「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2016・06・18

2016-06-18 06:40:00 | Weblog


  今日の「お気に入り」は、結城昌治(ゆうき・しょうじ)さん(1927-1996)の「死もまた愉し」から。


  「十七、八年前ですから、私が五十になるかならないかのころです。ある人の年譜を調べ

  ているうちに、いろいろな人の享年が気になってしようがない。思いつくままに調べはじ

  めたら、あれもこれもで際限なく広がってしまいましたが、意外な発見もあって、けっこ

  う楽しみました。メモが残っているので、主だった人を紹介します。

   二十代では樋口一葉、立原道造が二十四、北村透谷二十五、石川啄木二十六、吉田松

  陰、小林多喜二が二十九。三十代に入って、三十一が中原中也とシューベルト、坂本龍馬

  三十二、近藤勇三十四。正岡子規三十五―――よく知られている子規の写真を見ると、病身

  のせいか六十か七十くらいに見えます。子規がいなかったら、現在の俳句があるかどうか

  疑問です。三十五までに、それだけの業績を残したというのは脱帽するしかありません。

  芥川龍之介は自殺ですが、やはり三十五歳です。尾崎紅葉、モーツァルト、モジリアニも

  三十五。ロートレック、マリリン・モンロー三十六。太宰治三十八、ショパン、キューバ

  革命のチェ・ゲバラ三十九。

   四十歳にはポー、カフカ。」







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする