友人が言います。
「好きな4文字熟語は、有給休暇」
趣味は海外旅行。
コロナ前までは年次有給休暇を使って世界各地を旅していました。
多趣味な人は、いいなあ、とショボイ趣味しかない昭和のオヤジは思ってしまいます(笑)。
「一億総活躍社会」・・・。
少子高齢化の急速な進行、労働力の減少、経済の停滞・・・安倍政権が打ち出した働き方改革というコンセプトは成長戦略のひとつに位置付けられています。
あれから、5年。
確かに時間外労働は減少し、有給休暇の取得率も上昇しています。
今週号の日経ビジネス誌2021/11/15号の特集は「ゆるブラック企業 残念な働き方改革の末路」。
働き方改革がもたらす負の側面をとりあげています。
CONTENTS
プロローグ 日本企業からやりがいが消えている
Part1 その会社、「ゆるブラック」です
Part2 労働時間は減るも生産性は上がらず
Part3 働きやすさは大事、でも働き甲斐も重要
「ゆるブラック企業」とは、働きやすいが、チカラがつかない企業のこと。
きついだけでチカラがつかない「ブラック企業」、ラクではないがチカラがつく「ハードワーク企業」とは異なる「ゆるブラック企業」。
「ゆるブラック企業」で働く20歳代の労働者が危機意識を持っているとの記事でした。
「仕事は楽だけど、自分の成長にはつながらない会社」
「長時間労働を是正するための様々な制度を張り巡らせた結果、ブラック企業ほど忙しくないが、ブラック企業と同じように成長が感じられない」
「やりがいがない」
「スキルアップできない」
「誰でも出来る定型業務しかさせてもらえない」
新社会人が入社直後に転職サービスに登録した件数は、10年前の二十数倍に増えているとのこと。
若きサラリーパースンは、単に楽を追い求めるだけの存在ではなく、自分自身のキャリアや仕事力をアップさせたいと思っているのです。
この国の将来も、まんざらでもないと思います。
また、労働時間は減ったが、生産性が上がっていない企業が増えていることも指摘しています。
労働時間短縮を人員増で対応しているとのこと。
生産性がアウトプットをインプットで除したもの・・・インプットを増やしても生産性は上がりません。
同記事では、先進企業4社の事例を取り上げています。
SOMPOホールディングス・・・働きがいを1on1ミーティングで定点チェック
大成建設・・・現場にウェルネス作業所を設置、働きやすさを追求
星野リゾート・・・勉強の場で成長意欲を満たす 社内ビジネススクール
菊地歯車・・・社員の幸せを科学的に測定 幸せデザインサーベイ
働きがい、やりがい・・・。
制度や仕組みだけでは、その実現は難しいと考えています。
人事労務管理面だけではなく、経営トップを含めた組織の想いやビジョンの共有化、社員との対話など様々な手段・方法を取り入れていく必要があります。
働き方改革により、長時間労働も減少の方向へ、年次有給休暇の取得率向上、同一労働同一賃金の実現、職場のパワハラ、セクハラも減少しつつあり、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)、LGBTQといった考え方も浸透しつつあります。
「昭和」の弊害も薄れつつある中、今やらなければならないのは、働き甲斐、やりがい、生きがいの獲得と生産性の向上です。
働き方改革2.0に向けて、世のため、人のため、社会のために支援していきたいと思います。