おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

計画修繕工事など

2023-10-25 | マンション管理関連試験等サポート   

 

集会室を自前で持てていない管理組合さんも 少なからず ありますね

訪問しても 会談ができるスペースさえなく かろうじて 玄関先にある

わずかな隙間で というようなこともありました

役員さんの専有部分で というのも お手間をおかけしてしまうようなこ

とで・・・

集会室の有無が そく 管理運営状況に影響大 ということではありませ

んが 行動のスタートが 毎度 討議の場の確保から というのも シン

ドイ ものかもしれませんね

 

 

 

集会室(集会場)に関して

①  管理組合員以外の者に 有償で マンション建物内の集会室の集会室以外
   目的のための使用をも認めるために必要となる手続きは どのようなものか ?

②A  管理組合法人が 隣接する建物を土地とともに購入し 集会室として利用する
   ことは 総会(集会)特別決議によって可能となるか ?

②B ②Aにおいて 管理組合法人目的外行為にあたるので集会特別決議では許され
   ないとした場合に 管理組合法人の意思ではなく 区分所有者個々の全員の合
   意にて隣接する建物を土地とともに購入することは 可能か ?

という問題があり得ます

 

 

以前 ナンデモ相談会という催しがあった折に これらに関して自身の考えを即答

せねばならない場面において 以下のように 述べさせていただいたのでした

概要ですが

①について

第三者に使用料を得て貸し出すという行為は 建物内の集会室という共用部分の形状・
効用に著しい(確定的な)変更を生じることになると考えられる
貸出使用に伴う第三者のマンション内への出入りを認めることは 生活環境に影響を与
え 安全・保安などのことの対策を避けられない事態をも考慮することを避けられず
また 有償であるので利得行為とも捉えられ 税務に関する配慮が要求されるなどのこ
ともある
つまり 共用物の形状・効用に 著しく(確定的に)変化が生じることと解し得るので
共用物の変更に当たるとして 集会での特別決議手続きが必要となるべきと考える

 

②A について

管理組合法人は 建物・敷地・付属施設の管理を目的としている団体であり その目的
の範囲に含まれていないことを為すことはできない という制約があるといえる
管理組合法人が行えることとは 集会決議の多数決によって決め得ることだということ 
である

集会室を得ることは目的に反することではないと解され その実現のために隣接す
る建物を土地とともに購入することは妥当とも考えられることなので
管理組合法人の最終意思決定機関である総会(集会)特別決議によって 可能であると
考えられる 

②B について

組合員全員の個々の意思の合意での決定は あくまで その時点での構成員
個人を基底としている考え方であって 管理組合法人という組織の意思とは
異なるものである
構成員の入出(変化)には影響を受けないところの団体としての決議のみが
構成員全員に適用され得る規準となる

当該隣接する土地・建物の所有者は その時点で個々に加わり合意した者ら
であるということであると 集会場は 管理組合法人・いずれの時点におけ
るかを問わない管理組合員総員の所有物という捉え方はできないことになる

区分所有者個々の全員の合意にても 当該土地・建物取得は可能とされるの
だろうが 所有者と利用者が法的に別主体であるということなので調整が伴
うことになり 管理運営上では 著しく問題をはらむ運用を強いられること
になろう 
組織 が 組織の意思で獲得し 組織が利用する土地・建物ではないという
ことであるので そのようになってしまう(ある時点での特定個人各々が所
有権者であることとなってしまう と 解されるので)

 


上記に関して

基本書においては



① について   「共用部分の変更」にはあたらず 区分所有法18条の適用を受け 集会の
          普通決議
で決定できる


              

②A について   隣接する土地建物の購入は たとえ集会室に利用する目的であっても集会
            決議に基づいて行うことはできないと考えられる
         

②B について       区分所有者全員一致であれば 行うことができる


 と 解説されています

 

           ※ 受験者の方は この流れで理解しておくべき ですね
             ただし ② について 次のように記されてもいます
            〈過度に制限的に解釈することは、適当でないであろう〉

