プーチン大統領は"甲状腺がん”? スクープメディア「専門医が別荘地同行」…さらに2つの"理由”も

2022年04月04日 14時31分18秒 | 社会・文化・政治・経済

FNNプライムオンライン 2022/04/04 13:35 

ロシアの独立系メディアが、プーチン大統領が甲状腺に何らかの病気を抱えているという可能性を指摘し、“健康不安説”が飛び出しました。

めざまし8は、独立系メディアの記者を取材、プーチン大統領の動静について聞きました。

【画像】プーチン大統領に甲状腺が疑われる2つの理由とは…

甲状腺治療医師が隣に“282日間”も…「政府が嘘をついている」
ロシア独立系メディア「プロエクト」ミハイル・ルビン副編集長:

我々は以前から、大統領の健康状態をオープンにする取材をしたかったのです。理由は、大統領の健康は大きな秘密ですから。ロシア政府は何よりも情報を隠しています

4月4日未明、めざまし8の取材に答えたのはロシアの独立系メディア「プロエクト」の副編集長ミハイル・ルビン氏。

4月1日、プーチン大統領に関する記事を公開。

その内容は「プーチン大統領が甲状腺がん?」というもの。

記事によると、2016年以降、プーチン大統領のもとを、甲状腺疾患を治療する耳鼻咽喉科の医師が59回訪れたと説明。また、甲状腺がんの専門医も35回訪れたとしています。

ロシア独立系メディア「プロエクト」ミハイル・ルビン副編集長:

政府のすべての契約が載せられている資料から、病院とホテルの間の契約が見つかりました。このホテルは、大統領が泊まった場所と期間が一致しています。医師は全員、内務省に所属している機関の中央臨床病院の先生方であることが分かります

記事では、プーチン大統領が滞在する別荘地のソチに行ったとされる医師60人をリストアップ。どの医師が最もプーチン大統領の下を頻繁に訪問したのか、ランキング形式で紹介しています。

その医師達の中で、トップはシチェグロフ医師。彼は、甲状腺の治療を行う耳鼻科の医師です。

4年間で59回、プーチン大統領のいるソチに行き、合計282日間、隣にいたといいます。

さらに…

ロシア独立系メディア「プロエクト」ミハイル・ルビン副編集長:

彼が行く際には、その傍らに少なくとも9人の別の医師が同行していることが明らかになりました

記事では、2014年ソチパラリンピック開催中、会場を訪れたプーチン大統領の写真を掲載。その背後には、シチェグロフ医師とされる姿も映っていました。

プーチン大統領の行く先々に同行する医師達。それほど病状が進行しているということなのでしょうか。

ロシア独立系メディア「プロエクト」ミハイル・ルビン副編集長:

私たちはジャーナリストです。私たちには真実を共有する以外の目的はありません。私たちは政府が嘘をついているところを暴いています。政府が正しくない説明ばかりしています

実際、甲状腺がんというのはどういう病気なのでしょうか。

甲状腺がん? “2つの理由” とは…G20ではワインで乾杯せず
国立がん研究センターのホームページによると、甲状腺の一部に悪性腫瘍ができたものということで、5年相対生存率は94.7%。がんの中では比較的高めの生存率となっています。

そして、深谷耳鼻咽喉科クリニックの深谷和正院長によると、治療法は外科手術が基本で、手術後も発声は維持できるそうです。

さらに、ロシアの独立系メディア「プロエクト」は、他にも甲状腺がんがうかがわれる行動について報じています。

1つ目は、2020年に国立内分泌学医学研究センターのイワン・デドフ所長との会談の中で、甲状腺がんの問題に公然と関心を示したことがあったこと。

そして2つ目は、2022年2月にアゼルバイジャン・アリエフ大統領と会談が行われた際に、コロナ対策として約4mの巨大テーブルを用意し、距離を取ったことです。このことについて、イギリスのボディランゲージの専門家は、「密接な接触による不安・身体的な病気や身体虚弱のもう一つの兆候」を示す可能性なのではないかと指摘しています。

感染対策以外に、健康不安を悟られたくないために距離を置くことも考えられるのでしょうか。ロシア政治に詳しい筑波大学院中村逸郎教授に伺うと…

筑波大学院 中村逸郎教授:

感染対策以外にも、やはりあるのだと思いますね。最近のプーチン大統領は歩く姿というのが全然報道されていないのですよね。それで、実は2019年に私が「プーチン大統領、ちょっとおかしいな」と思ったことがあったんです。

