競輪】ガールズ高木真備が電撃引退を表明 心残りは「大島優子さんに会えなかったこと」

2022年04月06日 13時13分45秒 | 未来予測研究会の掲示板

4/3(日) 21:18配信 デイリースポーツ

突然の引退発表をした昨年の賞金女王・高木真備

 昨年末のガールズグランプリを優勝し、賞金女王に輝いた高木真備(27)=東京・106期・L1=が3日、電撃引退発表をした。

【写真】引退発表でも明るい高木真備

 雨が降る中、ホームバンクの京王閣で行われたグランプリ優勝報告会で突然に表明。

報告会の後、報道陣の取材に応じて「競輪学校に入ったとき、25歳でガールズグランプリを優勝するって目標を立てた。25歳までに勝つことはできなかったが、昨年27歳のときに優勝することができた。優勝できたら引退するつもりではあったけど、周りから止められたし、いろいろ考えました。ケガの影響で1カ月競輪から離れてみたけど、気持ちが入らなかった。期待してもらっているのに、ふがいないレースが続いていたのに応援し続けてもらった。それなのに結果を出すことができず苦しかった。引退を決意したのは3月川崎の決勝の後。やり切ったって気持ちが大きかったですね」と決断に至った心境を語った。

 「グランプリを優勝するために頑張ってきました。このままの気持ちで走っていくと積み上げてきたものを失っていく気がした。グランプリ優勝で一区切り。目標を達成して引退する。こういう終わり方があってもいいのかなと思います」と現役生活に区切りをつけた。

 元AKB48で女優の大島優子の大ファン。「グランプリは勝てたけど、ひとつだけ心残りがあります。ずっと大好きだった大島優子さんに会えなかったこと。ガールズケイリンで強くなれば会えると思っていたので。これだけは悔しいですね」と笑う。今後は保護犬、保護猫を救う活動をしていくという。トップレーサーは女王の称号を得たまま引退した。

 


「世界一わかりやすいコロナワクチン後遺症が起きる仕組み」

2022年04月06日 11時51分52秒 | 医科・歯科・介護
 
タクヤ@自己免疫漢方治療専門の毛髪診断士

タクヤ@自己免疫漢方治療専門の毛髪診断士

始めまして。

漢方薬専門毛髪診断士のタクヤです。

免疫細胞療法の専門家でもあります。

この記事では世界一わかりやすくコロナワクチン後遺症について解説します。

なぜコロナワクチン後遺症が起きるのか?

  1. ポイント 人類史上初のmRNA技術

今回接種が推進されているmRNAワクチンは、歴史上初のウィルス遺伝子の一部そのものを脂質被膜に包んだ遺伝子ワクチンです。

『m(メッセンジャー)RNAワクチン』という種類のもので、病原体の抗原(免疫反応を起こさせる物質)をつくる蛋白質の塩基配列を作る情報を持ったmRNAを投与して、投与された人の細胞内でmRNAが抗原のたんぱく質に翻訳されて免疫を獲得するのです。

難しいですよね。

要は「ウイルスそのものを入れるのではなく、最終的にウイルスになる種だけを入れて、体の中で育てる」訳です。

自然にコロナウイルスに感染した場合はACE2の発現した細胞(軽症者なら主に上気道だけ、重症度に応じて全身臓器に拡がります)で 排除されますが、mRNAワクチンを接種した場合には、くまなく全身の細胞(筋肉細胞、 マクロファージ、血管内皮細胞、肝胆道系組織、脳、生殖器)にウィルス遺伝子が行き渡ることとなります。 殆どのmRNAは 不安定で10日程度で排除されることになりますが、一部のmRNAはヒトが自然に持つLINE1という逆転写酵素によって細胞内に組み込まれる可能性があります。

ウィルス遺伝子が接種者の体内にダイレクトに残る可能性があり、スパイク蛋白が過剰に産生されれば、血小板糖鎖抗原と反応して血小板減少症を引き起こし出血性疾患を招く可能性、リウマチなどの自己免疫疾患を引き起こす可能性、抗体依存性感染増強(ADE)によるサイトカインストームによって細胞の慢性炎症が起きる可能性があります。

抗体依存性感染増強とは?

  1. ポイント 抗体依存性感染増強の危険性

抗体依存性感染増強(antibody-dependent enhancement:ADE)とは、本来ウイルスなどから身体を守るべき抗体が、ウイルスの標的細胞への感染をさせやすくしてしまうことで、免疫システムが異常を起こし、ウイルスを増殖させたり病気の重症化を引き起こす現象のことです。

そもそも抗体とは、免疫グロブリンというタンパク質のことで、身体の中に侵入したウイルスや細菌などの病原体を攻撃するために体内で作られる免疫物質を指します。


一度作られた抗体は身体の中に記憶されるため、次に同じ病原体に感染した時には素早く機能することができます。このような免疫反応を獲得免疫と言います。一度麻疹にかかると二度とかからないことや、ワクチンを接種すると感染症を予防・軽症化できるのは、このような獲得免疫の機能が働いているからです。


