利根輪太郎の競輪人間学 悔いを残す

2022年04月10日 23時12分21秒 | 未来予測研究会の掲示板

GⅢ 平塚競輪 相南ダービー 最終日(4月10日(

11レース

並び 3-5 2-7(6.1倍)9-1 2-7-8 6-4 

レース評
S班の矜恃を示す仕掛けを宿口に期待。乗る杉森の抜け出しは充分だし、宮本−福島のスピードや稲垣−坂口、九州勢の力走も。

1番人気 2-7(6.1倍)

利根輪太郎は、9レース1-9 10レース9-3なので、出目作戦として11レースも9番が車券に絡むと期待する。
下がり目の9レースの上がり目の2-9からの3連単で勝負する。
押さえは、10レースの下がり目の9-2である。
さらに、9-1、9-3、9-5、9-7を押さえる。
この時、9番の隣の8番をどうするかと考えたが、本命2-7-8の3番手。
9番が軸なら9-2、9-7まで、「8番は要らない」と決断する。
輪太郎は気質として、軸を決めたら<総流し>をしばしば貫いてきた。
悔いを残さないためである。
北千住の競輪仲間であった<ミスター矢島>は、ゾロ目買いであった。
彼のことが突然、頭を過ったのだ。
だが、投票用紙に9-8と記入して、慌てて投票に向かったのに、前の人がもたついている間に、投票は締め切られる。
逃した車券は実に、大きかった。
500円買うはずであったのだ。

9-8 3万2,940円(60番人気)

9-8-5 41万60円(435番人気)

天候 晴/風速 1.5m




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 9 稲垣 裕之   11.4    
  2 8 五日市 誠 1/4車輪 10.9    
3 5 福島 武士 3/4車輪 11.4      
4 2 宿口 陽一 1車輪 11.3      
5 7 杉森 輝大 3/4車輪 11.2      
6 1 坂口 晃輔 1/4車輪 11.4   S  
× 7 3 宮本 隼輔 1/2車身 11.7   B  
  8 6 瀬戸 栄作 3/4車輪 11.0      
  9 4 中村 圭志 3/4車身 10.9    

戦い終わって

戦い終わって写真

 宮本隼輔の先行。稲垣裕之は内を追い上げる動きで宿口陽一から3番手を奪取。そのまま捲って押し切り。「前から攻めた方が全体が見えると思ったからスタートを出て。叩いた瀬戸栄作君が引いて来るとは思わなかったが、そこからは自分で前に行こうと。3番手取ってからは宮本君が掛かり切る前に仕掛けた。タイミングは悪くなったが、全力を出し切れた。気持ちが奮い立つものがあったから、今回は収穫がある開催だった。やっと思い通りに練習できるようになって体が動くように。これからは結果を残していけるように」。
 不発に終わった宿口ラインの3番手から五日市誠が鋭く2着に突っ込み波乱を演出。「全部前に任せて付いていた。稲垣さんにしゃくられてタイミングを狂わされたと思うから、そこは申し訳なかった。それでも宿口君が行くだろうと様子を見て。2センターでは外は苦しいと思ったから空いてる所に入った。昨日はメンバーに圧倒されたが、その反省を活かして今日は乗れていた」。


希望は、与えられるものではない

2022年04月10日 10時30分28秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼「自分なんかもう駄目だ」と思うような瀬戸際の時、実は、その時こそが、自身の新しい可能性を開くチャンスなのである。
人生の勝利と敗北、幸福と不幸、その分かれ目は、ここにある。
▼挑戦すべきは、人に対してではない。
自分自身に対してだ。自分の弱さに対してだ。
そして、自分に勝っていくのだ。
▼焦らずに、自分を磨き、自身の使命に生き抜くのだ。
▼希望は、与えられるものではない。
絶望の底からも、自ら生み出せるものだ。
不屈の努力で、創り出すものだ。
▼過去がどうであろうが、人がどう言おうが、未来へ向かって
朗らかに生き抜くことだ。


流星ひとつ

2022年04月10日 09時04分18秒 | 社会・文化・政治・経済

沢木 耕太郎  (著)

「何もなかった、あたしの頂上には何もなかった」――1979年秋。歌を捨てる決意をした美しき歌姫・藤圭子に、沢木耕太郎がインタヴューを試みた。

その肉声は、聞き手と語り手の「会話」だけで紡がれる、まったく新しいノンフィクションに結実した。だが――。一度は封印された作品が、33年の時を隔てていま、新たによみがえる。

内容(「BOOK」データベースより)