大阪でG20があった時に、最後の晩餐会でみんなで大阪のワインで乾杯したんですよ。その時にプーチン大統領だけ、白色のマイタンブラーを持ってきていて、それで乾杯していたんですよ。

それが、「一体なぜプーチン大統領、ワインを飲まないんだろう」ということで、ロシア国内でも物議を醸し出しまして。様々な場でマイタンブラーで飲んでいる姿が目撃されていて、「あれは何か薬が入っているのではないか」というようなことが、だいたい2019年くらいから言われてきたんです

(「めざまし8」4月4日放送分)

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プーチンのウクライナ侵攻が、眠れるNATOを「覚醒」させた

2022年04月04日 13時48分57秒 | 社会・文化・政治・経済

4/4(月) 7:02配信 現代ビジネス

ブリュッセルに集まったNATO加盟国の首脳陣[Photo by gettyimages]

 ロシアによるウクライナ侵攻は、一般市民に甚大な被害をもたらしている。初期の電撃戦に失敗したロシアは、その後、無差別的攻撃の恐怖によって、ゼレンスキー政権を屈服させようとしている。その結果、すでにウクライナ人口の約4分の1が家を追われ難民や国内避難民となった。こうした状況に対してNATO(北大西洋条約機構)は、結束してウクライナ支援を実施している。

【写真】ロシア軍に猛反撃しているウクライナ軍の「スゴい兵器」

 ところが実はNATOは、ウクライナ侵攻前までは「漂流の危機」にあるとされ、マクロン仏大統領によって「脳死」と評されるほどの機能不全状態にあったことはあまり知られていない。そこで、ウクライナ侵攻に対するNATOの対応をみる前に、まず冷戦後のNATOの軌跡を簡単に振り返ってみたい。

NATO加盟国の協調とすれ違い
マクロン仏大統領とトランプ前米大統領[Photo by gettyimages]

 ソ連解体によって「敵」がいなくなったNATOは、1990年代、民族紛争やテロとの戦いのような危機管理にその存在意義を見いだした。具体的にはボスニア、コソボ、アフガニスタン、リビアなどで、NATOは作戦を実施した。

 しかし危機管理は、紛争地との地政学的関係性や平和構築へのアプローチの違いゆえに各国の思惑の差が表面化しやすい。たとえばリビア空爆ではNATOの作戦に参加した加盟国は半数の14カ国にとどまり、共同で危機管理を担うからといって、必ずしも結束が強化されることにはならなかった。

 こうしたNATOの危機管理への活用を積極的に支持していたのが米国や英国であった。それに対してフランスやドイツはEUによる安全保障・防衛政策を重視しており、特にドイツは非軍事的な復興支援に重点を置いていた。一方、バルト三国やポーランドは、隣接するロシアへの警戒感から集団防衛の近代化を求めていた。

 とりわけ2008年のジョージア紛争にて、ロシアが今回同様に主権を無視して武力によって介入し、ジョージア内の南オセチアとアブハジアの分離独立を承認すると、対ロ脅威認識が高まった。

 このような加盟国間の3通りの思惑を反映して、2010年に採用された現行のNATO戦略概念では、危機管理、協調的安全保障、集団防衛の3つが主任務として併記されていた。

 2014年にロシアがウクライナの主権を無視して武力でクリミアを併合し、東部のドンバスにおける反政府勢力を軍事的に支援した際には、バルト三国やポーランドはますますロシアへの警戒心を強めた。米国の有力なシンクタンクであるランド研究所のシミュレーションによれば、ロシア軍がバルト三国に侵攻した場合、72時間でエストニアの首都タリンとラトビアの首都リガが陥落すると予測されていたのである。

 2014年以降、たしかにNATOは90年代以来実施されていなかった集団防衛を目的とする演習を再開し、即応部隊の整備強化やバルト三国、ポーランドへの小規模な部隊の展開なども打ち出した。

 しかし各加盟国の安全保障戦略における脅威認識はバラバラで、西欧や南欧の多くの国はテロや難民流入を主たる問題だと考えており、ロシアを名指しで脅威とみなす国はバルト三国やポーランドなど、依然として少数派であった。

 そうしたNATOの漂流に拍車をかけたのが2017年のトランプ政権誕生だ。トランプ大統領は、ヨーロッパ加盟国の防衛費負担が少なすぎることを問題視し、NATOは「時代遅れ」だと痛烈に批判した。そうした米国の一方的な言動に反発するなかで、冒頭のマクロン大統領によるNATO「脳死」発言が飛び出したわけである。