しかし、ワクチンの接種によって、副作用として抗体依存性免疫増強が起こることもあります。これは、デングウイルスやSARS、MARSのコロナウイルスなどの感染症でも見られる現象です。


抗体依存性感染増強が起こるメカニズム

抗体依存性感染増強の発生は、抗体に結合したウイルスが、抗体を利用してマクロファージなど食作用を持つ免疫細胞に感染するからだと考えられています。食細胞がウイルスに感染すると、症状を悪化させる因子を大量に放出するため、病気を重症化させてしまうのです。

このような現象は、ワクチンの中途半端な働きによって、病原体への結合力が低い抗体が存在したり、抗体の量が十分に作られなかったりした場合に発生しやすいと考えられていますが、どういった条件で起きるのかは、はっきりとは明らかになっていません。


  1. ポイント 過剰なスパイクタンパク質産生による炎症性サイトカインストーム

サイトカインとは?

サイトカイン(細胞からでるタンパク質)には白血球が分泌し、免疫系に機能するインターロイキン類、ウイルスや細胞の増殖を抑制するインターフェロン類など、様々な種類があります。

病原体に対する免疫系の働きとしては、主に好中球やマクロファージなどの免疫系の作用、キラーT細胞による細胞傷害性物質の放出による宿主細胞の破壊、 B細胞が産生する抗体による不活化などがあります。このような免疫細胞の活性化や機能抑制には、サイトカインが重要な役割を担っています。

サイトカインストームの危険性

免疫の暴走の代表例が「サイトカインストーム」です。

サイトカインストームとは、サイトカインというタンパク質が過剰に分泌されることで、異物だけでなく自分の体の正常な細胞まで攻撃してしまっている状態のことです。


サイトカインには、アクセルの役割を持つ「炎症性サイトカイン」と、ブレーキの役割を持つ「抗炎症性サイトカイン」があり、通常はそれぞれがバランスよく働いています。
しかし、炎症性サイトカインがブレーキが効かなくなった車のように暴走してしまうことがあるのです

免疫細胞は体の至る所に存在するため、炎症性サイトカインが暴走すると複数の臓器で炎症が起き、最悪の場合肺炎や多臓器不全に陥って死に至ることもあります。

  1. ポイント 自己免疫疾患の危険性

免疫の暴走によって疾患が引き起こされる「自己免疫疾患」も免疫の暴走が原因で起こります。

本来は自己寛容によって、体内の細胞を攻撃しないようにされているはずの免疫が、特定の細胞や組織を異物とみなして攻撃し始め、標的となった細胞や組織が炎症を起こしたり、損傷してしまったりするのです。

自己免疫疾患を発症すると全身の血管神経、臓器に慢性炎症が起こる可能性があります。

今回のmRNAワクチンは「コロナウイルスの種を身体の中で育てる」ワクチンです。

コロナウイルスのスパイクタンパク質

ヒトの免疫系が抗体をつくるときにこのスパイクタンパク質を認識して、その形に合わせた抗体を作ることになります。

最近の研究ではヒトが作るFurinと呼ばれるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)が切断する配列が(SARS-CoVにはなく)新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に存在することがわかり、Furinによる切断によってACE2へより強く結合することがわかっています。

ACE2とは「アンジオテンシン変換酵素2」という細胞表面にある酵素タンパク質です。

スパイクタンパク質がACE2受容体と結合した後、細胞表面にあるTMPRSS2(II型膜貫通型セリンプロテアーゼ)という酵素がスパイクタンパク質の一部を切断すると、結合の様子が変わります。

これをきっかけにしてウイルスのエンベロープと細胞膜との融合がはじまり、細胞内に侵入します。

このスパイクタンパク質を体内で育て、免疫抗体を作るのががmRNAワクチンです。

ワクチン後遺症が起きる元凶

先程紹介した

抗体依存性免疫増強

サイトカインストーム

この2つはこの「コロナワクチン接種後に過剰に産生されるスパイクタンパク質」が原因だと考えられます。

海外のワクチン接種後の自己免疫疾患の関係性

ワクチン接種後に擬似的なコロナウイルス陽性状態になり、ウイルスをクリアするT細胞免疫の助けを借り、炎症性サイトカインやケモカインの過剰な放出は、ダメージ関連分子パターン(DAMPS)によって刺激され、深刻な多臓器損傷を引き起こす可能性があると出ています。

英国、ヨーロッパ、および米国でCOVID-19ワクチン接種を受けた直後に、熱性疾患と、重度の原発性呼吸器疾患の特徴なしに、胃腸、心血管、腎、血管、皮膚および神経系に影響を与える一連の症状を呈するコロナ感染と同じ多系統炎症性症候群が報告され始めました。

