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「海原の沖辺に灯し漁(いざ)る火は明かして灯せ大和島見む(歌八首 5/8 #15.3648)」
「海原の沖辺に灯る漁り火は明るく照せ大和島見ん()」
「鴨じもの浮寝をすれば蜷(みな)の腸(わた)か黒き髪に露そ置きにける(歌八首 6/8 #15.3649)」
「鴨のごと浮き寝をすれば貝の腸黒い髪にと露がつきます()」
「久かたの天照る月は見つれども吾(あ)が思(も)ふ妹に逢はぬ頃かも(歌八首 7/8 #15.3650)」
「久方の空で照る月見ていてもわが思う妻に逢えぬこの頃()」
「ぬば玉の夜渡る月は早も出でぬかも海原の八十島の上ゆ妹があたり見む(歌八首 8/8 #15.3651 旋頭歌なり。)」
「真っ黒な夜渡る月早くでないかな 海原の島々の上に妻の家見よう()」