 さらに中国の問題がNATOを揺さぶりはじめる。米国は中国を「体制間の競争相手」と認識して警鐘を鳴らし、政治経済面のみならず軍事面でも警戒する姿勢を強めた。

 しかし、ヨーロッパ各国にとっては軍事的に脅威とはいえない上、2020年に中国がEUの最大の貿易相手国となったため、米欧は立場を共有できていなかった。2019年12月のNATO首脳会議の共同声明で、はじめて中国を「機会と挑戦」という言葉で表現したのは、こうした米欧の立場の違いを反映していたのだ。

 2021年に成立したバイデン政権は「米国が国際協調に復帰する」と宣言したが、アフガニスタンからの一方的な部隊撤収の決定や、突然のAUKUS(米英豪安全保障協力)結成発表をめぐり、米欧間には依然として亀裂が残っていた。

NATOが果たしている役割
3月24日にブリュッセルに集まったNATO各国の首脳陣[Photo by gettyimages]

 このように漂流の危機にあったNATOにとって、ウクライナ侵攻は、いわば「モーニング・コール」となった。ウクライナ侵攻直後から、まるで「覚醒」したかのように、NATOはかつてない結束を示したのだ。

 現在、NATOがウクライナ支援のため果たしている役割は大きく4つ挙げられる。第一は言うまでもなく、同盟国がロシアの侵略に反対し、ウクライナ支援で結束していることのアピールである。

 通常は年に1回開催される首脳会議が、ウクライナ侵攻直後の2月25日にはオンラインで、1ヶ月後の3月24日にはブリュッセルで、それぞれ開催された。2月の首脳会議には、非同盟のスウェーデンとフィンランドも参加し、幅広い国際社会の連帯を演出した。

 第二は、中・東欧加盟国での部隊増強である。NATOは2014年以降、バルト三国とポーランドに部隊を展開していたが、ウクライナ侵攻後にその増強がはじまった。2022年3月時点では上記4カ国に加えて、従来親ロ的とされてきたスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアにも部隊が配備され、その数は合計で4万人に達している。これは、加盟国の領土を守る集団防衛の決意を示したものである。

 第三は、情報収集と監視である。NATOは空のレーダーと言われるAWACS(空中警戒管制機)やUAV(無人航空機)グローバルホークを連日ウクライナ国境沿いの上空に展開し、米軍や英軍の電子偵察機と連携してウクライナを監視している。

 AWACSはキエフより西の上空や地上のロシア軍および黒海のロシア海軍の動きを加盟国とリアルタイムで共有でき、それらの情報はウクライナにも提供されている。これがウクライナ軍の抵抗に貢献しているのは言うまでもない。

 第四は、輸送支援である。現在ポーランド南東部のジェシュフの空港がウクライナへの物資輸送ハブになっており、AWACSによる監視のもと、NATO加盟各国の大型輸送機が次々に飛来している。そこからウクライナ側へ、人道支援物資とともに対戦車ミサイルや地対空ミサイルなどの攻撃的兵器を送り込んでいるのだ。

 このようにNATOは、直接的な戦闘こそないものの、ウクライナに強力な支援を実施している。しかしロシアの無差別攻撃による市民への被害と各国に流出する難民の姿が報道され、停戦交渉の行き詰まりから紛争長期化への懸念も強まってきた。

 そのような状況で、ゼレンスキー大統領による各国議会での演説をはじめとするSNSを駆使したウクライナのアピールは、国際世論を動かしつつある。同時にNATOに対しても、より一段と踏み込んだ対応を求める声が高まっている。

「漂流するNATO」は変われるのか?
ロシア軍が保有しているS300ミサイル[Photo by gettyimages]

 ゼレンスキー大統領は3月16日の米議会での演説で、「ロシアはウクライナの空を使って、数千の人々を死に追いやっている」と訴えた上で、「ウクライナ上空の閉鎖を(Close the sky over Ukraine)」と呼びかけ、具体的に、1)飛行禁止区域(no-fly zone、以下NFZ)の設定、2)地対空ミサイルの供与、3)戦闘機の供与を要請した。