ワクチン後遺症がコロナ後遺症の症状と似ているのはこの事から来ていると考えられます。

円形脱毛症を再発した3例の報告がイタリアから報告されました。

炎症性サイトカインの放出を伴う抗体産生とTh1細胞の活性化により、免疫系を誘導するという同じ目標を共有しています。したがって、既存の炎症性調節不全経路を有する患者では、免疫系とワクチンとの間の相互作用が他の自己免疫メカニズムが狂う可能性があります。

円形脱毛症も自己免疫疾患なので、やはり免疫応答システムの問題だと推測出来ます。

違う記事ではコロナ後遺症外来の治療現場で処方されているものを解説しています。

特にワクチン後遺症、脱毛症に特化したものを解説しています。


【特集】ワクチン後遺症 副反応ではない 慢性的な後遺症の訴え

2022年04月06日 11時45分17秒 | 医科・歯科・介護

022年02月14日(月曜日) 20:42 サンテレビ

新型コロナのワクチン接種後、長期間症状が出続けている後遺症を訴える患者がいます。まだ十分に認知されていない「ワクチン後遺症」について取材しました。

オミクロン株の感染拡大によって県内でも保健所や医療がひっ迫。急ピッチで3回目のワクチン接種が進められています。

(斎藤元彦兵庫県知事)
本県も含めて全国で3回目の接種の進捗が進んでいないという現状がありまして、やはり3回目のワクチン接種というのが大事だとできるだけ県の接種会場で枠の拡充をさせていただいてなんとか進めていきたいなと。

神戸大学などはワクチンの効果について大学病院の医師65人を対象にウイルス感染を予防できる抗体中和抗体を調べました。

(神戸大学大学院 森康子 感染症センター長)
今までの従来株、デルタ株はワクチン接種後2カ月、6カ月でも中和抗体を持っておりまして、なのである程度感染を抑えることがワクチン2回接種で可能でした。今回の第5波が落ち着いてきたのはワクチン2回接種の効果があったと思われました。

オミクロン株は1回目、2回目の接種で十分な抗体ができませんでしたが。

(森感染症センター長)
オミクロン株はなんと驚いたんですが、今まで2回接種でほとんどできなかった中和抗体が3回接種することによってこのように64倍まで上がりました。

一方、ワクチン接種にはリスクも伴います。

厚生労働省が発表した死亡報告事例では、去年2月17日からことし1月2日までにワクチン接種後に亡くなったと報告された人数は1438人。このうち専門家によって因果関係が認められないとされたのが10人。

情報不足などによりワクチンと死亡の因果関係が評価できないとされたのが99パーセントにあたる1428人。たとえ接種の数時間後に亡くなったとしても、因果関係が否定できないと認められた事例はこれまで1例もありません。

また、アナフィラキシーや急性アレルギー反応といった副反応以外にも、接種後から長期間症状が続いているワクチン後遺症を訴える人たちがいます。

(女性の母)
(1回目接種の翌日)「お母さん、何かちょっと胸が息が苦しいんやけど気のせいかな」と言って。熱も出なかったのでそんなことないんちゃう?気のせいちがうって。学校の方からお母さん息が苦しいって言っていますって。息ができないって言ってるんです迎えに来てくださいって。

尼崎市にある長尾クリニック。全国からワクチンの後遺症を訴える患者が訪れます。院長の長尾和宏医師は、これまで50人以上の患者を診てきました。

(長尾クリニック 長尾和宏医師)
症状としては実に多彩で例えば50人いたら50人とも違うんですけども、共通することは日常生活が以前のようにできない。学校に行けない、職場に行けないという状態が1カ月以上。中には半年以上続いて社会生活から脱落してしまっている。

(長尾医師)
「立っていられない」って書いてあるけど立ってられへん?
ちょっと歩いてみようか、ゆっくり。あー、バックできへんのか。その椅子に戻って。倒れそうか?えー、トイレ行くの大変やね。
(女性)
壁にこう…。壁つたいに。

関西に住む中学1年生の女性。去年10月に1回目のファイザーのワクチンを接種した後、歩行困難などの症状が表れ、病院を転々としました。

(長尾医師)総合病院での検査結果、何って言われた?
(女性)「異常なし」
(長尾医師)異常やんか。神経内科には行った?
(女性)ギランバレーとかも疑ってそれでも検査は異常なしって。「ギランバレーじゃない」って言われた。

長尾医師はワクチンの後遺症と診断。女性は現在、治療を受けて回復に向かっているそうです。

こちらは兵庫県内に住む高校1年の男性です。1回目にファイザーのワクチンを接種後、新型コロナに感染し、去年9月、2回目のワクチンを接種。記憶力の低下を訴えています。

(長尾医師)記憶力って例えばどういう風に記憶力が悪いと感じますか?
(男性)数学の公式を覚える時にさっきやったのに全然頭に入ってこなかったり。全教科が。
(長尾医師)全教科暗記できへんようになった?
(男性)暗記ができないです。(留年する可能性がある?)はい。

