みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

ハンドロールピアノという得体の知れない楽器

2011-11-05 21:22:16 | Weblog
この楽器を使ってリハビリをやっていることは前にも触れたが辛抱強くやってきたせいか最近はやっと恵子の指の形もそれなりにサマになってきた。
ほとんど指先に力がないので鍵盤を押すというよりはほとんど触っているだけ。
触るだけで音が出るところに引かれてアマゾンで買った楽器だがけっこう重宝している。
通常の128種類のGM音源が出て来るのだが実際に使うのはピアノの音といくつかの違う音だけ。
本当のピアニストが練習に使えるような代物ではないが、ことリハビリ目的だけに限ればこれ以上の優れモノもないだろう。
最近ではコンパクトなキーボードが1万円以下で買えるのは当たり前になってきているがこのハンドロールピアノの最大の特徴は「巻ける」こと。
楽器が紙のように扱えるなんて!

一方で、今日はある意味記念すべき日でもあった。
いつも通り杖を使った歩行訓練をしている最中に療法士さんがいきなり恵子の杖を取り上げて「杖なしで歩きましょう」と言い出したのだ。
「おいおいホントかよ」と思いつつも期待しながら療法士さんに後ろを捕まれながら杖なしで歩く恵子を見つめる。
何十歩歩いたかわからないがとにかく今日また一つステージを上がったことだけは確かだ。
オムツから解放され、自力でトイレに行き、車椅子から解放される。
だんだん普通の人間に確実に戻っていっている。
家に帰れる日もそう遠くないという希望をはっきり持てた日でもあった。

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