おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

契約の成立のこと

2024-02-02 | マンション管理関連試験等サポート   

 

 

当地は マダマダ 寒い日が続きそうです

でも 立春が 間近

 

さて 本日の 学び です
マンション管理士試験の過去問学習 です

合意のほかに目的物の引渡しその他の給付を効力発生の要件とする契約が 要物契約

約束だけで成立する契約は 諾成契約

これらに関する問題でした

 



                ※    〔問い方(肢の順番を変える等も含み)を変えて
                    利用させていただいている場合があります
                    法令等改正があった場合に内容を現行のものと
                    整合させるため出題当時の問題を改めているこ
                    と等もあります〕             

 

甲マンション 302 号室を所有しているAが各種の契約をする場合に関する
次の記述につき、民法及び借地借家法(平成3年法律第 90 号)の規定によ
る正誤を答えよ。

1 
Aが、Bとの間で、302 号室をBに贈与する旨の贈与契約を成立させるため
には、書面によって契約をする必要がある。


2 
Aが、Cとの間で、302 号室を無償でCに貸す旨の使用貸借契約を成立させ
るためには、302 号室の引渡しをする必要はない。


3 
Aが、Dとの間で、302 号室を賃料月額 10 万円でDに賃貸する旨の賃貸

借契約を成立させるためには、302 号室の引渡しをする必要はない。


4 
Aが、Eとの間で、302 号室を賃料月額 10 万円でEに賃貸する旨の定期

建物賃貸借の契約を成立させるためには、書面によって契約をする必要が
ある。

 



 

1 について                          誤 り

 肢における贈与契約成立には 書面によることを要しない


下記 549条 を 参照ください

 

 

2 について                          正しい

 肢における使用貸借契約成立には 引渡しを要しない

 改正前は 要物契約でした が 諾成契約となっています


下記 593条 を 参照ください

 

 

3 について                          正しい

 賃貸借契約成立には 引渡しを要しない


下記 601条 を 参照ください

 

 

4 について                          正しい

 定期建物賃貸借の契約を成立させるためには 書面によって契約をする必要がある


下記 借地借家法 38条 を 参照ください

 


 

 

                         条文に省略があることがあります

 

(贈与)
第五百四十九条 
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすること
によって、その効力を生ずる
 
 
(使用貸借)
第五百九十三条 
使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無
償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を
生ずる
 
   参考  
  (借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除)
   第五百九十三条の二 
   貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。
   ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。

 
 
(賃貸借)
第六百一条 
賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対
してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約する
とによって、その効力を生ずる
 
 
借地借家法
(定期建物賃貸借)
第三十八条 
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による書面によって契約をする
ときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。
この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
     
  (建物賃貸借の期間)
  第二十九条 期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。    
  (強行規定)
  第三十条 この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
 

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 本日の問題にも関連することですが

  消費貸借のことも タイセツな 知識です


  受験期間が長くなっている方には 改正前の条文知識が 未だ 強い力で影響を与えて
  いるかもしれません(消費貸借には限らないこと 当然ですが・・・)
  改正後 それなりの期間が経過しています
  改正後条文を眺め シッカリと 知識を入れ替える必要があります
  重要なことだけでも 確認が必要だと思います 

 

第五節 消費貸借
(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をす
ることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる

書面でする消費貸借等)
第五百八十七条の二 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭
その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物
をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる

              ※ 書面でする消費貸借は 要物契約ではなく 諾成契約
 
2 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をす
ることができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、
借主に対し、その賠償を請求することができる。
3 書面でする消費貸借は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取る前に当事者の一方が破
産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。
4 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面
によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。

(準消費貸借)
第五百八十八条 金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその
物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみ
なす。
(利息)
第五百八十九条 貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない
2 前項の特約があるときは、貸主は、借主が金銭その他の物を受け取った日以後の利息を請
求することができる。

(貸主の引渡義務等)
第五百九十条 第五百五十一条の規定は、前条第一項の特約のない消費貸借について準用する。
2 前条第一項の特約の有無にかかわらず、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して
契約の内容に適合しないものであるときは、借主は、その物の価額を返還することができる。
(返還の時期)
第五百九十一条 当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返
還の催告をすることができる。
2 借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還をすることができる。
3 当事者が返還の時期を定めた場合において、貸主は、借主がその時期の前に返還をしたこ
とによって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。
(価額の償還)
第五百九十二条 借主が貸主から受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還を
することができなくなったときは、その時における物の価額を償還しなければならない。ただ
し、第四百二条第二項に規定する場合は、この限りでない。

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本日の問題は

2022年度

問 15  です

 

                             

               はたけやまとくお事務所


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