仕事の道楽化

 仕事が道楽になることを目指しています。

日記にいちいち朱書きはしない

2018年06月12日 | 国語
 児童が書いてきた日記に、一所懸命朱書きをしている学級担任を、以前見たことがある。

 自分も初任の頃はしていたような気がする。

 句読点の付け方、カギ括弧の付け方、表記の間違いの修正・・・いろいろある。

 チェックして、正しい書き方を朱で書き直すのである。

 「正しい書き方ができるようになってほしい」という願いのもとに行っている。

 その願いは、素晴らしい。



 ただ、自分は、朱書きで訂正はしない。

 児童が書いた日記は、朱書きをするなら、よいところを褒めるだけである。訂正をしていると時間がかかって仕方がない。

 その分の時間は、教材研究をし、次の授業に備えたい。



 なぜ朱書きでの訂正をしないかというと、ほとんど効果がないからである。

 書き終えて満足した文に朱書きをされても、児童は見ない。

 また同じ間違いをしてくる。

 

 ただ、正しい表現ができるように指導はしたい。

 では、どうするか・・・・・・・。

 

 自分は、児童の日記を読み、気になる点があったら、自分のノートにメモをしていた。

 例えば、

・ 一文が長い。だから、主語と述語が対応していない。・・・「句点一つが500円」という指導をしよう。

・ 出来事をだらだら書くだけで、話の中心が分からない。・・・ラベリングとナンバリングの指導をしよう。

・ 会話文や「音」が全く出てこないので、その場の様子が生き生きと伝わってこない。

・ 改行を一つもしていない。話が変わったら、行を変えるという指導が必要。
 
等々である。

 

 国語の授業の中で10分間ほど時間をとる。


1 その日の指導する内容がうまく表できている友達の作文を読む。

 (会話文や擬音語、擬態語で生き生きと表現している作文を読んで聴かせる。)


2 どこが優れているかを解説する。

 「会話文」「擬音語」「擬態語」という学習用語も教える。)


3 うまくできていない例文を渡し、児童に添削させる。

 (会話文も擬音語も全く使っていない文章を読ませる。そのあと、会話文などを書き込ませる。)



4 近くの人と見せ合う。また、全体で望ましい表現になっている文を発表させる。


5 その日の日記では、その日の学習内容が反映された日記を書くことを告げる。




6 翌日は、優れた表現になっている日記を紹介する。また、前日の学習内容が反映されていない日記は、書き直させる。


 このような指導を時々すれば、いちいち朱書きをするよりも、はるかに児童の作文力は高まる。



 
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食事の作法(小説「剣客商売」に学ぶ)

2018年06月06日 | 修養
 飯も汁の実も、嚙んで噛んで、強いていえばほとんど唾液化するまでに噛みつぶし、腹へおさめる大治郎の食事は非常に長くかかった。
 
 つまらぬように見えても、大治郎にとっては、これが剣士としての心得であり、幼少の頃から父・小兵衛に仕つけられた修行の第一歩だったといってよい。

 (中略)

 食事を終わり、ゆっくりと一杯の白湯をのみ終えた大治郎が、仰向けに、静かに寝た。これも父から仕つけられたことなのである。約半刻(一時間)、そのまま目を閉じ、静臥するのだ。

 これは日常の食事に際してのことなのだが、別に、ごく短い時間のうちに食事をとる仕様も大治郎は身につけている。




 何回も読み返している、「剣客商売」の第1巻 68ページの描写である。

 剣客商売シリーズには、食事のシーンが頻繁に出てくる。どれもうまそうである。

 この描写は、珍しく食事をとるときの剣士としての作法が書かれている。


 よく噛んでゆっくり食事をする。食事をした後は、休む。

 確かにこの食事の取り方だと、体に負担はあまりかからないだろう。


 教育現場で学級担任を長くしてきたせいか、なかなか早食いの習慣が直らない。

 最近は、意識して何回も咀嚼するように心がけている。
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