などという言葉があるのかどうか知らないが、少年の頃は6月のニイニイゼミから9月のツクツクボウシまで、セミの声に夏の時の移り変わりを感じたものだった。
ニイニイゼミの声を聞かなくなって久しい。ミンミンゼミやヒグラシの声を聞くことも少ない。アブラゼミの声にクマゼミが勝ち始めるのも早くなった気がする。東京でもクマゼミが増えたらしい。九州から持ち込まれた街路樹にクマゼミが潜んでいたとする説もあるようだが。京都より暑いと思っていた小豆島では、7月末すでにツクツクボウシが鳴いていた。大江ではまだヒグラシがにぎやかである。夏、セミの声に時のうつろいを感じられることはなくなってしまったが、地域を感じられるようにはなってきているらしい。