長尾医師は新型コロナの感染による後遺症とワクチン後遺症の両方を疑っていて、脳の中で炎症が起こっている可能性を指摘しています。

(長尾医師)
(ワクチン後遺症は)強い全身倦怠感。疲れやすい。動いたらすぐに疲れる。あるいは胸が痛い。あちこちが痛みが移動する。手足が痛い。食欲がない。人によっては歩きにくい。認知症のように短期記憶が障害される。ものが覚えられない。こういったことを訴える方がいらっしゃいます。
コロナ後遺症に限っては病気として認められているところが、ワクチン後遺症という概念がないために補償の受け皿がない。若いですから介護保険の対象にもならない。ワクチン後遺症という概念が認知されていない。

長尾医師は記録映像を公開して、理解を求める活動を続けています。

(長尾医師)
東京からも来ます。九州からも来ます。わざわざ1泊して来る。そこまでして来るのはよっぽど困っているんやなと。なんとかしてほしいんやなと。声をあげないといけないと思います。

3月からは5歳から11歳も対象になり、ファイザーのワクチン接種が特例で承認されます。

(後藤茂之厚生労働大臣)
具体的に(5歳から11歳の)有効性については抗体価の上昇が16歳から25歳までと同様に評価されていること。発症予防効果が約90%であることが報告されております。
安全性については有害事象の発現頻度などを踏まえると、現時点で安全性に重大な懸念は認められないという評価がなされております。

(立憲民主党 青山大人議員)
オミクロン株についての科学的知見はちゃんと収集されたのか?(後藤厚労相)
オミクロン株については5歳から11歳の直接のデータは現時点で存在していないわけです。薬事・食品衛生審議会においても、5歳から11歳に対しても成人と同様の効果があると推測されているというのが科学的な正確な言葉でございます。

5歳から11歳の接種については小児科医の間でも意見が分かれていて、長尾医師は強い懸念を示しています。

(長尾医師)
子ども(10代)がコロナで亡くなった方は3人。ワクチンで亡くなった方は5人(原因不明)としても、3対5でワクチンで亡くなった人が多いわけです。リスクとベネフィットと言いますけど、ベネフィットよりもリスクの方が高いんじゃないかと、子どもさんは。
では高齢者、同居している高齢者を守るために子どもが打てという方がいらっしゃいますけども、僕は子どもには酷なんじゃないかと。

厚生労働省は、死亡事例は報告されていても「ワクチンが原因で亡くなったことではない」と否定しています。また、3回目の追加接種についても感染予防効果や重症予防効果の観点から接種が望ましいと呼びかけています。

まずはワクチンの副反応について見ていきます。1月2日までに医療機関から副反応の疑いと報告された事例は、3万件を超えています。

1月28日時点のデータですが、国の健康被害の救済認定を受けたのは515人で、そのほとんどがアナフィラキシーや急性アレルギー反応です。

では、1カ月あるいは半年と長期的に症状が出るワクチン後遺症はというと、まだその概念が十分に知られていないのが現状です。

兵庫県ワクチン対策課は、「人数は非公表だが後遺症を訴える患者を把握している。基本はかかりつけ医に診てもらい、医師が判断に迷った場合は専門的な医療機関を紹介している」ということです。

 

 

 


コロナ後遺症に1年以上苦しむ記者の記録(続編) 

2022年04月06日 11時34分25秒 | 医科・歯科・介護

「自分の体を取り戻せる日はいつ」

2022年02月26日10時00分

新型コロナウイルス感染症を軽症のまま回復した記者は、その後に悪化した後遺症で約1年もの間、苦しめられた。長期の休職を経て、やっと復職したところまでは前回の記事(「軽症で回復したはずだった」コロナ後遺症の深刻な実態 1年以上苦しみ、今なお治らない記者の記録https://nordot.app/859257660718088192?c=39546741839462401)で記述した通り。体調は感染前と比べてほど遠い状態が続いているが、ここまで苦しめられた後遺症の「正体」を自分で探し歩くことに決めた。(共同通信=秋田紗矢子)

 ▽ずっと疑っていた「脳の異常」

 後遺症がここまで長引くのはなぜなのだろう。最もつらかったのは、体の中で何か強い炎症が起きているような不快感と体の痛みで、ひどい時は発狂しそうなほどだった。波はあるものの、それは現在も続いている。ほかにも不眠、胃腸の不調、体のしびれなど、細かな体調不良はいろいろあった。

 こうしたさまざまな症状が相次いだのは、司令塔である脳に何か異常が生じたためではないかと疑っていた。そこで2021年8月、やや体調が持ち直したところで、人間ドックにオプションを付けて磁気共鳴画像装置(MRI)や頸動脈の超音波検査を受けてみた。

 結果は「異常なし」。脳や他の検査項目も特段の変化は現れていないという判定結果で、拍子抜けしたと同時に「じゃあ一体、何が原因なのか」というもやもやした思いも抱えた。

 同年11月に職場復帰した後も、相変わらず体調は悪い。今度こそ詳しく調べようと、翌12月、東京都小平市の国立精神・神経医療研究センター病院を訪れた。

 このセンターは、強い倦怠感や体の痛みなどさまざまな症状が起きる筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)を従来から研究してきた。コロナ後遺症も似た症状が多いため、ME/CFSの知見を応用して診療を行っている。

 ▽言葉と記憶の機能が低下?

