日経ビジネス10/22号の特集は、「奇跡を起こす すごい組織100」。
過去取り上げたニッポンの組織を100を再度取材しています。
その中で、改めて気づかされたキーワードがありました。
それは、
「迷ったら、ゴー」
これは、「くまモン」という熊本県PRのためのゆるキャラ。
博多と鹿児島を結ぶ九州新幹線開通で熊本が素通りされるのを危惧して作られたキャラクター。
県のブランド推進課が推し進めたということです。
お堅い役所が、ゆるキャラなどを作っていると「なんで公務員か・・・」「血税を使って・・・」「福祉や弱者救済などやることはあるだろう」といった県民からの批判や非難があるとは思うのですが、それを乗り越えるために、この「迷ったら、ゴー」という合言葉を使ったとのことでした。
県知事も現場のチャレンジに寛容らしく、くまモンは人気者になったということ。
これまで、地域振興のためのキャラづくりは、なんとかレンジャーやナニナニ姫といったものが無数にあったのですが、熊本県のような徹底した行政の後押しがなかったため、かなりのキャラが空中分解を起こしました。
そういえば、かってのニッポンの会社、組織には、この「迷ったら、ゴー」という風土があったように思います。
座して死するよりは、何かのアクションを起こす、チャレンジしていく・・・という「動き」と結びついた何かがありました。
それが、今では、「迷ったら、ストップ」。
個人的に冗談として言っているのですが、この原因は「アングロサクソン陰謀説」。
エンロン、ワールドコム等の不正決算事件から、内部統制、コンプライアンス、稟議制度、ISO、国際会計基準等が徹底され、すべてが書面で手続きされるようになりました。
誰が決定したのか、どのようなプロセスで事がなされたのか、誰が責任者なのか・・・。
息の詰まるような手続が蔓延・・・。
これがグローバルスタンダード(アメリカンスタンダード)となり、日本の会社もスタンダードを導入。
社員教育、仕組み構築、IT導入で、ねずみ一匹通さないガチガチの防御態勢を作り上げたのです。
それとともに、社内の活力はなくなり、業績低迷、アジアをはじめとする新興勢力にシェアを侵食され、ニッポンのプレゼンス自体が低下していったのです。
これは、アメリカの陰謀だというのが持論です。
イノベーションや業績向上より、リスク管理を重視するようになった日本の会社。
これを改革しない限り、当分の間、閉塞感を超え、長期な凋落は避けられないと思います。