民法改正があったので 多くの範囲で 今までの知識を点検し 場合によっては そうとうな
新旧入れ替えも必要 です
お仕事で 関係知識と付き合わなければならない方は 特に イロイロとたいへんなことと思
われます
債権法関係もさらなる学習に追われていますが 相続関係の相談依頼などあり
自身も アタフタと 知識の入れ替えの必要に迫られ続けています(それほど忙しいということ
ではありませんが 確認の連続 というような場面もあるので さすがに肩が凝る というような・・・)
相続・遺言関係で 特に気になる ポイントを ほんの少しで 概要ですが 記しておくこととします
一つは
<相 続 さ せ る> 式の遺言に関することで 対抗要件にも関わること
例をあげると A が亡くなり 妻と 子 B ・ C が相続人となる場合
遺言に
【甲土地は Bに相続させる】とあると 仮にその地位を脅かすようなことが発生したとしても
ノンビリかまえていて数年後であっても無効だと主張できたりしたので Bの立場は安泰だった
簡単に言うと B以外の者は所有者ではない つまり その土地について無権利者なのである
から 無権利者から買い受けた者などが登場しようと無の連続があるだけなので どのような
法律的な効果をも払いのけることができる という理論があったからだ
しかし これらのことは サマザマな問題があった(そのような遺言の有無など外から知りようがない)
ので 対抗関係のことなどがキチンとハッキリと見えるようにと 見直された
結論を言うと 【相続させる】 という遺言で手に入れたものであっても 対抗関係 (不動産なら
登記手続) を 速やかにしておかないとならない ということになった
専門的な文言はできるだけ省いて概略の説明になるが
相続は生じているけれど 相続分の指定・遺産分割方法の指定や遺産分割協議によって 内容
が変更される場合は 共同相続人間で権利移転があったのだとも考えられるのだから 民法の対
抗要件(177条)を適用するということにしたのだ
(共同相続における権利の承継の対抗要件)
第八百九十九条の二 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、
次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他
の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。
2 前項の権利が債権である場合において、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分
を超えて当該債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該
債権を承継した場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして債務者に
その承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなして、同項の
規定を適用する。
二つ目は
遺産分割に関してのこと で 分割の必要の有無にも関わること
金銭債権というのは 【 一定の金額の金銭を支払うことを目的とする債権 】
のこと
分割して持てる債権なので 共同相続人が相続分に応じて権利を受け継ぐ
ので 遺産分割の対象にする必要はない
つまり 相続開始と同時に 当然に相続分に応じて 分割される
でも 預貯金債権(郵便貯金とか銀行預金とか)は 金銭債権ですが遺産分割の対象となります
(分割協議前に 勝手におろせない)
以前から 銀行の扱いなどで裁判になったりしていましたが 平成28年に判例が変更になったりし
条文で明文化されました
(遺産の分割前における預貯金債権の行使)
第九百九条の二 各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の
三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた
額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債
権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使す
ることができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同
相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。
≪遺産分割前でも 葬儀費用などのため 相続人の生活のためなどに 150万円を限度に
払い戻すことができる≫ と されている
ちなみに 現金は というと 一番分けやすいものかもしれませんが 分割の対象にしなければ
いけません(現金を預かっていた方であっても 自分の相続分の範囲といえども 勝手にできない)
相続法の関係も そうとうな分量の改正箇所があります
相続や遺言のことで気になることは 学習するなり プロに法規・法制の相談などしておくこともタ
イセツなこととなりそうです
受験のことで言えば
マンション管理士試験に [配偶者居住権]のことなど サッソク 出題されていましたね
改正関係のことも 折りにふれて 記していこうと考えています
(実は 自身の学習にもなりますので というか 学習しないと仕事にならないのです)
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