おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

国民の技術力

2013-10-21 | ■ 業 務 エ ッ セ イ


技術力というと 工学系における話題のイメージが独り歩きする感がありますが
文系の理論の視覚上の処理(やや?硬い表現でスミマセン)での系統だった処理力には感動することさえあります

なんのことか 具体的な説明がないとみえてきませんが・・




日本には 戸籍という 身分法関係文系の視覚上の処理手法 ともいえるシステムがあります


その中に 登場する言葉として

改正原戸籍
 ・ 除籍


等という言葉を聞いたことがある方も多いと思います
これらは ごく簡潔な説明をするとすると いわば現役の役目を終えたもののため あるいは  別な場に 必要に応じてお目見えの紙面を設けたりするための仕組み(コンピューター言葉でいうと 保管場所にフォルダを収めたり 分派のフォルダを作ったり するという感覚でしょうか)に関連したものといえます
いずれも 中身も視覚上に現れている事項も 有効成分をもとにしてのものです

これに対して 
消除
という言葉も 戸籍上に登場することがあります

これは その成分自体を戸籍から抹殺する(その成分は間違いで無効のもの そもそも戸籍上に登場してはいけないものだから)手法を表すもの

例として 結婚していた夫婦に授かった子が 実は夫の絶対的な生殖能力欠缺があって 戸籍の内容上も視覚上も 表れて
いること(父との親子関係は無いのであるから)を抹殺せねばならぬような場合(婚姻夫婦上の子は 一応の推定がはたらいたりし 嫡出子としての届出がいわば義務付けられています)




戸籍は 連綿と続く親族関係などの事柄が 前者を前提として後者の効果が発生したり 他の者の身分(あまり適切ではない言葉ですが親族法において これに代わる表現がなかなか見つからない・・・)形成に影響を与え合いながら進行していく仕組みなので 直接前者に関わらず前者の関わる身分事項が抹殺されると それはそれは内容的にも複雑な法律模様になるし 戸籍における視覚上の表現技術もそれなりの交錯状態になってしまうことが多いと思われます

日本における 戸籍表現技術力には 感心させられることが 仕事上 複雑紙面を眺めていて 何度かありました

 
“ 戸籍上の内容を 視覚上に表す技術力 
実に うまくできているものだなー ”

という感慨



最近の業務で 消除 ということが発生した件があり
それと 他の身分関係の発生の処理も重なり
お役所も表記に一苦労という感じ
まして 一か所の役所にとどまらず 連係プレーを要求されること多しですから(夫は 北国 妻は 南国 ということで 本籍が違うのは それほど珍しくない というか 本籍が同じというほうが珍しいでしょうから?)
とにかく 
一個の波ができると その波たるや どこまで行くのやら 何個の輪に広がってしまうのやら という感 でしょうか?



同じような文系法系システムの技術として
不動産登記の権利関係の流れや交錯を視覚上で示すことがあるといえるでしょう
実に 感動を覚えるほどの 合理的 理論整然として とも言える 視覚上の技術であると思います
(商業登記の役員変更登記等にもその片鱗がみられたりすることがあるでしょうか・・・?)
見慣れた方には  “何処が 感動ものなの?”
と 訝られそうですが 私には そう思えたのでした







身分法も不動産関係法も スタートは西洋諸国のそれを手本にしたと考えられます が
どうなのでしょうか 今では 文系的法的内容も 視覚技術上も
お手本国を とうに超えているのではないでしょうか

そもそも 戸籍制度そのものを持たない(というか持てない とでも言うべきか・・・)国が多い らしい




日本国民の 几帳面さ 正確を好む気性 などなどの
賜物

戸籍簿 登記簿 を見ると 
その視覚の仕組みの美しさ?に感心させられるのです
そうして 機能美にも




さて お仕事
文系の技術にも感謝しながら・・・




(いつものことですが 説明を簡略化するため 詳細な法律用語説明はしていません 各自 検討なさってください)