●竹原信一・阿久根市長「二元代表制システムは破綻」
専決処分を何度も行ったことで片山善博総務相からも批判を受けました。しかし、手続きが法にのっとっているかいないかという話でなく、行政に何が必要か住民自身が決めることが大事です。自治体が考えるべきことに横やりをいれ、自治をさせる気がないのかと感じてしまいます。
一番の問題は、首長と議会による二元代表制や議会制民主主義が機能しているという幻想です。議会で市長は説明委員の一人にすぎず、多数派の議員たちが事前に決めた結論を多数決という形で通しているだけ。議論する相手にもされない状況で、二元代表制はないでしょう。
結局、首長と議会を対等にする唯一の方法が専決処分でした。議会の解散も、議会で決議しないとできない。市長は責任者でありながら、市政を決める権限がないのが現実で、システム自体が破綻(はたん)しています。
議会も既得権益に固執し、専業的な議員であるがゆえに行政側と懇ろになるケースが多いなら、議員は日当制で、仕事のある人が夜とか休みの日に、住民議会という形でやればいいのです。
公務員給与の削減などでも議会と労働組合が連携し、抵抗を受ける。そもそも公務員という特別な身分は必要ありません。民間と同じ仕事をしているのに、なぜ公務員だけ身分が保障されているのでしょうか。
逆に仕事のブレーキになっているなら、市役所まるごと民間に任せて、業績が悪ければ会社を代える形をとるべきです。私に対するリコール運動は、改革に反対する労働組合が中心です。職員が解雇されてもいい状態を作り、組織の健全さを維持して役所が社会を最優先する形に改めなければなりません。
「ブログ市長」といわれるのは本意ではありませんが、ブログは政策を住民や社会全体に訴えるための手段で、行政の現実を知ってもらい、政治に対する意識を変えたいというのが本音です。改革が急進的だとか批判はあっても、できることをやらないわけにはいかない。これでも遅いぐらいだと感じています。 |