核兵器は、現在、約1万2700発存在する。
保有と維持だけで莫大な経済的コストがかかり、脅威と常に隣り合わせの緊張を強いられている。
このような世界は、持続可能な世界とは対極にあるのだ。
「どれだけ多くの人々が、<社会を良くしたい>との思いで長い歳月と努力を費やそうと、ひとたび核攻撃の応酬が起これば、すべて一瞬にに無に帰してしまう」
「持続可能な世界」の実現を願うならば、「核兵器のない世界」を築く挑戦を成し遂げることが不可欠となるのだ。
そのためには、まず自身が断じて核兵器を許さないと心を固めることだ。
身近な語らいの積み重ねの先に「持続可能な地球の未来」「核兵器のない未来」が築かれる。
核兵器の登場で、人類の「種の滅亡」が初めて現実の問題となった。
しかし、核兵器を生み出したのは、あくまで人間自身であることを再考する必要がある。
つまり、人間自身が変わるほかないのだ。
<生命の尊厳>
<人類の生存の権利>を守るために、人間一人一人の行動が不可欠である。
そこには、「三つの責任」がある。
戦争で犠牲になった人たちへの「過去への責任」
多くの人の生命を脅かす飢餓や貧困、紛争・戦争などを断ち切る「現在への責任」
そして、核戦争や地球環境破壊を起こさない「未来への責任」の三つである。
「目の前の現実が、いつまでも続くと思ってしまうのは、人間の大きな弱点の一つである。
核廃絶ができるかできないかも、人間の意志にかかっていることを忘れてはならない」
核兵器廃絶を成し遂げるまでには、無数の困難があるに違いない。
現実を直視しながらも、崩れない平和への基盤を着実に築いていく―その挑戦にこそ、地球上のすべての生命の尊厳と生存権利を守る道がある。