 記者はこれまでに2回受診し、少量のステロイド薬の処方と脳の専門的な検査を受けた。

 ステロイドは倦怠感の軽減には効果があった。上腕の刺すような痛みや、インフルエンザに感染した時のように体内で炎症が起きているようなつらさは緩和した。

 脳の検査結果は即日見ることができ、診察室で見せてもらった。

 受けた検査は、低量の放射性物質を含む薬剤を静脈に注入する「脳血流シンチグラフィー」。磁気共鳴画像装置(MRI)では分からない脳血流の異常を判別できる場合があり、認知症の検査にも使われている。

 その結果、記者は同世代と比べ、言語や記憶をつかさどる前頭葉と側頭葉の血流が低下していた。診察した佐藤和貴郎医師によると、血流低下がみられる部分は機能も落ちていると考えられる。思考力や集中力が低下する「ブレーンフォグ(脳の霧)」状態を反映していると解釈できるという。

 衝撃を受けた。記者という仕事は言葉と記憶が重要。その分野の機能低下は致命的だ。以前より自覚症状は改善したと思っていただけに、予想より悪い状態と知り絶句した。

 ただ、これだけ脳の状態が悪ければ、日常のさまざまなことが思い通りにいかなくて当たり前だ。これまでの不調が、単に自分の「気にしすぎ」や「気のせい」ではないと裏付けられたようで、救われるような気持ちにもなった。複雑な心境だった。

 ▽うつ病と似た状態

 この日の診察では、佐藤医師から気になる言及があった。「前頭葉の血流低下はうつ病の患者にも見られるパターン」。実は記者も以前から懸念していたことだった。

 仕事をやろうとしても体がだるくて動けなかったり、仕事をしてもすぐ疲れてしまったりするのは、ひょっとして「うつ」だからではないかと思ったことがあった。

 でも、気分が継続的に落ち込んだりすることはないし、夜も横になればすぐに眠れる。朝までほぼ起きることもない。佐藤医師は「断定はできないが、症状からもうつ病とは少し様相が違うようなので、やっぱりコロナの影響ではないか」と語った。ほかの後遺症患者も脳が似たような状態になっている例が多いという。

 では、脳血流はなぜ低下したのだろうか。佐藤医師らは、ME/CFSの研究結果から、感染をきっかけに免疫の異常が引き起こされたことが影響しているのではないかとみている。

 佐藤医師によると、感染後も免疫の働きが収まらず、自分の体を攻撃してしまう「自己抗体」がME/CFSと後遺症の患者双方から見つかっている。自己抗体が自律神経の働きを邪魔し、血流の調節機能も狂わせてしまう可能性が考えられるという。

 免疫機能を抑制する効果があるステロイドを飲むと症状が落ち着く人が多いのも、こうした見方を裏付けると考えられている。

 ▽脳の血流を改善するための運動は要注意

 脳の血流低下を改善すれば、体調は戻るのだろうか。血流を良くする方法となると、すぐに運動を思いつく。記者が会社の産業医に脳血流の画像を見せたところ、やはり運動を勧められた。うつ病から復職する人には再発防止策として運動を勧めるという。しかし、コロナ後遺症にとって運動は要注意だ。

 国立精神・神経医療研究センターの佐藤医師は「ME/CFSは、運動すると悪化するのが特徴だ」と説明する。

 自律神経障害で血液の分布が乱れている状態で運動すると、かえって脳機能が落ちる可能性があるという。この症状と共通点が多いコロナ後遺症患者も同様だとみられている。記者も昨年、ゴルフの打ちっ放しをした後、世界が変わったように体調が急激に悪化した苦い記憶がある。

 コロナ後遺症の治療方法は、現時点ではまだ確立していない。記者は脳血流を改善する薬を処方され、飲んでみたが、強い眠気が出るだけで効果はあまり感じなかった。

 今後は、処方されたステロイドを飲んだり、昨年の体調改善のきっかけとなり、脳血流の改善に効果があるとされる上咽頭擦過療法(EAT)を再開したりしながら、様子を見ることにする。EATは激痛のため、通院には毎回相当な覚悟を強いられる。

 ▽コロナは「怖い病気」

 以前の自分を取り戻せる日は、いつか来るのだろうか。佐藤医師に尋ねると「感染から時間がたつと症状を訴える人も減っていくという報告もあるが、回復が思わしくない人もいて、どこまで回復するかは未知数」と言われた。

 「インフルエンザなどほかの感染症でも元の状態に戻らない人はわずかながらいるが、コロナはかなり多いのが特異で、怖い病気」。国立精神・神経医療研究センターでは、今後もME/CFSやコロナ後遺症について研究を進めていくという。

