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てらまち・ねっと



 若い人の政治離れ、選挙離れが言われる。投票率のデータなどには端的。
 若者の政治参加を促す目的で、選挙権の年齢を「18才以上」へ引き下げる公選法の改正案が出されている。
 
 「提案したのは、自民、民主、維新、公明、次世代、生活の六党。今国会で成立する見通し」
 「70年ぶりの改革で、早ければ来年の参院選から適用される」(中日)

 中日の社説は、徴兵制や少年法との関係も整理していてまとまっていたので、ブログにとどめておく。
 他に、「母子家庭、問われる支援」の報道。
 あと、ここのところ話し合っている白井氏の「『デフレ時実施』見送りへ 年金のマクロ経済スライド」(3月19日/白井康彦)

 ・・ということで、今日もお仕事。

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●社説 「成人の年齢」は熟慮で 18歳選挙権法案
           中日 2015年3月16日
 十八歳から選挙権が持てるように公職選挙法の改正案が提出されている。「成人の年齢」も引き下げる案については、慎重に議論を深める必要がある。

 スコットランドは英国から独立すべきかどうか-。昨年、話題になった住民投票では、十六歳以上が投票した。日本でも今年二月に沖縄の与那国島で、陸上自衛隊の部隊配備をめぐる住民投票があったが、このときは「中学生以上」の町民に投票資格があった。

 地域の未来を決める重大なテーマには、次世代を担う若い人々の意見も反映させたいために条例でそう定めたようだ。

若者の政治参加を促す
 選挙権の年齢を「十八歳以上」へと引き下げる公選法の改正案を提案したのは、自民、民主、維新、公明、次世代、生活の六党だ。今国会で成立する見通しだ。

 選挙年齢は一九四五年に「二十五歳以上」から「二十歳以上」に改められており、それから数えると、七十年ぶりとなる大改革となる。早ければ来年に迫る参院選で実現する。国会議員を選ぶ選挙ばかりでない。地方自治体の首長や議会の選挙、最高裁判事の国民審査、自治体の首長や議員の解職請求(リコール)などを受けた住民投票にもかかわる。

 「十八歳」へと引き下げられれば、若者の政治参加を直接的に促すことになる。必然的に国政への関心も高まることだろう。少子化の時代でもある。次の時代を切り開いていく若い世代の声を広く国政に反映させることは好ましい。この意味で十八歳への引き下げには賛同できる。

 国立国会図書館が世界の状況を調べたことがある。百九十八カ国・地域のうち、選挙年齢の下限を十八歳としている国は、百六十七にものぼった。国際的にみても「二十歳以上」とする日本は少数派に属するのだ。

主権者教育の充実を
 だが、今回の法案は、昨年に成立した改正国民投票法を踏まえていることにも留意せねばならない。国民投票法は憲法改正の手続きを定めた法律だ。自民党が前のめりになっている憲法改正へと進む“布石”になるのなら、もっと吟味が必要ではないか。

 国民投票は十八歳以上だ。選挙権も引き下げるのならば、主権者教育をより充実せねばならない。政治に無関心な若者に対し、国民主権や基本的人権、平和主義を定めた日本国憲法への理解を深める教育だ。権力を縛る役目を果たす立憲主義についても教育現場で徹底して教えてもらいたい。これは改憲が大きな政治テーマになる以上、全世代で考えたい。

 世界に目を向ければ、選挙年齢は徴兵制とも絡んできた。ベトナム戦争時に選挙年齢を引き下げている国々があるのだ。徴兵されるのに選挙権がないのはおかしいという議論が起こったからだ。こんな歴史も踏まえた方がいい。

 少年法との関係もある。買収などの選挙違反があれば、成人と同様の処罰対象とするという。少年法で定めた「成人の年齢」自体を十八歳へと引き下げる動きさえ出ている。これは疑問だ。

