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「秋風は日に異ケに吹きぬ我妹子はいつかと我を斎ひ待つらむ(海辺にて月を望ミてよめる歌九首 1/9 #15.3659大使の第二男オトムスコ)」
「秋風は日に強く吹くわが妻は身を清くしていつも待つのか()」
「神さぶる荒津の崎に寄する波間なくや妹に恋ひ渡りなむ(歌九首 1/9 #15.3660,右の一首は、土師稲足ハニシノイナタリ)」
「神々し荒津の崎に寄せる波絶えることなく妻に恋する()」
「風の共(むた)寄せ来る波にいざりする海人処女らが裳の裾濡れぬ(歌九首 1/9 #15.3661一ニ云ク、海人のをとめが裳の裾濡れぬ。)」
「風ととも寄せくる波に魚獲る海女乙女らが裳裾を濡らす()」