解説
「気狂いピエロ」「暗くなるまでこの恋を」のジャン=ポール・ベルモンドと「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンというフランスを代表する2大スターが初共演し、話題を集めたギャング映画。
1930年代のマルセイユ。3カ月の刑期を終えて出所したシフレディは、自分の女であるローラをめぐってカペラという男と殴り合いになるが、そのケンカ沙汰をきっかけに2人の間には奇妙な友情が芽生える。ギャングとしての野望を達成するため、シフレディとカペラは街の大物ギャングたちを翻弄し、マルセイユを手中に収めていくが……。
1970年初公開。2014年、44年ぶりにデジタルリマスター版で再上映。
9月22日、午前6時30分から、CSテレビのムービープラスで観た。
これで、観たのは2回目である。
ストーリー
一九三〇年のマルセイユ。ギャングとチャールストンが入り乱れるこの街へ、三ヵ月のケチな刑を終えたシフレディ(アラン・ドロン)が出所して来た。
彼はさっそく、手下と共に自分を密告した男のバーを襲い放火した。
次に、なじみの女“天使のローラ”(カトリーヌ・ルーヴェル)に会いに行った彼は、その女のことでカペラ(ジャン・ポール・ベルモンド)と派手な殴り合いを始めたが、同時にダウンし、その時以来、二人の間には奇妙な友情が成立した。
やがて二人は、ボッカスという親分に認められたが、失敗つづきのありさまであった。
その後、ボッカスの黒幕であるリナルディ弁護士(ミシェル・ブーケ)の頼みで、魚市場を支配しているエスカルゲルに力を貸すようになった。
当時、マルセイユを本当に支配していたのは、マレロとポリという、二大親分であった。
マレロとリナルディとのつながりを知ったシフレディは、大胆な野望を実現化するチャンスを狙っていた。
カペラはこれには反対だったが、ポリの情婦ジネットに惚れたため承知した。そして、二人はポリの資金源である食肉倉庫を襲撃したが失敗し、ひとまず田舎へひきあげ、反撃の日を待った。
二人のまわりに無頼の仲間と武器が集まってきた。
行動が開始された。まずポリの暗殺、つぎにリナルディ、と二人のまわりには、次第に血の匂いがたちこめるようになった。そして、残る大親分マレノ一味との間の、日毎の殺し合いの末、相手の本拠に乗り込んだ二人は、ついにマレノを倒した。
こうしてマルセイユはシフレディとカペラの手中におさまった。シフレディは豪壮な邸宅を立て、パーティを開き、得意の絶頂にいたが、カペラは違っていた。彼は今こそ、このマルセイユを去らねばならないと思っていた。両雄は並び立たないと……。
そして、カペラがカジノを一歩出た時、何者かの銃弾が彼の命を奪っていた。
キャスト
ジャン=ポール・ベルモンドとアラン・ドロンが初めて共演したギャング映画。
1930年代のマルセイユ、二人は一人の女を取り合い、殴り合いの大立ち回りを演じたあと、仲良くなる。
当時のマルセイユは、二人の大物ギャングが牛耳っていたが、のし上がるため・・・。
いい帽子をかぶっている。
とにかく音楽が軽快で楽しい。銃撃戦すら残酷じゃないし、暗黒街の愉快な二人が友情のようなものを育んでいく姿。
途中はだれてきてしまい、最後にまたズドンと重さを味わえる・・・まぁ、どちらかが死ぬんだろうと想像できるけど。めずらしくアラン・ドロンが死なない。
2大スター共演で2倍美味しいかというと、そうは上手くいかない
本作はその見本になってしまった
残念で仕方ない
ドロンもベルモンドもキャラを活かした脚本で、衣装も決まっているのだが、はっきり言ってどっちつかずになってしまった
狙った方向性は分かるのだが、二人の友情物語も中途半端
第一補完関係になるキャラ同士でもない
結局、危うい関係性が全編に漂ってしまう
それが終盤に活きるのは確かだが
狙ったものでは有るまい
脚本も捻りがなく、折角のボルサリーノという洒落た題名も活かすシーンもなく終わってしまう
テーマ音楽は誰しも感じ聞いたことあると思う名曲で、それだけは評価できる
本作は2大スターの格好良さを堪能できれば、それだけで満足すべきなのだろう
ヨーロッパ産ギャング映画。
ギャング映画の見どころはやっぱりカッコイイ男の生き様。それを最大限に引き出してる2人(ビジュアル的に)。
ギャング映画にも関わらず独特なコミカルさがあってとても好印象。序盤の喧嘩シーンもそうだが、個人的にはその前の何度もコートを着たり掛けたりするローラがツボ。
銃撃戦も割と見応えがあって食肉工場での撃ち合いはめちゃめちゃカッコよかった。
ラストシーンのコイントスもかなりベタな演出だけどカッコイイ。バディものの良さを詰め込んだ良作。
題の通り、チンピラだった2人がマルセイユのボスにまで成り上がるが...という話です。
ストーリーが単純な分、とにかくドロン、ベルモンドという、当時の2大スターの格好良さに目がいってしまう。
ドロンの話す時の間のとりかた、細部にまでキザな仕草。
ベルモンドの明るくてチャラいが、女と友の為には体を張る、ただのチャラ男じゃないところ。
そして、2人のスーツとハットの見事な着こなし。
これらをいくつか真似すれば、モテ度がアップするかも(笑)
貧しい出のためか、ボス2人を倒してのしあがりたい、野心の強いロッコ(ドロン)と、ボスになるよりも楽しく暮らせればいい、楽天家のフランソワ(ベルモンド)。
結局女のためにフランソワも行動を供にするのだが、もともとトップに立つ事にこだわりの無いフランソワは、いずれどちらが本物のトップか、ロッコがこだわる事を見抜いてあっさり身を引こうとする。そこが粋だね〜。
そんな2人の危うい友情など無かったかのように、ドロンがナルシスティック全開な続編は、個人的にはあまり好きになれないのです。