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「卯の花を腐クタす長雨の始水ミヅハナに寄る木糞コツミなす寄らむ子もがも(霖雨ナガメ晴るる日、よめる歌一首 #19.4217)」
「卯の花を腐らす長雨で水先に寄って汚ない寄る子のありや()」
「鮪シビ突くと海人の灯せる漁火の秀ホにか出ださむ吾アが下思モひを(漁夫アマの火光イザリヒを見る歌一首 #19.4218 右の二首は、五月。)」
「鮪シビ獲ると海人の漁火目立つよう人目につくかわが下ごころ()」
「我が屋戸の萩咲きにけり秋風の吹かむを待たばいと遠みかも(#19.4219 右の一首は、六月十五日、芽子早花ワサハギを見てよめる)」「わが庭の萩咲きました秋風が吹くのを待てば遠いからかな()」