若者の自殺が突出する日本

2018年10月06日 21時55分18秒 | 社会・文化・政治・経済
先日「2017年版 自殺対策白書」が公表され、若者の自殺率の多さが国際的にみてもかなり深刻である。
若者の自殺率の高さはこれまでにも問題視されてきたが、特に20代では死因の半数を「自殺」が占める。

先進国の「自殺」と「事故」の割合は......

日本 17.8 : 6.9


フランス 8.3 :12.7

カナダ 11.3 :20.4

米国 13.3 :35.1

欧米の主要国の同年代の若者は事故死のほうが圧倒的に多いのである。

そもそも自殺は2つ以上の理由(ストレス要因)が重なったとき起こりやすいことが

わかっているが、20代の場合「人間関係」に関する悩みが多い。

また、自殺者の98%が、うつ病など精神疾患に罹患していることが数多くの調査研究から確認されている。

奇しくも、先日。世界保健機関(WHO)は、世界でうつ病に苦しむ人が2015年に推計3億2200万人に上ったと発表した。

これは全人口の約4%に当たり、05年から約18%増加。

今後は5人にひとりがかかると警告すると共に、若年層の自殺増にもつながっているとして、早急な対策が必要だと指摘している。

なぜ、うつ病が増えているのか? 

格差社会、グローバル化、貧困、薬の多用など、いくかの問題が指摘されている。また、「個人の資質」とする意見もあとを絶たない。

しかしながら私自身は、「自殺は個人の問題ではなく、社会の問題」という立場だ。これまで行ってきた研究でも、確かに性格傾向と精神疾患との関連は認められたが、それはあくまでもリスク要因でしかない。

だって、人は「生きるため」に生まれてくるわけで。だからこそ誰が教えずとも必死に立ち上がり、歩こうとするのだ。

赤ちゃんには生まれてから数時間で母親を見つめたり、表情を真似るようになるなど、身近な人と関わりを持とうとする本能がある。

未熟な肉体で生まれてくる人間は、誰かの世話なくして生きていくことできない。

そこで赤ちゃんはにっこり笑うことで、「私は生きています。私が健康で生きられるように、手助けしてください」と他者とコミュニケーションをとる。

生まれて3カ月の赤ちゃんが「ニコッ」とする仕草は、"3カ月微笑"と呼ばれるが、これこそが赤ちゃんが最初に身に付ける「社会性」なのだ。

つまり、どんなに個人的リスクを抱えている人でも、人は環境でかわる。死にたくて自殺する人はいない。

生きたい、でも生きられない。だからしかたがなく、死、という悲しい選択をしてしまうのである。

では、どんな社会(=環境)であれば、人は生きる力を持ち続けられるのか?

ヒントになるのが、パプアニューギニアのカリル族だ。

ここではうつ病になる人も、自殺をする人も一切確認されていない。

カリル族の人たちには、「その人の価値観を受け入れる」文化がある。

例えばブタのように、もし自分にとって価値あるものを失った場合、その喪失感を部族全体で埋めるための儀式が行われる。

「あなたは大切なものを失ったのですね。そのことを私たちは分かっていますよ。私たちでは物足りないかもしれないけれど、何とかそのあなたの開いた心の穴を埋める手伝いをさせてください」

と歌をうたい、踊る。

つまり、人はみんな違う、と。私にも大切なのがあるように、あなたにも大切なものがあるのね、と。

そして、その人と共に「大切なもの」を弔い、寄り添う共同体が存在するのだ。

「人はみな違う」————。言葉でいうのは簡単である。

でも、実際にそれを受け入れるのは難しく、成熟社会でなければ「みな違う」と認め合うことはできない。

市場経済のど真ん中で暮す私たちは、成長ばかり目指し、成熟することを怠ってきたのであるまいか。

市場経済では、おカネが絶対的な価値を持つものであったとしても、人間にとっては、人それぞれに価値のあるものが存在する。

カネ=価値 となった途端、良い大学を出て、良い就職をし、たくさん稼ぎ、良い暮らしをすることが、価値あるものになりがちである。

「ひとそれぞれだよね」だの、「価値観が多様化している」とう文言はよく聞くけど、

まるで国葬のように、同じリクルートスーツを着た若者たちが就活戦線に挑み、

たった一回でも失敗すればレールから外され、

勝ち組だの負け組だの、何を基準にいってるのかわからないグルーピングが行われている社会の、いったいどこに「それぞれ」だの「多様化」があるというのだ。

違いを認めあえない社会とは、共同体が破壊した社会でもある。

自殺は「追いつめられた末の死」であり、「避けることのできる死(avoidable death)」————。

LGBT、貧困、マイノリティの人たちと一緒に生きて行くことも、成熟である社会であることを忘れないで欲しい。

(河合薫さんの「健康社会学」より転載)

理想と現実の乖離

2018年10月06日 21時32分15秒 | 社会・文化・政治・経済
成熟した市民社会。
理想と現実の乖離。
核兵器なき世界。

生命は感応である。
響き合う。
子どもの生命は鋭敏である。

「目指しているのは読者がよりよく生き、よりよい社会、世界を築く上でよりどころとなる本です。単なる知識ではなく、生き方に結びついてこそ教養」岩波新書の永沼浩一編集長


なぜいじめる子になるのか?