流星のように消え去った藤圭子の「真実」を描く奇跡のノンフィクション。
 

沢木 耕太郎

1947(昭和22)年、東京生れ。横浜国大卒業。

ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。『若き実力者たち』『敗れざる者たち』等を発表した後、1979年、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年には『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。常にノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、1995(平成7)年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表。

2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行。2002年から2004年にかけて、それまでのノンフィクション分野の仕事の集大成『沢木耕太郎ノンフィクション』が刊行され、2005年にはフィクション/ノンフィクションの垣根を超えたとも言うべき登山の極限状態を描いた『凍』を発表、大きな話題を呼んだ。

 

 
藤圭子が命を絶ったニュースを聞いて、思わず買った本。
何故か買った当時は読む気にならず、今更のように読了。

沢木耕太郎の本は若い頃に何冊か読んだが、内容は覚えていない。
著者のデビュー当時はドキュメンタリーの旗手としてジャーナリズムで
もてはやされていた記憶があるが、前面にしゃしゃり出ることもなく、
スキャンダルもなく、本から感じる誠実な人柄を想像していた。
この本は全てが会話で構成された珍しい、というか特殊な本だ。
この手法からも著者の誠実だが、ジャーナリストとして欠かせない
冒険心に富んだ気質を感じる。

それはいいとして、藤圭子だ。
もちろん自分の中のイメージは幼い頃に観ていたテレビだけでつくら
れている。
それと若い頃に読んだ五木寛之の「怨歌」のイメージ、あとは宇多田
ヒカルが出てきたときの母親像か。
読後の率直な感想は見た目とあまりギャップが無さそうだということ。
芯があるけど、脆い感じ。
引退の直接的な原因がのどの手術だったことはこの本で初めて知った。
歌手としては一時代を築いたというよりは、歌謡界で独自の世界を築
いたのではないか。個人的に大ファンというわけではないが歌声には
魅力を感じる。
若い頃に世代を貫く歌を歌っていたので、歳を取ってからの歌を聴き
たいということはない。
まさに「流星」をひとつ見送ったという想いが残った。
 
まず、本は新品同様。全編が藤圭子との対談形式。作家の沢木耕太郎の作品でよいと思った。藤圭子の正直な気持ちが読み取れるが、それでもなおなぞは残る。永遠にわからないだろう!
 
 
 
1970年代を駆け抜けた歌姫、藤圭子の真実が感じられた。
藤圭子がインタビュアー沢木耕太郎に寄せる信頼と、沢木耕太郎が取材対象である藤圭子を包み込む"愛情"があって、出来上がった優れたノンフィクションだと思う。
 
 
 
1ページ、1ページ開くたびに胸が熱くなった。
本を読んでこんな思いをするのは初めてだ。
この本は1979年、引退直前の藤圭子さん(知らない人も居るかも知れないけど、宇多田ヒカルさんのお母さんで、彼女自身もビッグスターね)に沢木耕太郎さんが、ニューオータニのバーでウォッカトニックを飲みながらインタビューするというもの。
驚くべきは、文体が地の文が一切無し(!)、会話だけで進行しているということだ。
それがかえって、薄暗いバーの中で2人が語り合っている、そんな光景がリアルに目に浮かぶ、というか、あたかも藤圭子さんと読み手(つまり私)が語り合う感覚を覚える。
・・・なんて、贅沢な本だろう。
そして、肝心なのはその中身だ。
本の帯にあるように「精神を病んで投身自殺をした女性」とは到底思えない、虚無的な、だけど瑞々しい感性と共に愛らしさを兼ね備えた女性であったことがありありと分かる。
その言葉ひとつひとつに胸が熱くなる。だからメモ。
ーーー
「(芸能界は)海に魚がいるでしょ。その魚に、何十本もの釣り針をつけた糸を流して、一度に釣り上げなくちゃいけないの」
「(沢木耕太郎氏の深夜特急の話を聞いて)でも、やろうと思えば、もうできるんだよね。あたしも。そうなんだ、できるんだ」
「(「夢は夜ひらく」歌詞について)食べて、生きてこられたんだもん、それが暗いはずないもん」
「歌っていうのは、聞いている人に、あれっ、と思わせなくちゃいけないんだ。あれっ、と思わせ、もう一度、と思ってもらわなくてはだめなんだよ」
「そうなんだよ!周りが、周りの風景が見えてきちゃうと、人間はもう駄目なんだよ。トップを走ることができなくなっちゃうんだよ」
「頂上に登ってしまった人は、二つしかその頂上から降りる方法はない。ひとつは転げ落ちる。ひとつは、ほかの頂上に跳び移る」
「自分では当たり前の洋服を着て、当たり前の行動をとっても、人から見ると、汚い服を着て、恥ずかしい行動をとる、というふうに見られる。自分は一生懸命働いて、貧乏なんか当然と思っているのに、人はそう見てはくれないんだ、っていうことにショックだった」(【能戸注】これはかつての僕もそうでした。涙が出そうになった、というか涙が止まらなかった)
「そうなんだよね。芸人って・・・やっぱり、恥ずかしいんだよね・・・」
「(かつて別れた男性を回想して)でも、ふっと、いまでも気になるんだよね。どうしているのかな、うまくやってればいいんだけど、幸せなら嬉しいんだけど、って」
「(引退する藤圭子さんをカルーセル麻紀さんが諭して)あたしたちみたいな貧乏人の生まれが、やめるなんていったら絶対いけないよ、疲れたなら休むと言えばいいの、休みなさい、って真剣な顔で言われたんだ」
藤さん「(前川清さんを評して)男としての格が違うと思うの」沢木さん「他の、格下の男には胸がときめくのに?」
「長く歌っていたからといって、国から勲章をもらって・・・馬鹿馬鹿しいったらありゃしない。〜略〜それだったらどうしてお豆腐屋さんのおじいさんにあげないんだろう」
ーーー
これだけじゃなくて、あまりに心に刺さる言葉が多くて、本の角がなくなりそうになった。
本を高速で読む俺だが、この本だけは大事に大事に言葉を噛みしめながら4日間もかけて読んだ。

