ジェイコブス・ラダーのあらすじ
1971年、ベトナム。
兵士として戦争に参加していたジェイコブス・シンガーは、仲間と共に休憩していたが、突如敵兵に襲われる。
そんな中で仲間の数人が痙攣をし始めたり、大声をあげながら独楽のようにくるくる回り始める。
ジャングルへと逃げたジェイコブスだが、腹を刺されて倒れてしまう。
目がさめるとジェイコブスはニューヨークの地下鉄にいた。
昔を夢に見ていたようだ。
その後からジェイコブスは幻覚や悪夢を見るようになる。
同棲中の恋人は優しいが、ジェイコブスが昔の妻と死んだ子供について話すと面白くない顔をする。
ジェイコブスは行きつけの整体院で、仲のいい整体師と話をする。
自分は存在しない?バケモノが恋人をレイプ?
しかし化け物が時々見えるジェイコブスは、戦争のトラウマ治療をしている病院に行くが、いつもの先生は存在しないと言われ、ジェイコブスという患者も居ないと看護師に言われる。しかもその看護師にはツノが生えていた。
訳がわからないジェイコブスは治療室に押し入って、部屋にいた先生から「君が探している先生は爆発事故で死んだ」と聞かされる。
混乱したジェイコブスは恋人に慰められ、パーティへ出かける。
おばさんに手相を見てもらいったジェイコブス。しかしおばさんは「あなたはもう死んでいる」と告げる。
何を言うんだとホールへ戻ると、恋人が化け物にレイプされ殺される。びっくりしたジェイコブスは叫んで倒れる。
ジェイコブスはベトナム戦争のことを夢に見る。目がさめると家に居た。
恋人が連れ戻してくれたが、パーティで恥をかいたと怒っている。
しかしジェイコブスに41度の熱があると知ると、医者に電話して、氷水の風呂にジェイコブスを沈めてしまう。
またも気絶したジェイコブスが目覚めたのは、昔住んでいた家だった。
妻と死んだはずの三男が生きている。
ジェイコブスはお布団をかけてと言う三男を寝かしつけて、妻を抱きしめる。
一番幸せだった時代。
眠りから目が覚めると、氷水に沈むジェイコブス。
幸せが夢だったと知り、彼は涙を流す。
それからジェイコブスは悪魔や化け物調べに没頭して、ついには彼女が化け物に見えてしまい彼女は家を出てしまう。
ジェイコブスは、黒服の男拉致される。
なんとか逃げたジェイコブスは病院に緊急搬送される。
医師たちはジェイコブスをベッドに寝かせたまま、検査室に連れて行こうとするが、進めば進むほど病院が廃れて汚くなっていく。
おまけに精神異常をきたした患者も徘徊しはじめる。
頭を窓に打ち付ける男、人形におっぱいを飲ませる女、そして黒い布を被った下半身のない黒人はガクガクと痙攣している。
血濡れた臓器や、切断された手足をストレッチャーで踏みつけたどり着いた治療室。
医師たちはジェイコブスの頭を固定具で抑えつけ、眉間に注射をする、
その医師たちの中にはなんと恋人が混じっていた…。
気がつけばどこにでもある病院のベットで横になっていた。
そこへ整体師がやって来て、ジェイコブスを病院から連れ出してくれる。
死にたくないと言うジェイコブスに、整体師は言う。
死に怯えながら生きると悪魔に命を奪われる。
でも死を受け入れると悪魔は天使になる。
心の準備をすればいいのだと。
死んだ息子が導く先
アパートに戻ったジェイコブスは、ベトナム戦争の真実を知っているという科学者に会う。なんと軍は人間の興奮を高め戦闘力をあげる薬を開発し、ジェイコブス達の部隊に投与したのだ。
科学者は闘争本能を高める薬ラダーは人間に投与すべきでなかったと悔いる。
なんと薬によりジェイコブス達の部隊は仲間同士で殺し合いをしていたのだ。
敵部隊と思っていたのは仲間だった…。
ジェイコブスは科学者と別れて昔家族と住んでいたアパートに向かう。部屋に入ると誰もいない。一眠りして起きると階段に死んだはずの三男がいた。
三男はジェイコブスの手を引き、階段を上っていく。
大丈夫だよ。
三男の笑顔。ジェイコブスが階段を上がると光が二人を包んでいった。
ジェイコブス・ラダーのラスト(結末)
場面はベトナム戦争へ戻る。
腹を刺されたジェイコブスは野戦病院へ担ぎ込まれたが、間もなく出血多量で死亡する。
そう、すべてはジェイコブスの走馬燈だったのだ。
ジェイコブス・ラダーの感想
文字に起こせば長くなるストーリーです。映画自体は115分ですが、場面場面のテンポが遅いので体感時間は長く感じました。
でも過去と現在と幻想が入り混じっているので流れるスピードは速く感じます。
家族と過ごした過去、ベトナム戦争中の今、恋人との甘い同棲という幻想。
それらすべてがジェイコブスにとっての走馬燈でした。
軍の陰謀?秘密の実験?
