”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

穴馬(あなま)かぶら

2016-12-13 09:52:28 | 在来種 伝統野菜

福井県大野市和泉地区で作られている

穴馬(あなま)かぶらを送っていただきました。

 

   

上部が明るい紫色、下部が白という美しいかぶです。

    

カットしてみると、中は真っ白ですね。

 

 

   

この穴馬かぶらが作られる和泉地区は

標高もある山間部の豪雪地帯ですが、

かぶの栽培に適した条件がそろっていると言われています。

 

その条件とは、

 ●寒暖の差が大きい。→ 苦みが取れて甘味が増す。

 ●砂壌土(砂土よりも粘土が多く、12.5~25%の粘土を含む)で、

  水はけが良い。

 

   

早速、いただいてみましょう。

私は、ひとつを縦に厚めにスライスし、オリーブオイルで焼き、

まいたけや芽キャベツ、にんじんとマリネにしてみました。

 

 

皮のゴツゴツした部分を剥いている時も、

カットした断面を見た時も、硬そうな印象があったのですが、

そんなことは全くありませんでした。

 

肉質はやわらかで、きめが細かく、甘味があります。

焼いた時の歯ごたえと香ばしさが加わると、

もう箸が止まりません。 (#^.^#)

   

さて、この穴馬かぶら。

名前が付いたのは、昭和59年頃だと言われています。

 

和泉地区では、昔から各家庭でかぶを栽培し、

冬の保存食として漬物を作っていました。

そのおいしさに定評はあったものの、

作られるかぶの品質は微妙に違っていました。

 

家庭で食べるだけならそれでもかまわないのですが、

それを「穴馬かぶら」と命名し、特産化するためには、

品質を統一し、栽培面積を拡大し、さらに販路の確保など、

並々ならぬご苦労があったことと思います。

 

穴馬かぶらの特徴に、「ほのかな苦み」と書かれたものがありましたが、

苦味は全く感じませんでした。

霜が降り、あられが降り始めると、

穴馬かぶらは苦みが消え、甘味を増すそうです。

 

福井はもう、寒さが厳しいのでしょうね。

 

コメント
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