 少年法は健全育成を期待して、非行少年を矯正し、保護するのが目的だ。人格の形成途上であるし、立ち直る可塑性に富むとされる。刑罰を科すよりも、教育により指導・支援する方が効果的だという研究結果もある。

 公選法と少年法は理念も背景も異なる。個別に慎重な議論をすべきだ。

 民法上の問題も大きい。十八歳ではローン契約などは親の同意が必要になる。自分で契約ができるのは民法上の「成人の年齢」である二十歳だからだ。二〇一三年に内閣府が行った世論調査では「契約ができる年齢」について、十八歳への引き下げに賛成が19%、反対が79%だった。

 経済的に親に依存している者が多いうえ、自分で責任をとることができないと大半の人が考えているのだ。

 「親権に服する年齢」についても、引き下げ賛成が26%、反対が69%だった。大学や専門学校などへ進学し、十八歳で自立している者は激減している。この現状を踏まえた結果といえよう。

飲酒や喫煙も認めるか
 競馬法で未成年者は馬券を買えないし、飲酒や喫煙も「満二十歳」が区切りだ。ギャンブルや飲酒まで一律に十八歳に引き下げることにはためらいがあろう。

 政府が〇七年に調べたとき、「成人の年齢」を十八歳にすると、法律百九十一、政令四十、省令七十七を見直す必要があることが判明した。憲法は「成年者による普通選挙」を保障している。

 日本社会は何歳を「成年」とするか、国民的なコンセンサスが必要だ。身近で深いテーマだけに熟議が欠かせない。

●母子家庭、問われる支援
       (2015年3月16日) 中日
貧困率5割超、頼みは児童扶養手当
  シェアハウスなどに暮らすひとり親の女性に対し、児童扶養手当の支給が東京都内の一部自治体で打ち切られていた問題は、生活弱者への行政支援のあり方を問う形になった。厚生労働省は現在、支援窓口となる地方自治体の対応策を検討中だが、ひとり親の大半を占める母子家庭の貧困率は5割を超え、厳しい経済状況に置かれている。 (我那覇圭)

 厚労省の全国母子世帯等調査(2011年度)などによると、ひとり親家庭(推計)は離婚率の増加を背景に、1993年度調査に比べて約50万世帯増え、146万1000世帯に上った。このうち母子家庭は8割超にあたる123万8000世帯を占め、父子家庭も22万3000世帯ある。
 母子家庭の母親の半数強は、アルバイトや派遣社員といった非正規の仕事で生活し、平均総所得は年243万円にとどまる。全世帯(537万円)と比べると半分以下だ。

 母子家庭の厳しい経済状況を如実に表すのが、標準的世帯の年間所得の半分未満で暮らす人の割合を示す「相対的貧困率」の高さだ。直近の12年の貧困率は、子どもがいる現役世帯(18~65歳未満)で15.1%なのに対し、ひとり親世帯では54.6%まで跳ね上がる。

 苦しい経済状況の支えになっているのが、今回打ち切りが問題化した児童扶養手当だった。母子家庭の7割、父子家庭の5割が受給。所得制限があるが1人目の子どもに最大で月約4万円支給される。2人目は5000円、3人目以降は3000円ずつ加算される。低所得者支援には生活保護もあるが、受給者は1割前後。親族への扶養照会など申請時の手続きなどへの抵抗が影響しているとみられている。

 母子は実家に暮らして生活費を節約したり、母親が2つ以上の仕事を掛け持ちしたりしているケースも多い。最近では、川崎市で殺害された中学1年の男子生徒もひとり親家庭で、母親は事件後に「(自分が)遅い時間に帰宅するので、(子どもが)日中何をしているのか十分に把握できていませんでした」とコメントした。

 ひとり親から寄せられる相談などに対応しているNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子(ちえこ)理事長は「ひとり親というだけで既に十分に頑張っていることを理解してほしい。簡単に賃金が上がらない以上、公的な経済支援の拡充こそが重要ではないか」と訴える。