そんなのないですよ。夢です、夢。
ジェイコブス・ラダーは陰謀がテーマではないのです。
これはジェイコブス・シンガーという男が、ヤコブの梯子を上る物語です。
死に抗うジェイコブスを取り囲むのは悪魔やバケモノです。
これらは死に対する恐怖が具現化したものではないかと思うのです。
だから理不尽でめちゃくちゃ怖い造詣なのでしょう。
でも最後に、ジェイコブスは息子に手を引かれて階段を上ります。
天へと続くヤコブの梯子を。
ジェイコブスは最後には死を受け入れました。
死んだ息子の存在も大きかったでしょう。
生への執着が悪魔を生み、死を受け入れると静寂が訪れる。
深い映画です。
でも誰だって死ぬのは怖いし、ジェイコブスのような生への執着や葛藤がないと、安らかには死ねないと思うんです。
そんなに簡単に死は受け入れられない。
あの悪魔や怪物に狂わされて、家族を思い出して、苦しんだからこそ、死を受け入れられたのだとそう思います。
感想のまとめ
本作「ジェイコブス・ラダー」は怪物が出てくるし、ぐちゃぐちゃの臓物、切断された手足はあるし、とにかく怖いシーンがいっぱいです。
おどろおどろしくて、不気味で、不愉快で、精神を殺しにきてます。
映画「セブン」「明日、君がいない」も吐きそうでしたが、それ以上に頭と心を揺さぶられました。
タイトルとパッケージに魅かれて鑑賞したのは間違いだったと思う半分、見て良かったとも思います。
人は、一日に一歩ずつ『ジェイコブの階段』を登っている。
キャッチコピーの通り、今この瞬間も私はヤコブの梯子(ジェイコブの階段)を上っています。苦しんだり、楽しんだりしながら。
また死を前にしたときすごく怖くなって、死ぬかもしれないとパニックになって、梯子を上ってきたことを走馬燈で見て、最後には死を受けいれて安らかに死ねたらいいなと思います。
あんな化け物の登場は勘弁してほしいですけどね!
私がびびった怖いシーンベスト3!
びびりでホラー映画が苦手な私なので、終始ひいひい言っていましたが、その中でも特に怖くて目をそらしたシーンを紹介します。
3位 style="font-size: 18px;">レイプシーンがまず無理!苦手なので基本スキップします。
演技だって分かっていても吐きそうになります。
本作でもエグそうだったので飛ばしました・・・。
2位 style="font-size: 18px;">やぱり廃病院での出来事です。怖すぎる廃病院。
クリムゾンピークに出てきそうなバケモノです。目がないというより、皮膚で覆われてます。怖い!!
しかも拘束具で固定されたジェイコブスに注射を打とうとするんです!
異常な雰囲気と相まってすごく怖いシーンになってました。
1位 style="font-size: 18px;">頭に黒い布を被った下半身のない黒人が激しく痙攣するって。なんですかあれ。
怖すぎます。あのシーンだけで精神病みます。
昔見たギリシャが舞台の映画で、男が脳みそを保管する話がありまして、私にとってのトラウマ映画なんですが、あれに近しいものを感じました。
子供の時に見ていたらトラウマになっていたでしょう。
ほんの数秒のシーンなのに瞼に焼き付いて離れません。
他にも怖いシーンは沢山あります。でも不気味なシーンは飛ばしていたので、精神的ダメージは大きくはないです…。小さくもないけど。
臓器、血、化け物が苦手な方は見ちゃだめです!
サイレントヒルと繋がりがある!?
どうやら本作はゲームのサイレントヒルに多大な影響を与えたとか。
ホラーゲームは苦手なので、サイレントヒルはあまりよく知らないのですが、共通点をまとめた面白い記事を見つけたのでご紹介します。
ジェイコブスラダーのリメイク!?
2013~2016年の間でジャイコブスラダーのリメイクが騒がれました。
でも実際のキャストや脚本、撮影がどうなったか、調べても情報がありません。
リメイク始動!といいつつ撮影も何もしていないようなので、たぶん企画倒れになっています。
まあオリジナルを超えるのはどう考えても絶対に無理ですからね。
リメイクはしない方がいいかもしれません。
ジェイコブス・ラダーのキャスト
監督
エイドリアン・ライン
キャスト |
ティム・ロビンス |
|
エリザベス・ペーニャ |
|
ダニー・アイエロ |
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マット・クレイヴン |
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マコーレー・カルキン(ホームアーロンで注目される前のマコーレー・カルキン!可愛い!) |
ジェイコブス・ラダーのまとめ