能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

新聞少年の像 ハングリー、アンビション、ドリームから、今だけ、金だけ、自分だけの世界になったニッポン

2017年12月18日 | まち歩き
いつもの休日の散歩道・・・気になる彫刻像があります。
広島市こども文化科学館とハノーバー庭園のそばに建つ彫刻像・・・。
新聞少年の像」です。
 

野球帽と短パンの少年が、新聞を抱え、配達のために走っている姿がモチーフです。
この彫刻像は、昭和30年代に設置されたもののようです。
さまざまな事情、様々な環境で、早朝に新聞を配達して賃金を得ながら、勉学に励む・・・。
本当に美しい姿です。

ずっと気になっていたのは、たぶん、今の日本人がほとんど忘れ去ったスピリット、マインド、精神を想起させてくれることです。
坂の上の雲、立身出世・・・明日を夢見て懸命に努力を積み重ねていく・・・。
そんな日本人の姿を見る機会が、本当に減少したように思います。
ハングリー、アンビション、ドリームなんて言うと、ほとんど笑われちゃいます。

努力とか、正直とか、涙や汗、気合とか根性といったコトバがなくなっていく社会、認められない社会というのは、ホント、いかがなものなのでしょうか。


後輩のA君。
大学入学とともに新聞配達を始め、生活費や授業料をすべて自分で負担したという努力家。
金銭には困っていない普通の家庭ながら、自らアクションを起こしたという彼。
本当にアタマが下がります。
渋谷で遊びまわっていたボンクラの自分からすると、別世界の人。

そんな好青年から学ぶことは、どんな本よりも生きることの重みを感じます。

最近では、カープのドラ1、中村選手くらいでしょうか?
母一人子一人の家庭から、文字通り裸一貫で野球部へ・・・
夏の甲子園では怪物清原選手の大記録を抜く6本のホームランを打ちました。
マスコミのインタビューに対しても笑顔はなく、ただひたすら明日に向いて鋭い眼光を放っています。
新聞少年の像と中村選手の姿がオーバーラップしていたのかもしれません。
お母さんを幸せにするために、カープという舞台装置をフル活用していただきたいものです。


医師の和田秀樹氏によると、「今の日本人の持つ価値観・・・今だけ、金だけ、自分だけ・・・」だそうです。
何とも悲しい話です。

アジアやアフリカからは、先進国に追いつけ追い越せと鋭い目をした若者たちが、大都市を目指します。
ハングリーさ、アンビション、ドリームを持って・・・。
かっての日本の国のように・・・。

新聞少年の像の前で、ふと考えてしまいました。
意識して、努力する人々を称える姿勢を持っていきたいと思います。

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