 後遺症はME/CFSのようにさまざまな症状を引き起こす。記者の症状は、実は一例に過ぎない。もし身近にコロナ感染後の不調を訴える人がいたら「気持ちの問題」などと安易に片付けず、耳を傾けてあげてほしい。記者も多くの人に話を聞いてもらい、受け止めてもらえたことでどれほど救われてきたことか。

 休職中、SNSをのぞくと自分と同じようにコロナ後遺症で悩む人がいると分かった。「なぜマスコミはもっと後遺症のことを報道しないのか」という内容も多く、記者として忸怩たる思いを抱えてきた。復職して約2カ月の今年1月下旬、ようやく体験記を全国の新聞社に配信。次いでインターネットに記事を掲載した。予想をはるかに上回る反響があり、コロナ後遺症に悩む人の多さとその深刻さがひしひしと伝わってきた。皆、未知の病と孤独に闘ってきたのだと記者も励まされた。これからも治療と並行して発信を続けていきたい。

 日本でもオミクロン株が広がり、コロナ感染者は急増した。重症化リスクは比較的低いとの指摘もあるが、油断しないでほしい。コロナの症状はたいしたことがなくても、深刻な後遺症に苦しむ人は、記者のように多くいる。


夜来たる

2022年04月06日 11時22分21秒 | 新聞を読もう

夜来たる アイザック・アシモフ著


赤の女王―性とヒトの進化

2022年04月06日 11時17分08秒 | 社会・文化・政治・経済

マット リドレー (著), Matt Ridley (原著), 1 more

人間とはなにか
人間はいかに進化してきたか
進化生物学が男と女の謎に迫る
人間とは何か、人間はいかに進化してきたのだろうか。本書は、進化生物学に基づいてその答えを探っていく。

男と女は互いに肉体的に異なっているように精神的にも異なっているのだろうか。そうだとすればそれはなぜか。人間の美しさの基準は、恣意的なものなのか、それとも原則が存在するのだろうか。

我々は、遺伝子をめぐる絶え間なき闘争で敵を欺き、相手を誘惑するために、大きな頭脳を持つようになったのだろうか。本書は、人間と性、さらに人間の知性に対し新たな見方を提起する。

 

 
なぜ、このように興味深い書物が現在絶版になっているのか・・・

残念です。

自分は中古で(けっこうな高値で)入手しましたが、手に入れることができてよかったと感じました。

進化、遺伝、性といった、生物学において本質的な事柄を、かなり分かりやすく、それでいて深い見地から論じています。

生物学における、時代時代の最先端の発見をめぐる議論の流れを追跡する本書のスタイルは、
多くの生物学の教科書にありがちな、単なる事実の羅列とは一線を画しており、

初学者から、専門家にいたるまで、面白く読めると思いました。
 
 

リー・ヴァン・ヴェーレンが1973年に提唱した仮説について,大衆向けにサイエンス・ライターがまとめた本。
ルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場するトランプの国の女王の「その場にとどまるためには全力で走り続けなければならない」ということばになぞらえてその名はつけられた。
生物は存在し続けるためには進化しつづけなければならない。人が学ぶということも,おそらくは同じことだろう。
 

 


赤い女王のレース

2022年04月06日 11時08分33秒 | 社会・文化・政治・経済

赤の女王仮説(あかのじょおうかせつ、英: Red Queen's Hypothesis)は、進化に関する仮説の一つ。敵対的な関係にある種間での進化的軍拡競走と、生殖における有性生殖の利点という2つの異なる現象に関する説明である。

「赤の女王競争」や「赤の女王効果」などとも呼ばれる。リー・ヴァン・ヴェーレンによって1973年に提唱された。

「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する人物で、彼女が作中で発した「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない(It takes all the running you can do, to keep in the same place.)」という台詞から、種・個体・遺伝子が生き残るためには進化し続けなければならないことの比喩として用いられている。

軍拡競争
生物学的な過程と国家間の軍拡競争の類似から着想された進化的な軍拡競走(もしくは軍拡競争)という表現は、リー・ヴァン・ヴェーレンによって初めて発表された(1973年)。

ヴァン・ヴェーレンは生物の分類の単位である科の平均絶滅率を地質学的期間にわたって調査し、そこから得られた絶滅の法則(1973年)を説明するために赤の女王仮説を提案した。

ヴァン・ヴェーレンは、科の生き残る可能性はその経過時間に関係なく、どんな科も絶滅する可能性はランダムであることを発見した。

例えば、ある種における改善は、それがどのようなものであってもその種に対する有利な選択を導くので、時間経過に従ってますます多くの有利な適応を身に付けるようになる。

それは、ある種における改善が、その種が多くの資源を獲得し、競争関係にある他種との生存競争での生き残りに、有利になることを示唆している。そして同時に、他種との競争で有利であり続けるための唯一の方法は、デザインの継続的な改善だけであることを示している(Heylighen, 2000)。

