日経ビジネス10月8日号は、ニッポンのベンチャー特集。
よくもまあ、これだけの取材をしたものだと感心するとともに、日本のあちこちで未来を切り開くチャレンジが続いていることに驚かされました。
医療、高齢化社会対策、災害対策、食糧・環境、未来型産業、資源・電力対策など、一つのアイデアから無限の可能性を追求する動きが出ている取組みには脱帽です。
一つでも多くのベンチャーが成功することが日本を元気にする活力になると思います。
もう20年ぐらいになるとは思うのですが、中小企業白書では廃業率が開業率を上回る状況を報告しています。
少子高齢化とともに、この状況が続くことは産業の衰退化以外の何物も生み出しません。
日経ビジネス誌では、「ベンチャー大国に日本がなるための5つの方策」を提言しています。
1.有能な人材を大企業から引き離す
2.自分で人生を切り開く気概を国民が持つ
3.リスクを負うものにカネを回す文化を
4.大企業がベンチャーを育む仕組みを作る
5.起業家は最初から世界市場で勝負する
キーワードとして、「人材」「気概」「カネ」「仕組み」「市場」という5つのリソースをあげています。
自分自身を振り返ってみても、「家庭の教育・学校の教育」という部分を避けては通れないと思います。
幼稚園、小学校から親の指導は、良い学校、偏差値の高い学校に入り、大企業に入れば一生安泰・・・だから勉強しろというスタンス。
小中学校、高校の教師も同様・・・。
これは、「安定」を志向して「安心」して暮らせるようにしなさい、冒険はするなということだと思います。
ただ、現在は時代が異なり、絶対安心、絶対安定といったことがありえなくなった・・・何もしないことが最もリスクが高い時代になったということが出来ると思います。
順調に壁を乗り越えたわたしの同級生たちも、現在、安定・安全な領域にいるかというと決してそうではありません。
リストラされコンビニを立ち上げようと修行中の友人、支店長をはずされ子会社へ転籍した友人、会社が倒産シューカツ中の友人、契約が切れ不本意な低賃金で働く友人、メンタルを病みひきこもっている友人・・・。
本当に大変です。
もう手垢がついたような考え方なのですが、「優秀なサラリーマン・ウーマン」を育成するという一本道だけではなく、自営業や農林漁業、海外に飛び出す、会社を興す、NPOで働く・・・といった多様な価値があることを教える教育・気づきの場が必要だと感じた次第です。
少なくとも自分の周りにいる後輩、学生たちには、検証済みの実例、ケースを交えて、そのことを伝えていきたいと思います。