選挙ポスター代水増し県議のリコール結果
8月20日に県選管へ届け出て、8月27日から10月26日までが署名の収集期間であった山県市での横山県議リコールの結果について、コメントも兼ねてご報告いたします。一昨日2日まで書類の回収を行い、最終の集計結果です。
署名簿(署名用紙) 「1217冊」 署名した市民 「4578人」
リコールの成立に必要な署名数、つまり直近の「9月17日」づけで県選管が告示した山県市の選挙人登録者の1/3の数は「8194人」です。
よって署名数が不足していますので、リコールの「署名簿の提出行為」自体なし得ません。
【署名の概要】
当初、A4版4枚7ページの「署名簿」(記名欄20人用)を作成しましたが、「書き方が分かりにくい」との声が多々あり、A3版1枚両面2ページの「署名用紙」(記名欄5人用)も作成しました(ルール上、「署名簿」には定型の様式がなく、「要件」さえそろっていれば種類を変えることも可)。
回収された署名簿・用紙において、氏名以外の署名月日、住所、生年月日の記載もおおむねなされていて、「押印か指印」についても「指印」はほとんど皆無に近く(10人以下)、従来の直接請求の署名以上に丁寧に署名がなされていました。
署名簿は、「20人」満杯(もしくは近く)もそれなりにあり、他方で、「1人」もありました。
【数が逹しなかったことの分析】
○ ポスター代の水増しの発覚(2007年6月)から3年以上が経過し、事件が風化して「怒り」の意識が薄れてしまうという、そのような市民感覚が予想以上にあり、盛り上がりに欠けそれが署名意識の伝播を強くしなかったこと。
○ 過去に何度も行ってきた条例制定・改廃の直接請求とは異なり、署名したことが知れることへの懸念が格別にあったこと。
○ 署名簿を各戸に配布したことが、かえって、「自分のところだけ書けば」という受け止めを誘ったこと。
○ 市議の1/3以上が「リコールしよう」とのことだったが、始まると「動けない」等の状況に遭遇したこと(理由はそれぞれ)。
○ 当時、市議5人が辞職していたが、関係者(市民)に複雑な意識が存在したこと。
○ 寄せられた意見のいくつか。賛意や激励は多数ですが、ごく一部には「来年選挙だから、そこでいいではないか」「住民投票になればまた税金が使われるからリコールなどしなくていい」「もっとほかのことにエネルギーを使え」等もありました。
【運動的な観点から】
事件当時、岐阜地検の起訴を期待しましたが、起訴猶予処分とされました。私たちは、岐阜検察審査会に申し立てしました。「市民意識の代表」である検察審査会は、2度、不起訴不当の議決をしました(2008年6月、2009年10月)。しかし、検察はいずれも不起訴(2009年3月、2010年1月)とました。
選挙公営(ポスター、選挙カー、ガソリン代)における水増しは、2007年から2008年にかけて、全国各地で不正が発覚するという大きな社会問題となりました。よって、全国の「候補者」への教訓のために、事件の全容を解明する「刑事裁判」は不可欠なことと判断しました。
ともかく、その間に3年近くが経過してしまいました。
通常、リコールは重要な争点が生じたときに直ちに実行され、一気に突っ走るものですが、今回の山県市においては、間を空けたリコールとならざるを得ず、結果として不成功となりました。
【まとめ】
事後の圧力への懸念を持ちながらも署名して下った方もあり、署名いただいた4500余名の皆さんには感謝します。いずれにしても、基本的には、事務局・寺町知正の責任であり、リコール成立に至らなかったことを申し訳なく思います。
以上
集まった署名簿・署名用紙 (2010年11月2日撮影)
 |