児童扶養手当の打ち切り問題 東京都国立市のシングルマザーの女性が、独身男性のいるシェアハウスに住んでいることで「事実婚」とみなされ、児童扶養手当などを打ち切られた問題。昨年12月に東京新聞(中日新聞東京本社)の報道で明らかになった。「事実婚の相手がいれば手当は支給しない」という30年以上前の厚生省(現厚生労働省)の課長通知が、打ち切りの根拠になっていた。報道を受け、市は支給再開に向けた準備を進めている。

●「デフレ時実施」見送りへ 年金のマクロ経済スライド
       中日 2015年3月19日 (白井康彦)
 年金財政の悪化を食い止めるため、公的年金額の伸びを毎年度少しずつ抑える「マクロ経済スライド」が、二〇一五年度に初めて実施される。一方、デフレ時もマクロ経済スライドを実施できるようにする制度改正は見送られる情勢になった。背後にあるのは受給者の反発を恐れた政権与党の慎重姿勢。受給者の心理を考えてみた。

 愛知県内のファイナンシャルプランナー(FP)有志らが毎月、名古屋市内で開く勉強会。公的年金で意見が一致するのは「マクロ経済スライドの仕組みが分かっている国民は、ほとんどいない」という点だ。

 一五年度の年金額は前年度比で0・9%増える。これは物価や賃金によるスライド率2・3%から、過去の物価下落時に実施せず、今回実施する物価スライドの分0・5%と、マクロ経済スライドによる0・9%をマイナスした数値だ。

 まずはこのスライドの仕組みを確認する。年金額を据え置くと、物価の上昇時は年金額が実質的に目減りし、下落時は実質的に増える。こうした変化をなくすため、物価や賃金の変化に合わせて毎年度実施するのが物価スライドだ。

 マクロ経済スライドはこれとは別物。物価スライドによる改定率に抑制率を上乗せして年金額を減らす。今後も年金財政を維持していくのが目的だ。抑制率は少子高齢化の進み具合などを反映させて決める。年金の実質金額が減るので、受給者には厳しい制度だ。

 ただ、現行ルールでは完全に実施されるのは物価上昇率が大きいときだけ。物価や賃金が下落したときは行わず、物価や賃金の上昇率が小さいときは、年金額が減らないように、一部だけマクロ経済スライドを実施する=図。

 厚生労働省はマクロ経済スライドを完全に実施できるよう制度改正する構えだったが、政権与党が難色を示したため方針を転換。二月下旬に新しい見直し案を与党に示した。

 物価の下落時や物価上昇率が小さいときのルールは現行通りとし、実施できなかった抑制分は、物価が上昇したときにまとめて実施する内容だ。

 物価が上がるときと下がるときのルールが、こんなに違うのはなぜか。勉強会に参加するFPの青木栄子さんは率直に解説する。

 「受給者の誰もがはっきり分かるのは年金額が増えたか減ったかだけ。マクロ経済スライドを実施しても年金額が増えれば、あまり痛くは感じない。でも物価下落時に行うと、物価スライドとの二重減額になり、受給者の打撃は大きい。物価が少し上がっているときに完全実施すると、年金が減額になるのでやはり痛い。政治家は受給者に嫌われたくないのでしょう」

 三重大人文学部の深井英喜准教授(経済学)は「多くの人は物価の変動を織り込んだ実質額のことは考えず、名目額にとらわれる」と解説する。実質と名目の感覚のずれは経済学の世界で「貨幣錯覚」と呼ばれる有名な現象という。

 四月の統一地方選や来年の参院選を控えた政治家の思惑が働いたようだが、批判は根強い。

 東海地方の元自民党県議(83)は「年金額が少ない国民年金受給者への配慮は別途必要だが、年金制度維持のためにやるべき見直しは実行せねば。高齢者票を意識しすぎてはだめ」と直言している。

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