話し方のプロの方に、学校に来ていただくことができた。
子供達の話し方の指導をしてもらうためである。
まずは、子供達の自己紹介と今日の目標について話す活動からのスタートである。
ここですぐにプロの指導が入った。
「自分の名前を、ゆっくりはっきり話して下さい。」
「速いと、聞き手に伝わりません。」
やりなおすと、ゆっくりはっきり言えるようになった。
そこで、プロの方がすかさず褒める。
2人目の子も、同じように早口になってしまい、同じように指導が入る。
できるようになって、褒める。
自己紹介の時間の終わりに、プロは言った。
「自分の名前をきちんと相手に伝わるように話すのは、基本です。」
「名前すら相手に伝わらないようでは、話は伝わりません。」
名前をゆっくりはっきり言えるようになるとともに、話し方もゆっくりはっきりとなってきた。
プロはポイントというか、ツボを押さえて指導するものだなあと感じた。
こういうツボを押さえた指導を目にすると、教育哲学者の森信三先生を思い浮かべる。
森先生は、多くの押さえるべきポイント、ツボを教えて下さっている。
例えば、躾の三原則である。
森先生は、次のように言う。
「躾は3つのことを徹底すれば、あとは軌道に乗りますよ。」
1 朝のあいさつをする子に。
2 「ハイ」とはっきり返事のできる子に。
3 席を立ったら必ずイスを入れ、ハキモノを脱いだら必ずそろえる子に。
確かに、この3つができるようになると、他の躾も身に付いていく。
学校でも家庭でも経験してきた。
プロは、押さえるべきポイントがよく分かっている。