      
     〈 上記の 私見 は
       実務実態における 自身の判断での 全面自己責任でさせていただいた
       アドバイスでした

      受験者の方は いわば 反 面 教 師 として 利用してもいいな 
      ということなら

      眺め利用してみてください マギラワシイなら 上記 青字 だけ 
      念のため 覚えておくとよいのでは と 思われます
      何が出題されるか ワカリマセン ので〉  

 

 

さて
本日の マンション管理士試験過去問学習 です

 

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                                                                ※〔問い方〈肢の順番を変える等も含み〉を変えて
                    利用させていただいている場合があります
                    法令等改正があった場合に内容を現行のものと
                    整合させるため 出題当時の問題を改めている
                                                                      ことがあります〕

 

規約が標準管理規約の定めと同一である甲マンション管理組合では、計画修繕工事
で給水管の更新工事を行う予定である。これに関し、理事長が理事会の席上で行っ
た次の説明について、標準管理規約(単棟型)による、適切/不適切を答えなさい。


1 給水管の更新工事に際し、共用部分である本管と専有部分である枝管の工事
を一体として行う場合には、現規約には一体として管理組合が工事を行う旨の規
定がないため、規約をその旨変更した上で当該工事を実施する必要があります。


2 給水管の更新工事に際し、共用部分である本管と専有部分である枝管の工事
を一体として行う場合には、専有部分に係るものの費用については各区分所有
者が実費に応じて負担すべきです。


3 給水管の更新工事には修繕積立金を充当することになりますが、修繕積立金
を取り崩すには、総会で組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上の決議が
必要となります。


4 給水管の更新工事は共用部分の変更に該当するので、工事を実施するには、
総会で組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上の決議が必要となります。

 

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1 について                          不適切

 「規約が標準管理規約の定めと同一である」 と 問題文にあります
 共用部分である本管と専有部分である枝管の工事を一体として行う場合には
 現規約には一体として管理組合が工事を行う旨の規定が あります


下記 21条 を 参照ください

 

 

2 について                          適 切

 肢においては 専有部分に係るものの費用については各区分所有者が実費に応
 じて負担します


下記 21条関係コメント ⑦ を 参照ください

 

 

3 について                           不適切

 肢における決議は 出席組合員議決権過半数で決します


下記 47条2項 と 48条 10号 を 参照ください

 

 

4 について                           不適切

 給水管の更新工事は 普通決議で 実施可能とされている


下記 47条関係コメント⑥オ を 参照ください

 

    問は 標準管理規約(単棟型)によれば なのですが
    区分所有法 17条 も 参考にしてください  

   (共用部分の変更)
    第十七条 
    共用部分の変更その形状又は効用著しい変更を伴わないもの除く。)は、
    区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。

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            記        ※ 条文等に省略ある場合があります

 

(敷地及び共用部分等の管理)
第21条 
専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を
共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行
うことができる。

 

21条関係コメント
⑦ 第2項の対象となる設備としては、配管、配線等がある。配管の清掃等
に要する費用については、第27条第三号の「共用設備の保守維持費」と
して管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用
のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担
すべきものである。なお、共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取
替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うより
も費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも
考えられる。その場合には、あらかじめ長期修繕計画において専有部分の
配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出するこ
とについて規約に規定するとともに、先行して工事を行った区分所有者へ
の補償の有無等についても十分留意することが必要である。

 

総会の会議及び議事)
第47条 
2 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。

(議決事項)
第48条  次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければなら
     ない。
十  第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための
  資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し

       (修繕積立金)
      第28条
      管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるも
      のとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理
      に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる
        一   一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕

 

47条関係
⑥ オ)計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上等防水工事、
    給水管更生・更新工事、照明設備、共聴設備、消防用設備、エレベータ
    ー設備の更新工事は普通決議で実施可能と考えられる

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本日の問題は

2019年度 問 26 です

 

                         


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