩の寒霞渓を遠望するには絶好のポイントだ。小高い岩があり「その岩の上で飛び上がれ」と仰る。目の前は断崖絶壁で高所恐怖症の私には酷な注文だが、「清水の舞台から...」の心境で飛び上がった...。萩本さんは島で有数の写真家でもあられるようだ。
四方指から30分、たった今遠望していた寒霞渓ロープウェイ山頂駅へ。奇岩の眺望は四方指から遠望するほうが見応えはある。今回は時間が無くロープウェイには乗れなかったが、ロープウェイが通過する峡谷の狭さでは日本有数と言われる寒霞渓のこと、空中間近に見る奇岩美はまた一味違ったものであろう。いつか見てみたいと思う。
山頂駅でオリーブソフトクリームを食べる。2種あるがピンク色の完熟オリーブ入りがほんのり甘くてうまい。同行の高津さんが支配人からエイのヒレをゲット。今はオフシーズンで売っていないのを常連のよしみで特別に分けていただけたそうだ。この高津さん、大阪から早期退職移住して半年、すでに島の名物男。長老の港さんからは「NHK」のあだ名で呼ばれていた。
小豆島の名産品の一つは醤油。創業100年以上の歴史を誇るヤマロク醤油株式会社。国の登録有形文化財である「もろみ蔵」を見学できる。麹菌、乳酸菌が100年の時を経て白い粉をふくように棲みついた直径3mはあろうかという杉樽、ふくよかで甘からいもろみの香りに思わずつばを飲む。すでに五代目を数える若い当主と、お若い頃はさぞお美しかったであろう(失礼、今も)四代目の女将さんが蔵内を案内してくれた。夏場はすでに醗酵は終わって熟成に移る時期だそうだが、熟成樽への移行を待っている醗酵樽では今もぶくぶくともろみが息づいていた。醗酵最盛期には樽からあふれんばかりに盛り上がるそうだ。
試食コーナーでは、自慢の再仕込み醤油「鶴醤」(「つるしょう」ではない「つるびしお」)、丹波黒豆醤油「菊醤」を味わわせていただく。原材料表示は当然のことながら国産の「大豆」「小麦」「塩」のみ。あっさりしているのにコクがあり、量産醤油にありがちなアルコール臭が全く無い。それぞれの小瓶セットを買い求める。
(以下次号)