この本を読み始めてから、藤圭子さんのYouTubeを探して、色々聴いてみた。大部分の映像は、復帰後の映像だったが、どれも素晴らしい歌唱力で圧倒された。この本の中では、喉の手術をしたことが引退を決意したきっかけだったというが、買ったノドの手術をする前にレコーディングをしたCDと復帰後のYouTubeの映像の声を比べると、俺は復帰後の方が「人間」が全面に出てきていて良い感じがする。

話は脱線したが、宇多田ヒカルさんの自称スーパーファン(?)であることがきっかけで読み始めた本だったが、すっかり藤圭子さんのファンになってしまった。
しかし、もう彼女の生歌を聴くことはできない。
改めて、ご冥福をお祈りしたい。

イラク戦争を知らない君たちへ

2022年04月10日 09時04分18秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 
2021年3月20日のイラク戦争18年のイベント「イラク戦争を知らないキミたちへ」で語られた20人のイラク戦争にまつわる個人的体験とともに、テーマに関連した寄稿文や日本の若者の対談録も加えて書籍化。この戦争を止めなければ! という思いに駆られた学生や社会人、メディアやNGOの関係者、政治家、様々な立場や肩書きの人々です。
 

出版社からのコメント

過ちだらけのイラク戦争を止めようとした市民、政治家、ジャーナリストたちの思いを次世代に

著者について

イギリス政府が2009年に独立調査委員会を立ち上げて検証を開始したのに伴い、日本政府にも検証を行うよう働きかけるために、当時のイラク戦争に反対した市民や、NGO、ジャーナリストらが中心となって結成。著書に『イラク戦争を検証するための20の論点』(2011年、合同出版)。
 

住宅地や病院への爆撃、クラスター爆弾など非人道的兵器の使用、大量の難民発生……。ロシアによるウクライナに対する暴挙には怒りを禁じ得ない。しかし、主語を置き換えれば、19年前に起きたこととほぼ重なる。米国とその同盟国が始めたイラク戦争だ。

かつて反戦運動にかかわった日本のジャーナリストやNGO関係者、学生らが開戦18年に集まり報告会を開催。当時どこで何…

明確な国連安保理決議を経ていない国際法違反の行為であることは、ウクライナ侵攻もイラク戦争も同じ。
違うのは、イラク戦争では日本を含む主要国が米国を支持した点だ。
日本は「復興支援」名目で自衛隊を現地に派遣。
横須賀や沖縄から出発した米軍の戦艦、戦闘機が攻撃に参加した。
命を奪う側にいたという重い事実。
戦争を支持したことへの政府の検証は十分とな言えない。
本書の願いとは逆に愚行は繰り替えされた。
それでも過去の失敗を深く知ることで、「平和な未来をつくるヒント」を探りたい。(毎日新聞)

 
 
イラク戦争を検証するための20の論点 (合同ブックレット) 
 
