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いつのまにかベジタリアンからのカレーのお話。 by原崎道彦
ベジタリアンのようなことをしていてこまるのが、遠くにでかけたときのごはんです。
ベジタリアン・メニューのあるお店はほとんどありません。
そんなときに僕が頼りにするのが、インド人やネパール人が経営しているカレーのお店です。
ちなみにインドでは人口の40パーセントがベジタリアン。
たぶん、インドでは、どのお店に入っても、ベジタリアン・メニューがあるのだと思います。
ベジタリアン・メニューはインド料理の一部分なのです。
というわけで、遠くにでかけるたびに、そうしたお店でごはんを食べることになり、
やがて、本場のカレー料理がどんなものかが少しずつわかってきました。
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まず、カレー・パウダーがぜんぜんちがうということです。
カレー・パウダーを自分でブレンドするようになるとわかることですが、
ニホンのカレー・パウダーは、まず、たいていチリペパーがききすぎです。
辛いのがカレーであり、辛ければ辛いほどカレーっぽくなると誤解しているのかも。
スパイシーなカレーにしようとしてカレー・パウダーをどさっと入れると、辛くて食べられなくなります。
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もうひとつは、クミンがぜんぜんきいていなくて、
ターメリックがメインになっているということです。
あとでわかったのですが、インド人のカレーのお店で
私をうっとりさせたのは、クミンの香りでした。
ちなみに、私が自分でカレー・パウダーをブレンドするときには、
コリンアンダー・パウダーが4、
クミン・パウダーが2、
ターメリック・パウダーが1、
その他が1という感じの割合です。
カレー・パウダーを自分でブレンドしようとすると、
少なくても5、6種類のスパイスをそろえなくてはいけないし、
それなりにお金もかかるということがあり、
スパイスのビギナーにはちょっとしきいが高いです。
そういうときは、まず、カレー・パウダーのほかに
クミン・パーダーを買って、ちょっと加えてみください。
さらにもうひとびん買うとしたら、コリアンダー・パウダー。
こちらはどばっと加えてもらって大丈夫です。
ともかく、別世界がひろがります。
スパイシーとはこのことだったか、と思っていただけるはずです。
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さて、ベジタリン・カレーをつくるさいのコツです。
まず、玉ねぎをじっくり炒めることです。
最低でも20分。
できたら40分。
それから、トマトをつかうことです。
トマトに含まれるアミノ酸がコクをだしてくれます。
そして、豆をつかうことです。
ひよこ豆とかレンズ豆とか。
ひよこ豆だったら下ゆでして。
そのほかにどんな野菜をいれるかは、そのときそのときで適当に。
ベジタリアン・カレーの味の決めかたですが、
「オイリー+ソルティー+スパイシー」のバランスです。
僕がインド人のカレー・ショップをまわっているうちに気がついたことです。
そのことに気づいてから、
インド人のお店のカレーと同じおいしさのカレーがお家でできるようになりました。
カレーのおいしさとは、このバランスのことかもしれない、と思っています。
※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知せ』2019年9月号より転載しました。