この効果のもっとも明白な一例は、捕食者と被食者の間の軍拡競走である(例えばVermeij, 1987)。

捕食者はよりよい攻撃方法(例えば、キツネがより速く走る)を開発することで、獲物をより多く獲得できる。同時に獲物はよりよい防御方法(例えば、ウサギが敏感な耳を持つ)を開発することで、より生き残りやすくなる。

生存競争に生き残るためには常に進化し続けることが必要であり、立ち止まるものは絶滅するという点で、赤の女王の台詞の通りなのである。

有性生殖は効率的か
性の二倍のコスト
オスとメスはつがうためにお互いを見つける必要があるが、これは性成熟した個体と出会っても半数とは交配できないことをしめす。

あるいは全ての個体がメスの場合よりも、繁殖効率は半分に低下する。無性生殖で増える生物と比べて、有性生殖は非効率的に見える。

これをメイナード=スミスは性の二倍のコストと呼んだ。雄が雌の子育てを手伝い、より多くの子を残せるならこの問題は解決する(あるいは二倍以下に軽減される)。しかし多くの動物ではオスは子育てをせず、資源を性選択へ振り分けることがある。したがって雄の二倍のコストと呼ばれることもある。

ほぼすべての脊椎動物が有性生殖を行うという事実は、組み替えが何らかの有利さをもたらしていると考えられる。従来は三つの説があった。

一つは、無性生殖ではある系列で有利な突然変異が起こったとしても、必ずしもそれを持った個体が生き延びるとは限らない。有性生殖であれば有利な変異を取り込むことができる。

ここから、同じ種に属する生物が共同で利用可能な遺伝子プールと言う概念が生まれる。

二つ目は、ある種の遺伝子は別の遺伝子とペアを形成することで有利さを発揮することがあるが、有性生殖は遺伝子の混ぜ合わせ作業なので、そのような有利な遺伝子のペアが出現する可能性を増加させる。

ただしその組み合わせは一代限りで、次の世代には失われてしまう。

またどちらの説も有利な遺伝子だけでなく、不利な遺伝子を集める効果もあり、単純に利点と見なすことはできない。

第三に、多様な遺伝子のセットを持つ子孫を作り出すことは子孫の適応力を高めることができる。

しかし安定した環境では遺伝的多様性が必ずしも高い適応度をもたらすとは限らない。

仮に、遠い子孫にとっては(環境の激変などで)遺伝的多様性が有利になるとしても、短期的な利益がないのならそのような形質は進化しないはずである。

有性生殖における赤の女王
W.D.ハミルトンは1980年から90年にかけて、M・ズック、I・イーシェル、J・シーゲル、R・アクセルロッドらと共に、遺伝的多様性が適応や進化の速度を向上させるという従来の説を種の利益論法だと批判し、多くの生物で遺伝的多型が保持されているのは多型を支持するような選択圧が常に働いているためで、その選択圧をもたらす者は寄生者であると主張した。

種やその他の集団レベルにおける進化を認めてきた古典的な理論とは対照的に、赤の女王効果は遺伝子レベルでの有性生殖の利点を説明することが可能である。

サイエンスライターのマット・リドレーは、1995年の著書『赤の女王』の中で、有性生殖の適応的な利点についてのこれらの議論をまとめ、ヴァン・ヴェーレンから借用した「赤の女王」の名を当てた。

有性生殖の有利さは、常に変化するような環境に棲む生物で発揮される。有性生殖する生物にそのような環境の変化をもたらす者は寄生者(寄生虫、ウイルス、細菌など)と考えられる。

寄生者と宿主の間での恒常的な軍拡競争において、この具体例が確認できる。一般に寄生者はその寿命の短さにより、より速く進化する。

そのような寄生者の進化は、宿主に対する攻撃方法の多様化を招く(つまり、宿主にとって環境が変化する)。

このような場合、有性生殖による組み替えで常に遺伝子を混ぜ合わせ短期間で集団の遺伝的多様性を増加させ続けることは、寄生者の大規模な侵略を止める効果を果たすと考えられる。

実際、ボトルネック効果などによって遺伝的多様性が失われた個体群は感染症に弱いことがわかっている。

通常分裂(無性生殖の一つ)を行う生物(ゾウリムシや大腸菌など)でも環境によっては接合(有性生殖の一つ)によって遺伝子を混ぜ合わせることは可能である。

すなわち寄生者との間で周期的な軍拡競争を行っている生物では、性が寄生者に対する抵抗性を維持するための仕組みであると考えられる。

赤の女王仮説は性の起源を説明する理論ではなく、性が維持されるメリットの一つを説明する理論である。

ただし、よく見逃されるが、この理論は「性(遺伝子の定期的な交換)」の存在はよく説明しているものの、雌雄の存在は説明していないことに注意を払う必要がある。上記の性の2倍のコスト、つまり繁殖に限定的な関与しかない「雄」の存在を説明するものではない。

ちなみに、雌雄別が主流となっている生物群は動物のみであり、他の生物群では雌雄同体(同一個体が大小2種類の配偶子をつくる)ないしは性差がない(配偶子の大きさがほとんど変わらない)が主流である。

 