 
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本の虫、歴史好きライター
5分で分かるイラク戦争!原因、結末を分かりやすく解説!
更新:2021.11.11

2003年にアメリカをはじめとする連合軍がイラクへ武力行使をすることで始まったイラク戦争。開戦の際に多くの疑問が持たれましたが、あなたはどれくらいご存知でしょうか?今だからこそ知っておきたいイラク戦争を関連書籍をご紹介するとともに解説していきます。

 

そもそも、イラク戦争とは?
イラク戦争とは、アメリカを中心とした有志連合軍がイラクへ軍事介入し、当時のサダム=フセイン政権を倒した戦争です。連合軍の攻撃の理由は「イラクが大量破壊兵器を保有している」というものでした。

2003年3月20日、アメリカ軍によるイラクの首都バグダード(バグダッド)への空爆を皮切りに、戦闘がスタート。アメリカ、イギリス両軍による陸上部隊の侵攻や、各所への本格的な空爆がおこなわれました。 

4月9日にバグダードが陥落。アメリカ軍とバグダード市民により当時のイラクの指導者、フセイン像が倒されました。イラク軍は抵抗をやめ、5月1日に当時のアメリカ大統領ブッシュが勝利宣言をしたのです。

フセインはその年の12月に捕捉され、2006年12月に死刑に処されました。

イラク戦争自体は実質50日もありませんでしたが、空爆などによってイラク国内で多くの死傷者が出ています。

日本では、当時の小泉首相がアメリカの支持を表明しました。2004年には非戦闘地域に限り自衛隊を派遣する「イラク特別措置法」が成立し、人道支援のため自衛隊がイラクに出向いています。

イラク戦争が起こった原因とは?
話は1990年にさかのぼります。この年、イラクは石油輸出国である隣国のクウェートに侵攻しました。翌年から国連は多国籍軍を結成してイラクを空爆し、多数の死傷者を出しながらもクウェートにいたイラク軍を敗走に追い込みました。これが湾岸戦争です。

この戦争の停戦協定が結ばれる際、イラクと国連の間には「国際連合安全保障理事会決議687」という決議が交わされます。この決議には「イラク内にある大量破壊兵器をすべて破棄する」という内容が含まれていました。 

ところがその後、査察をおこなおうとすると、イラクは拒否します。国連に参加する国々は「イラクは核ミサイルや兵器を隠し持っているのではないか?」という不信感をもつようになりました。

2001年9月11日にニューヨークで同時多発テロ事件が発生すると、アメリカはテロ事件の首謀組織であるアルカイダとイラク政府がつながっていると考えるようになります。2002年にはブッシュ大統領が「イラン、北朝鮮、そしてイラクは悪の枢軸、テロ支援国家である」という演説をしました。

イラクがまだ兵器を持っているとすれば、野放しにすることは危険です。2003年には新しい国連決議が採択され、あらためてイラクに「大量破壊兵器の情報開示」が求められました。これにフセインはかろうじて応じます。 

査察団はイラク国内に存在すると考えられていた大量破壊兵器を探しますが、そのようなものは一向に見つかりませんでした。それにもかかわらず、イラクを疑うアメリカは「サダム=フセインはテロ組織アルカイダと関係しているとみられる」という大義も付け加え、武力行使でイラク政府に制裁を与えることを決定したのです。

国連安保理のなかでも、フランス、ドイツ、ロシア、中国らは軍事介入に反対しました。合意を得られないまま、アメリカやイギリスなどは有志連合を組み、3月17日にフセイン大統領らの即時国外退去を勧告。これに応じなかったため、3月20日、空爆という先制攻撃に踏み切ったのです。


 イラク戦争の結末
2003年の査察で見つからなかった大量破壊兵器は、その後も存在の証明ができないままでした。この戦争に本当に大義はあったのか?という声も多く、イギリスでは当時のブレア首相が退陣に追い込まれます。

またブッシュの勝利宣言後も、イラク国内ではテロや戦闘が続いていました。死傷者は増え続け、イラク新政府が樹立してもしばらくは治安の悪いままだったのです。アメリカやイギリスの軍は治安維持のためにとどまり、イラク国内での活動を続けました。

2009年、イギリスはイラクの治安が回復傾向にあると判断し、軍を撤退させます。2010年には当時のアメリカ大統領オバマもイラク戦争の終結宣言をして、アメリカ軍の主要戦闘部隊がイラクを去ります。残った部隊も2011年中に撤退を完了することとなりました。

