今年から始まった東急電鉄のマナーキャンペーン・ポスター。
「わたしの東急線通学日記」
上京してきた女子大生の通学する途上のさまざまなシーンを切り取っています。
駅構内、車内でのマナー違反行為はおやめください。
これは、当然のことだと思うのですが、大きなお世話・・・ポスターを見ただけで意識や行動が変わるのか?という疑問もあります。
物議をかもし出した化粧編。
ダイバーシティやジェンダーの課題もあり、いろいろと考えさせられました。

都会の女はみんなキレイだ。でも時々、みっともないんだ。
車内での化粧はご遠慮ください。東急電鉄
車内で化粧している女性を見ると、顔をしかめるオジサンやオバサンがいることは事実。
ただ、人には、様々な事情があり、一律に駄目出しするのは、いかがなものでしょうか?
オトコであれば、通勤や通学の前に、顔を洗い、髭を剃り、髪を整え、ネクタイを締め、スーツを着る・・・数十分ぐらいで準備できます。
が、女性は、その何倍もの時間がかかる・・・。
洗顔して、ファンデーションで整え、化粧・・・髪をセットし、服を選ぶ・・・。
さらに、育児や介護などをしている人もいます。保育園に子どもを送り届けたりする人もいる。
朝の時間は大変だと思うのです。
個人的には、車内でのお化粧直しぐらいはOKだと思うのです。
混み具合にもよりますが・・・。
今から、自分を整えて、仕事するぞ!というパッションを感じます。
コビー博士のベストセラー「7つの習慣」に一つの逸話が出てきます。
地下鉄の車内で幼い子どもたちが走り回って大騒ぎをしている・・・。
その父親は頭を抱えて座り込み、注意もしない。
周りの人たちも困惑した顔。
この話は、お父さんと子どもたちが病院帰りだったということ。
お母さんが病院で病気のために亡くなった帰りだったと締めくくります。
人には、それぞれ他の人には見えない事情があります。

大人になると、目指すゴールは空席ですか?
整列乗車にご協力ください。東急電鉄
確かに、そのとおりだと思います。
ただ、これも人には様々な事情があり、一律にダメというのは???です。
高齢者の方、ケガをしていたり、体調の悪い人、障がいを持つ人・・・何とか座っていただきたい人たちがいることも事実です。

東京ではじめて怒られた。
ラクチンだと思っていた私、バカチンだった。
大きな荷物は周囲にご配慮ください。東急電鉄
最近、多くなっているのが、ベビーカーやバギーで電車に乗るお母さんやお父さん。
本当にたいへんだと思います。
出来るだけアシストしてあげるようにしています。
でも、先日、手伝おうとすると嫌な顔をされるお母さんがいました・・・俺はまだ若いと席を譲られても断るお年寄りもいます・・・ホント、人の事情は様々です・・・笑。
実際にベビーカーを押すと、日本の道路というのは、本当に凸凹というのが分かります。
全然バリアフリーが行き届いていない。
上下動を強いられる赤ちゃんも大変。
ベビーカーや車いすで、改札を通り、駅のホームに上がるだけでも大変・・・様々な障壁があります。
デジタルの時代、ポスター広告というのは、空気のようなもの。
広告的な訴求力は弱いです。
汚い工場に貼ってある「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)ポスター」、業績の悪い商事会社に貼ってある「売上目標達成!」のようなものだと思います。
たかが、ポスター一枚・・・とやかく言っても、しょうがないのかなあとも思います。