月刊「日経おとなのOFF」11月号は、コーヒー特集。
まず、コーヒーネタ一本で、雑誌一冊を作るということだけで驚き。
さすが、プロの編集者は、本当にすごいと思います。
1日3杯以上飲んでいるコーヒー。
ここに注力することは、人生を豊かにする一つの手段かもしれません。
以前、ドリップコーヒーに凝り、マシンやドリップ小道具を購入し、しこしこ珈琲づくりに励んでいたのですが、
今はインスタントの日々。
本当にコーヒー好きな人から言わせると苦笑されそうです。
理由を考えてみると、
1.忙しい!コーヒーを入れる時間がない。
2.単純にインスタントコーヒーが美味しくなってきた
3.スタバやタリーズがそこいら中にある
4.缶コーヒー(ただし無糖)だってそこそこいける
5.珈琲豆の種類が多すぎて選ぶのが面倒
といった点があると思います。
今回の日経おとなのOFFの特集は、87ページに渡る超大作。
コーヒーの淹れ方、マシンの種類、名店紹介、世界の珈琲豆、珈琲トリビアなど、コーヒーにまつわる話が満載されています。
特に、コーヒーの淹れ方は、まさに「道(どう)」。
茶道や華道も柔道のように、奥深い世界です。
豆を選ぶ・・・焙煎・・・豆を挽く・・・抽出
この単純なステップの中に、それぞれコツやワザがあるのです。
もう一度自分で淹れるドリップコーヒーにチャレンジしてみたくなりました。
本当にコーヒーが美味しいと思ったのは、神田神保町の「さぼうる」。
大学時代、毎日のように通い、夜は居酒屋化する同店は、授業時間より長く居座った場所だと思います。
独特の苦みと甘い香り、悪友たちとコーヒー一杯で何時間も語り合ったことが昨日のことのように思い出されます。
たちこめる紫煙の中、よくもまあ、長時間いたものだと思います。
一体、何を話していたのでしょうか?不
思議なものです。
そういえば、夜の部で出されていた「おでん」と称する煮込みは最高・・・。
ビールやサワーをがぶ飲みしていました。
夜の部で飲み過ぎて閉店時間が迫ると、オバサマがバナナを一人一本持ってきていただきましたっけ。
「早く、帰れ」ではなく、すっと出てくるバナナを出すタイミングがとてもエレガントでした。
現在のカフェという業態のなかった当時、「さぼうる」はロートレックのいたパリの様相を呈していました。
神田神保町という立地のため、近所の出版社の社員、編集者や書店のオッチャンといった物書き関係者、大学生や得体のよくわからない詩人風、小説家風の若者・・・珈琲とタバコ・・・大人の世界に入った感じが大好きでした。
スタバやタリーズのコーヒーもおいしいですが、禁煙エリアが多く、とても無機質。
昔からコーヒーとタバコ、葉巻は一体のもの。
さらにインテリアも画一的でビジネス仕様、衛生的にも問題なく小奇麗な空間ですが、どこか病院の待合室のよう・・・。
自分にとってサードプレイスになりえないのです。
これらのチェーン店の裏返しの業種業態があれば、文化、カルチャーを産みだすかもしれません。
英国のパブやフランス巴里のカフェのように人間臭い空間、雑音と紫煙でいかにも身体に悪そうな空間・・・。
そんなスペースも必要なように思います。