こちらは、福井県美山町河内(こうち)集落で栽培されている
河内(こうち)赤かぶです。
皮が濃い赤で、平たい形をしています。
大きなものをひとつ、小さめのものを2ついただいたのですが、
カットしてみると
小さめのものは、中に赤い色が入っていますが、
大きなものは白い色をしていました。
皮を剥いてカットしたものを、塩、昆布茶、レモン汁、オリーブオイルで和え、
乾燥バジルを香り付けに加えてみました。
しばらく置くと、バジルがしな~っとやわらかくなり、
簡単な浅漬けが出来上がります。
歯ごたえが抜群です。
同じかぶなのに、白い方が肉質がなめらかで、
赤い方が粗削りな感じがします。
一口食べて、「この食感、何かに似ている。」と・・・。
そう、浅漬けなのに干したたくあんのような食感なのです。
肉質は硬く、水分は少なめ。
だからこそ、浅漬けでもしっかり味が浸みこむのでしょう。
この河内赤かぶは、焼畑で栽培されます。
7月下旬に野刈りし、8月上旬に野焼きをして種を蒔きます。
焼畑栽培では、肥料も農薬も使いません。
硬めの肉質、ほろ苦さ、甘味の中に見え隠れする辛味、
この野趣あふれる味は、焼畑育ちの賜物でしょう。
過疎、高齢化が進む中、
この伝統的な焼畑栽培を維持、存続していくことの大変さを思うと、
ただ「素朴でおいしい。」とばかりも言っていられないような気持ちになります。