日経ビジネス誌の「有訓無訓」に宮本又郎大阪大学名誉教授が執筆されています。
「アクセラレーターだった渋沢栄一 経済界のリーダーが役割を果たし、発展を」
なかなか説得力のある記事でした。
宮本名誉教授の専門は経済史。
NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公として今再び注目をあびている渋沢栄一について解説されています。
新しい一万円札にも登場予定・・・500社を超える企業を立ち上げ、学校や銀行まで立ち上げました。
まさに「日本資本主義の父」です。
教授は、渋沢が高級官僚から実業の世界に転身したことを高く評価しています。
商人ではなく、実業家としての渋沢栄一。
商人は幕府や大名を相手に自分の利益を追求しただけと指摘します。
それに対して、自分の利益を肯定すると同時に国家社会、公益を追求した明治時代の実業家を高く評価しています。
江戸時代まで「悪いことをするな」という消極的道徳だけではなく、「社会のため」という積極的道徳を重視する・・・さらに、「道徳経済合一」。
実業界の品位を高め、ビジネス界に入ろうとする若い有能な人材の背中を押したことは、その後の日本経済の発展につながったとします。
教授によると、渋沢は、オーガナイザー、プロモーターであり、アクセラレーター。
知行合一、行動の人だった渋沢栄一。
失われた30年の中、経済がいまだに停滞するこの国。
今、「新しい資本主義」を掲げて、岸田政権が始動しました。
求められるのは、現代の渋沢栄一のようなリーダーです。