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天理市・豊田トンド山古墳 7世紀前半、直径約30mの円墳に全長9・4mの横穴式石室を確認

2015年04月28日 | Weblog
 天理市教委は27日、同市豊田町で7世紀前半に築造された古墳が新たに見つかったと発表した。
 昨年12月から市道整備に伴う調査を実施していた。
 墳丘は直径約30mの円墳とみられ、全長9・4mの大型横穴式石室が確認された。石室は最大で一辺3mの巨石を積み上げていた。石室の天井を覆う石や側壁の一部や石棺はなくなっていた。一部の石材には、石を割る際に生じる矢穴跡も残っていることから、後世に他の用途に用いられたとみられる。
 玄室は長さ4・9m、高さ2・6m、幅2m。床には30cm程度の石を丁寧に敷き詰めていた。石室奥の壁は、顔料で赤く彩色した跡も見つかった。中世に盗掘された痕跡があり、棺は残っていなかったが、石の破片が多数見つかり、石棺が安置されていたとみられる。床面に赤色の顔料「ベンガラ」が残り、鉄くぎが多数出土したことから、木棺が追葬された可能性がある。鉄鏃や大刀の金具などの破片も出土したが、副葬品は盗掘で失われていた。
 羨道は幅1・7m、長さ4・5m。
 古墳の南側約1kmには物部氏の本拠地跡とされる布留遺跡が位置する。一帯が古墳時代の豪族・物部氏の本拠地だったことから、物部氏の首長クラスの墓である可能性が高いとしている。6世紀後半に一族を率いた物部守屋が蘇我氏との戦いに敗れ、衰退した。
 現地説明会は5月2日午後1時~同3時30分に開かれる。雨天の場合、9日に順延となる。
[参考:共同通信、読売新聞、産経新聞、毎日新聞]


奈良の石上・豊田古墳群で横穴式石室が新たに発見(産経新聞) - goo ニュース

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