ウクライナ侵攻 キーウ周辺、住民大量虐殺 目隠し、後頭部を銃撃

2022年04月06日 11時04分33秒 | 新聞を読もう

毎日新聞 2022/4/5 

教会の裏に掘られた集団埋葬地=ウクライナの首都キーウ近郊ブチャで3日、AP

 ロシア軍が撤収した後のウクライナ北部のブチャなどで、400人を超す民間人の遺体が見つかった。ブチャで何が起きたのか。

黒い袋、重なる遺体
 ロシア兵は道路脇に5人の住民男性をひざまずかせ、男性たちが着ていたTシャツの裾を背中から引き上げて頭にかぶせた。目隠しのような状態にした上で、1人の後頭部を銃で撃った。男性はその場に崩れた。近くにいた女性が悲鳴を上げた――。

 人権侵害の告発で評価が高い国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)が、ロシア軍に支配されていたキーウ(キエフ)州などの住民から聞き取り調査を実施し、4月3日に発表したリポートの一部だ。ブチャであったという露軍による処刑の様子を、目撃していた女性が証言した。

 


プロ野球 矢野監督に「阪神半疑」 開幕9連敗 「今季で辞める」発言、選手の士気に悪影響か

2022年04月06日 10時40分44秒 | 野球

毎日新聞 2022/4/5 

 勝てない。阪神は3日の巨人戦(東京ドーム)に5―9で敗れ、開幕から泥沼の9連敗。セ・リーグの開幕連敗ワースト記録を塗り替えてしまった。なぜ勝てないのか。守護神の誤算や選手起用など浮かび上がる複数の問題点に加え、阪神OBの江本孟紀(たけのり)さん(74)は「(今季の)阪神が他のチームと違うところが一点だけある」と指摘する。

始まりは3月25日、京セラドームでのヤクルトとの開幕戦だった。

5点リードの8回に中継ぎ陣が4失点し、9回に登場した新守護神ケラーは本塁打2本を浴びて逆転された。

29日の広島戦もケラーは1点差の9回に1死しか取れずサヨナラ負け。

昨季まで2年連続最多セーブのスアレスの抜けた穴の大きさを露呈した。

継投などの采配面も意図に疑問が残る。

投手の機微を読み切れず、続投させて終盤に失点する試合も多い。

「監督が(今季限りで)辞めると開幕前に言っている」という点だ。

指揮官の退任が決まっていることは、プロ選手の士気のどのような影響がでるものなのか。

 

 


新型コロナ 死者89人中82人高齢者 3月 全体の8割に基礎疾患 /茨城

2022年04月06日 10時22分57秒 | 医科・歯科・介護

毎日新聞

茨城県は4日、3月に新型コロナウイルスに感染した死亡者89人のうち82人が65歳以上の高齢者で、全体の約8割に基礎疾患があったと明らかにした 。

3月の死亡者数が月別で過去最多だったとして、県が分析結果を発表した。

高血圧が40人、心疾患が22人、悪性腫瘍と呼吸器疾患がいずれも15人だった。


ロシア軍、ウクライナ東部に「激しい攻撃」の恐れ NATO事務総長

2022年04月06日 10時17分08秒 | 新聞を読もう

4/6(水) 6:39配信 毎日新聞

記者会見するNATOのストルテンベルグ事務総長=2022年4月5日、AP

 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は5日、ブリュッセルで記者会見し、ウクライナに侵攻中のロシア軍が東部ドンバス地方などに兵力を集中させ、今後数週間以内に「極めて激しい攻撃」を仕掛けるとの見方を示した。NATOは6~7日に外相会議を開き、ウクライナへのさらなる支援を協議する。

【写真特集】焼け焦げた戦車や装甲車 キーウ近郊は今…

 露軍は首都キーウ(キエフ)周辺から撤退し、戦略の重点を東部や南部に移す動きを見せている。ストルテンベルグ氏は会見で、露軍がドンバス地方全体の占領や、ドンバスから南部クリミアまでの陸路の制圧を目標に定め、部隊の再編成や補給を行っていると指摘した。ストルテンベルグ氏は露軍が態勢を整えるには「ある程度の時間を要する」とし、その間にNATOとして、ウクライナ軍が「新たな攻撃」に備えるための支援を行う方針であることを明かした。対戦車兵器や防空システムなどの武器のほか、燃料や医薬品などの提供拡大を検討しているという。

 一方、キーウ近郊ブチャで多くの民間人の死体が見つかったことについて、ストルテンベルグ氏は「数日前までロシア軍に支配されていた地域の恐ろしい画像を見た。欧州が何十年も経験していない耐えがたい残虐行為だ」と述べ、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)などによる国際的な調査の必要性を訴えた。

 6日からのNATO外相会議には日本や韓国、オーストリアなどアジア太平洋地域の友好国も参加し、ウクライナ情勢を巡りロシア寄りの姿勢を示す中国への対応なども協議する。日本からは林芳正外相が出席する。【ブリュッセル岩佐淳士】

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