しかしながら、その後のイラクも、決して平和な国になったとは言えない状況です。アメリカ軍撤退後もイスラム教スンニ派とシーア派の宗教対立が激化するなど、内戦状態が続いています。過激派も増え、テロがあちこちで起こるようになりました。

イラク戦争の全貌を知りたい方におすすめ
イラク戦争の始まりから終わりまでを詳細に描き出す渾身のノンフィクション作品です。

アメリカの動きが大変詳しく書かれており、イラク戦争の発端やその終わりまでを知りたいという方におすすめです。


著者はノンフィクションの名手で、多数のベストセラーを輩出しています。徹底した取材をおこない、多数のインタビューや資料からこの戦争の真実を浮かびあがらせることに成功しました。

当時のブッシュ大統領やアメリカ政府高官、ホワイトハウスの職員、CIA、ロシア首相など、多数の人物について言及されています。戦争を始めるという決定が下されるまでのやり取りなどは鬼気迫るものが感じられるでしょう。読みごたえ抜群の一冊です。

その戦争には、あまりにつらい現実があった
イラク戦争に参加した兵士たちが何をし、どのように扱われていたのかを臆することなく記録した一冊です。

戦争をするということはどういうことなのか、大変考えさせられる内容になっています。


著者が密着したのはアメリカ陸軍歩兵連隊。兵士のなかには10代の青年も多くいましたが、彼らがイラクで見たのはまさに地獄といっていいような惨状でした。

相手を殺すということ、殺されるということ、他人を傷つけ、時に自分も痛めつけられるということ……読んでいるうちに苦しくなってくるような場面もあります。

イラク戦争はその開戦理由からしても多くの疑念がありました。政府の考える大義によって派兵された兵士たちの、心と体への負担は想像を絶するものです。読後にはイラク戦争に正当性は、必然性はあったのだろうか?と考えずにはいられなくなるでしょう。 

2015年には同じ著者によってこの本の続編ともいえる『帰還兵はなぜ自殺するのか』が出版されています。

写真で感じるイラク戦争
イラク戦争の様子をよりリアルに感じるためには写真集もおすすめです。

こちらの著者は写真家の高橋邦典。アメリカ軍に従軍し、本当のイラク戦争を伝えるために戦地で撮影を続けました。


絵本で有名なポプラ社から出版されており、日本絵本大賞を受賞している作品です。

絵本ではありますが、写真には戦争でけがをした方や遺体の姿も掲載されています。戦争という目をそむけたくなる現実に真っ向から向き合った写真のひとつひとつが、見るものに多くを語りかけてくるようです。

「戦争は怖い、恐ろしいものだ」「戦争をしてはいけないんだ」ということは、大人はもちろんのこと、子どもだってそのように感じるものです。親子でこの本を読みながら、現実に起きてしまったこの戦いについて考えてみるのはいかがでしょうか。

イラク戦争を勉強する人のための必読書
専門性が高く、内容も600ページ以上の重厚な一冊となっております。イラク戦争を本格的に勉強する人にとっての必読書といえるでしょう。


著者のジョージ・パッカーはアメリカ人ジャーナリスト。イラクからの報道で受賞もしています。

この本の特徴は、圧倒的な取材からしか得ることができない貴重な証言や、そこからつながる多様な論点が書かれていることでしょう。イラク戦争という歴史的事件から見えるひとつひとつの話題について、多様な意見があり、それに対して自分はどのように思うか、ぜひ考えながら読んでいただきたいです。

イラク戦争を深く学びたい方は、ぜひ手に取ってみてください。

近現代の戦争は、今現在の国際情勢や政治に深くかかわっています。イラク戦争の結末も、多くの国の政治体制に影響を与えました。すでに終わった歴史としてだけでなく、今なお影響を残している戦争でもあります。ぜひ今一度、これらの本を読んでみてください。

 

 

 

 


「孤独感ある」30代が最多 コロナで深刻化、自殺の背景にも

2022年04月10日 08時56分28秒 | 新聞を読もう

毎日新聞 2022/4/8 08:30

 新型コロナウイルスの感染拡大で深刻化し、自殺の背景になっているとも指摘される「孤独・孤立」の問題について、政府は8日、初の実態調査結果を公表した。4・5%の人が常に孤独感を抱えているとの結果で、年代別では30代が7・9%、20代が7・7%と高く、多くの若者が孤独感を覚えていることが明らかになった。

 調査結果によると、孤独感が「しばしばある・常にある」と回答したのは、年代別では20~30代に続いて、40代が5・6%、50代は4・9%だった。一方、最も低かったのは70代で1・8%。男女別では男性が4・9%、女性が4・1%だった。