覇道の槍
2020-03-14 | 本
今日は雨。
少し寒い。
首都圏では雪とのこと。
しかも桜が咲いたと。
なんか変な春模様。
さて読了いたしました。
天野純希 『覇道の槍』。
NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』で、現在室町幕府崩壊に向けて物語が進んでいますが、前々からこの室町時代末期〜戦国時代初期というのはすごく興味があって、北条早雲を始めとした関東圏の動きは色んな歴史小説を読みましたが、肝心の京の動きはあまり読んだことなくて、この本を楽しみに読みました。
主人公は三好元長。
もう「三好」の名前が出た時点で、ワタシの中では「悪党」という単純なイメージがあって、それは多分時代の寵児となった織田信長を是としたワタシの歴史観なんでしょう。
しかし時代はそんな簡単な勧善懲悪とは異なるものです。
陰謀と調略の数々。
実際に戦国時代はこれらが中心だったのでしょう。
これらが叶わぬ場合に武力が発動されて、誰も好き好んで戦を好むとは思えない。
元長が阿波の国から京の中心へと出ていく。
そこには善人の行いとはかけ離れたことも多々あります。
しかしそれらには人間の強い思いがあり、それを実現させるためにはある一面からは「悪」と見られることも行わなければならない。
元長も一緒に立ち上がった面々と時にぶつかり騙し合っていく。
何が正義なのか。
時代に残ったものが正義を謳っているだけで、事実は歴史に埋もれていきます。
こうやって小説で当時の思いに耽ってみるのが、ワタシは好きです。
この本の筋書きもある方向から見た一面。
また違う主人公から見た物語は変わるんでしょう。
「麒麟がくる」の少し前の時代の話。
大河を見る上で面白くなる話を読むことができました。
著者の天野純希は 『破天の剣』に続いて2作目かな
著者は若いですが、なかなか面白い話を書く。
続けて彼の著書を読んでいます。