住んで幸せな街・・・。
行政の打ち出した調査は、何となく現実の生活感とはかけ離れた感じがします。
機械的に数字を足しこんだだけでは、そして、大きな行政区画をくくっただけでは致し方のないことかもしれません。
そんな中、センシュアス・シティ(官能都市)という切り口を打ち出した書。
住む人の主観、生活感を重視したランキング本が出版されました。
本当に住んで幸せな街 全国「官能都市」ランキング
島本万丈+HOMES総研著
光文社新書 740円+税
同書は、武蔵小山の再開発から話が始まります。
東急線の駅前で開始された高層マンションを中心とした再開発・・・。
武蔵小山駅の周辺の風景が一変しました。
路地に広がる飲み屋街が壊され、全国どこでも見られる例の世界へ移行していきます。
小職も大好きな飲み屋街だったのですが、あのほのぼのした光景もなくなってしまいました。
目次
第1章 フォーマットが先行する日本の都市計画
第2章 センシュアス・シティ・ランキング
第3章 センシュアス度で全国のまちを測る
第4章 センシュアスは幸せの実感値
全国の街・町が、行政やディベロッパーのフォーマットにより、画一的な街に統一されていく・・・。
本当に、それでいいのか?という疑義に悩まされます。
同書でいうセンシュアス・シティ(官能都市)は、8つの指標で評価していこうという取り組みです。
どの指標も、とても人間的・・・そこに住むヒトを主人公にしたインデックスだと思います。
・共同体に帰属している
・匿名性がある
・ロマンスがある
・機会がある
・食文化が豊か
・街を感じる
・自然を感じる
・歩ける
この指標をベースにランキング。
1位 東京都文京区
2位 大阪市北区
3位 東京都武蔵野市(吉祥寺)
4位 東京都目黒区
5位 大阪市西区
6位 東京都台東区(浅草)
7位 大阪市中央区
8位 金沢市
9位 東京都品川区
10位 東京都港区
このランキングも、少し???という感じがします(笑)。
行政の区割りで行くと、少し現実とは異なるニュアンスにとらわれると思います。
ただ、センシュアス・シティ(官能都市)という切り口は、アリだと思います。
そこに住む住民のプライドと一体感・・・そうしたものが、街づくりに大きく影響すると思います。
そのためのアイデンティテイが確立され、そこに向かって住民が日々の生活の中で地道な努力を積み重ねていく・・・。
そうしたことが、住みやすい街を形成していくのだと思います。
個人的に、東京で住みたい街、暮らして気持ちの良い街をランキングしてみました。
10位 神田神保町・・・古本屋、喫茶店、学生街が魅力です。
9位 築地・・・江戸とTOKYOが融合する街
8位 自由が丘
7位 青物横丁・・・下町的な温もりと交通アクセス(羽田、新幹線)が最高です。
6位 表参道
5位 三軒茶屋・・・若者の町。パワーとエネルギーをもらえます。
4位 等々力
そして、ベスト3。
ジャーン・・・笑。
3位 南青山・表参道
2位 二子玉川
1位 半蔵門・・・皇居のそば、緑とお堀が魅力です。
でも、住めば都・・・。
そこに根を下ろしてコミュニティの中にいれていただける街。
そんな街が、一番住みやすい街だと思います。