2018年10月06日 20時56分08秒 | 社会・文化・政治・経済
2016年度に小中高校などで認知されたいじめ件数は32万3808件で、15年度から約9万8000件増えた。
では、認知されていないいじめ件数は?
いじめ発生の要因は複合的。
いじめの加害者への対応が課題。
実は、子どもはちゃんと怒ってほしいものなんです。
いじめていながらも、心のどこかではいけないこととわかっている。
そこを大人がきちんと怒ってくれることで、自分が悪いと思っている感覚はおかしくないんだ…とわかっていくんです。
もし、言い分を理解し、“相手にもいじめられる理由があったんだね”などと言ってしまったら、子どもの罪悪感を肯定することになる。
それでいいよ、もっと続けろと言っているようなものなのです。
尊い命が失われてからでは遅いのです。
わが子が加害者になってしまったときは、いじめという行為が、どんな悲劇をもたらすことなのか? 
その現実を早い段階できちんと伝え、理解させる。
それこそが、いじめをひとつでも減らすことにつながるのではないだろうか。
なぜいじめる子になるのか?
いじめる子の背景には、何があるのか?
人は心の状態がとても不安定になると、その危機的な心理から逃れるために無意識に心の安定を保つメカニズムを働かせます。
これを「防衛機制」といいます。
誰かを攻撃する「いじめ」にも、こうした防衛機制が関わっていると考えられます。
本当は別の人に向けたい怒りだということです。
怒りをその人に向けられないから、たやすく攻撃できる相手に置き換えて、八つ当たりをしているわけです。
劣等感を他の優越感で補おうとする防衛機制です。誰かをいじめれば、優越感を得られます。本来はいじめではなく、他のことで優越感を得たいのに、それが無理だと感じているので、いじめによって優越感を補っているわけです。

なぜいじめる子になるのか?

2018年10月06日 18時41分52秒 | 社会・文化・政治・経済
2016年度に小中高校などで認知されたいじめ件数は32万3808件で、15年度から約9万8000件増えた。
では、認知されていないいじめ件数は?
いじめ発生の要因は複合的。
いじめの加害者への対応が課題。
実は、子どもはちゃんと怒ってほしいものなんです。
いじめていながらも、心のどこかではいけないこととわかっている。
そこを大人がきちんと怒ってくれることで、自分が悪いと思っている感覚はおかしくないんだ…とわかっていくんです。
もし、言い分を理解し、“相手にもいじめられる理由があったんだね”などと言ってしまったら、子どもの罪悪感を肯定することになる。
それでいいよ、もっと続けろと言っているようなものなのです。
尊い命が失われてからでは遅いのです。
わが子が加害者になってしまったときは、いじめという行為が、どんな悲劇をもたらすことなのか? 
その現実を早い段階できちんと伝え、理解させる。
それこそが、いじめをひとつでも減らすことにつながるのではないだろうか。
なぜいじめる子になるのか?
いじめる子の背景には、何があるのか?
人は心の状態がとても不安定になると、その危機的な心理から逃れるために無意識に心の安定を保つメカニズムを働かせます。
これを「防衛機制」といいます。
誰かを攻撃する「いじめ」にも、こうした防衛機制が関わっていると考えられます。
本当は別の人に向けたい怒りだということです。
怒りをその人に向けられないから、たやすく攻撃できる相手に置き換えて、八つ当たりをしているわけです。
劣等感を他の優越感で補おうとする防衛機制です。誰かをいじめれば、優越感を得られます。本来はいじめではなく、他のことで優越感を得たいのに、それが無理だと感じているので、いじめによって優越感を補っているわけです。

自分の頭で納得できるまでやる

2018年10月06日 11時40分18秒 | 社会・文化・政治・経済
挫折しなかったからここまできた

何かやりたいという好奇心。
簡単に信じないこと。
科学誌「ネイチャー・サイエンス」の論文も10年たてば残って1割だ。
自分の目で見て確信できるまでやる。
自分の頭で納得できるまでやる。
「志があれば必ず成し遂げられる。決してあきらめずに。常に目標をさだめていく」
一番重要なのは、何か知りたい、不思議だと思う心を大切にすることだ。
教科書に書いてあることを信じない。
本当はどうなっているのかという心を大切にする。
自分の目でものを見て納得する。
そこまであきらめない。
挫折しなかったからここまできた。
僕はめげそうになったときは「物事に不可能はない。必ず何か道がある」と常に考える。
研究では常に世界の人と闘ってきたつもりだ。
闘うときは厳しくないと闘えない。
今年のノーベル医学生理学賞を受賞
本庶佑子・京都大学特別教授

自信8割 疑い2割

2018年10月06日 09時56分15秒 | 社会・文化・政治・経済
登場人物がどう考えて感じたかは、小説以外の媒体では表現できず、そこに文字の優位性があると思います。
戦にいたるまでの人々の内面を書きます。
8割は自信を持って2割は「これでいいのか」と自分を疑うことにしています。
自信が9割を超すと、自分は偉いんだと思い込んで進歩がなくなりなり、疑いが3割になると精神的にきつくなります。
2割だと自分を俯瞰できて、かつ欠点に気付きます。
私は10回トライして1回成功すれば良いという覚悟で日々の仕事をやっています。
作家 垣根涼介さん

精神面の成長に注力

2018年10月06日 08時13分48秒 | 社会・文化・政治・経済
上からの<命令>よりも、寄り添う行動が人間の可能性を開花させる。
指導者のあり方の本質を突いている。
上から目線では、人を励ますことはできない。
人は感情的になれば、冷静な判断ができなくなる。
テニスの大阪なおみ選手には、精神的な弱さがあった。
引っ込み思案で自らのミスで崩れ脆さがあった。
昨年末、コーチに就いたサーシャ・バインさんは、精神面の成長に注力。
当初、コーチの方針に疑念を抱いていた大阪選手。
だが、コーチとして笑顔を絶やさず、よく話を聞き、共に汗を流した。
ミスをしても「必ずできる」と励まし、データを駆使した具体的な助言を重ねた。
「友達のように自分を出せる、<楽観的な人>の近くにいることが良い影響を生んだ」と大阪選手は語る。