べんり菜というお野菜をいただきました。
種が売られているのは見たことがありますが、
たぶん、食べるのは初めてではないかと思います。
小松菜と青梗菜を掛け合わせた品種。
色は濃い緑色なのに、クセが全くなく、とっても使いやすいのです。
さっと茹でて、ドレッシングで和えても、
生姜と炒めて、ラーメンの具にしても、
どんなお料理に使っても違和感はないと思います。
さて、このべんり菜。
小松菜と青梗菜を掛け合わせた品種…と書きましたが、
そもそも、今の小松菜は、茎が折れやすいという欠点を補うために、
青梗菜と掛け合わせて茎が丈夫になるように品種改良されています。
小松菜に青梗菜の「血」を少し入れたものが今の小松菜だとすると、
小松菜に青梗菜の「血」をたくさん入れたものがべんり菜
ということになります。
で、調べてみると、
このべんり菜だけではなく、
小松菜と他のアブラナ科の野菜を掛け合わせた野菜が出てきます。
例えば、
・小松菜×キャベツ=千宝菜(せんぽうさい)
・小松菜×ターサイ=みこま菜
正直、改良されたものを見ても、見た目は同じ菜っ葉類で
小松菜と大きな違いはないように思えるのですが、
なぜ、小松菜って新品種の親に使われるのでしょうか?
気になると、調べずにいられないのが困ったところです。
種苗会社の方に電話で問い合わせてみました。
【なぜ、小松菜は品種改良によく使われるのですか?】
1.アブラナ科の野菜は、畑に植えていても簡単に交配してしまうので
品種改良に使われやすい。
2.小松菜に他の野菜を掛け合わせることで、小松菜の欠点を改良するため。
比較的くせがないと言われる小松菜ですが、
それでも味に青臭さがあると言われたり、
炒め物にした時に、味が落ちるなどの問題を抱えているそうです。
3.直売所の棚に並べた時に差別化をはかるため。
見た目が「小松菜」と変わりなくても「〇〇菜」と表記されていると
消費者の気を引くことができます。
4.家庭菜園初心者でも、失敗なくできる。
例えば、小松菜と青梗菜を掛け合わせたべんり菜は、
密植すれば、葉が細くなって小松菜に近い形状に育ち、
間を空けて植えれば、葉が大きくなって青梗菜に近い形状に育ちます。
どちらに育っても、おいしく食べることができるのです。
こうやって見てみると、
種苗会社にとっても、生産者にとっても、消費者にとっても、
一番便利で役に立っているのは、小松菜だと思えてきます。
突然の私の質問に丁寧に答えてくださった種苗会社の方、
本当にありがとうございました。(*^-^*)