われわれは不注意と愚かしさから、正しくない道を選んでしなうことが多い。
この現実でいまだかつて誰も歩いたことのない道、心の内なる理想の世界でわれわれが好んで旅する道とそっくり呼応するような道を、われわれは歩きたいと思う。
善い政治の効果は人生をより価値あるものにするが、悪い政治のそれは人生をより価値のないものとする。
今こそ好機を逸すべきではない。
君は現在に生き、あらゆる波に乗って船出し、各瞬間に永遠を見出さねばならない。
ヘンリー・デイビッド・ソロー
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau、1817年7月12日 - 1862年5月6日)は、アメリカ合衆国の作家・思想家・詩人・博物学者。
来歴・人物
マサチューセッツ州コンコード市出身。ハーバード大学卒業[1] 後、家業の鉛筆製造業、教師、測量の仕事などにも従事したが、生涯を通じて定職につかず、やがて学生時代に熟読した『自然』の著者で超絶主義者のラルフ・エマソン[2]らと親交を結んだ。
自費出版した処女作『コンコード川とメリマック川の一週間』(1849年)は、若くしてこの世を去った兄とのボート旅行をまとめた随想で、当時の社会には全く受け入れられなかった。
ウォールデン池畔の森の中に丸太小屋を建て、自給自足の生活を2年2か月間送る。代表作『ウォールデン 森の生活』(1854年)は、その記録をまとめたものであり、その思想は後の時代の詩人や作家に大きな影響を与えた。
28歳、挫折続きだったソローに大きな転機が訪れた。
「自らの内面を開発することだ」とのエマソンの理念を実践に移す。
「ぼくたちは、正直であるというだけでは十分ではない。正直に対処すべき高尚な目的をいだき、それを実行しなければならない」ソロー
「ソローの後世への強い影響力は、彼がその独自の思想と行動によってエマソンを超えて成長したところにある」
どんな偉大な思想家も、また優れた思想・哲学も、それを受け継ぎ、実践する人々がいなければ、やがて歴史の中に埋もれてしまう。
師は、弟子が自身を乗り越えて大きく成長してゆくことを願うものだ。
師の思想を自身の行動によって大きく飛躍させ、発展させてこそ、真の弟子といえる。