 果たしてNATOは、こうした一段と踏み込んだ対応が可能なのだろうか。ここで問題となるのが戦争をエスカレーションさせるリスクである。

 1)のNFZの設定は、軍事的にはかなり激しく、負担も大きい作戦となる。そもそもNFZを設定するためには、ウクライナ上空を警戒監視する複数のAWACSと、NFZに違反した航空機やミサイルを撃墜するための戦闘機が、連日24時間スタンバイする必要がある。

 90年代にNATOが国連安保理決議に基づき、ボスニア上空にてNFZを実施した際には、AWACSを6機以上運用し、かつイタリアの基地に同数の戦闘機を配備した。フランスより国土が広いウクライナ領空でロシア軍を相手にNFZを設定するには、10機以上のAWACSを運用する必要がある上、相当数の戦闘機も配備しなければならない。

 しかも、ロシアの反対のためNFZを求める国連安保理決議は採択されず、仮にNATOがウクライナの要請に基づいて一方的に空域封鎖を実施すれば、遵守しないロシア空軍と空中戦となる。その際にロシアがNATO加盟国領内に反撃を加えれば、軍事的エスカレーションが高まってしまう。そのためNATOは、ウクライナでのNFZ設定を否定している。

 2)の地対空ミサイルについては、従来から供与している携帯型地対空ミサイル(“スティンガー”)の他に、より高度の飛翔体を迎撃できるロシア製S300のような地対空ミサイルを、スロバキア、ブルガリアの保有分からウクライナに供与するという案が検討されている。

 この場合のエスカレーションのリスクは、こうした攻撃的兵器の輸送ルートへのロシアの攻撃である。侵攻3週目に入り、ウクライナ東部に続き西部がミサイル攻撃を受けるようになったのは、武器供与にロシアが苛立っている証左である。もしこうしたルートへの攻撃がポーランド側にも及ぶとすれば、エスカレーションにつながる恐れがある。

 3)の戦闘機供与については、ポーランド空軍保有のMiG-29を提供し、同じ機を運用しているウクライナのパイロットが乗り込むという案が検討された。しかしこの場合、ロシアがNATOによる挑発的行為とみなして反発するのみならず、発進基地がロシアの攻撃目標になる可能性があるため、提案は却下されている。

 他にもエスカレーションのリスクとしては、ウクライナへの脅しや西側の介入への警告として、ロシアが生物・化学兵器を使用するかもしれないという問題がある。ロシア側は、米国の支援を受けたウクライナが生物・化学兵器を開発していたと主張している。

 一方でストルテンベルグNATO事務総長は、「(そのように主張するのは、)ロシア自身が偽旗作戦でそうした兵器を使う可能性があるからだ」と指摘した。バイデン大統領は、生物・化学兵器が使われた場合に、NATOによる軍事的対応を排除しない考え方を示しており、ここにもエスカレーションの萌芽がある。

 停戦交渉をまとめるにはロシア側の譲歩を引き出す必要があり、そのためにはNATOのさらなる強力な支援のもと、ウクライナ軍優勢の状態が不可欠である。しかし、エスカレーションは回避しなければならない。

 なぜならばNATOは核同盟でもあるため、ロシアとの直接戦闘は核戦争につながりかねないからである。

 冷戦期のソ連とは対照的に、ロシアはいまや通常戦力において西側より圧倒的に劣っている。したがってロシアの核使用のハードルは冷戦期よりも低い。プーチンは「存亡の危機」になれば躊躇なく核を使用しかねない。この「存亡の危機」かどうかの判断は、もっぱらプーチン次第なので合理的な予測が困難である。

 また、仮にNATOとの対決という方向にエスカレーションがすすんだ場合、ロシア社会の愛国心が一層高揚し、かえってプーチンの求心力が強化されてしまうという可能性も考えられる。ロシアにおいては冷戦後もNATOは敵として刷り込まれてきた。したがってNATOとの戦いになると総動員態勢となり、エリートや若者を中心に広がりつつある反戦の動きが弾圧され、社会の変化の可能性が摘み取られてしまう。

 NATOには、エスカレーションのリスクを回避しつつ、一段と踏み込んだ対応を模索するという、ぎりぎりの舵取りが求められている。それは、「かつてないほどの強さと結束」(バイデン大統領)を示しているからこそ可能となる。

 冷戦後に漂流しつつあったNATOは、2008年のジョージア紛争、2014年のクリミア併合、2022年のウクライナ侵攻と、3度目のモーニング・コールにより、ようやく覚醒しつつあると言えよう。

広瀬 佳一(防衛大学校総合安全保障研究科教授)

 

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