9/12
「六代目尾上菊五郎はふすま絵を自ら書くもできばえいかに()」
「ふすま絵は波を描けるが『いい刺身』言われて絵描き大いにくさる()」
「絵画には贋作多いも本物のゴッホの絵画ノルウェーででる(『モンマジュールの夕暮れ』で、ノルウェーに住む収集家宅の屋根裏に眠っていた)」
「絵にしゃべる口があるなら見栄切らん『知らざァ言って聞かせやしょう』と(六代目の当たり役の弁天小僧のセリフ)」
9/12
「降る雪を腰になづみて参ゐり来し験シルシもあるか年の初めに(#19.4230)」
「降る雪に腰まで浸かりやって来たいいことあるかな年の始めに()」
「家持が降る雪の中宴会に繩麻呂の家いくときの歌(右の一首は、三日、介内藏忌寸繩麻呂が館に会集ツドひて宴楽ウタゲせる時、大伴宿禰家持が作める。)」
「撫子は秋咲くものを君が家の雪の巌に咲きにけるかも(#19.4231)」
「撫子は秋に咲くけど君の家は雪の壁にと咲いていますね()」
「万葉の時代も雪で遊べるか巌に撫子配したるらし(その時、積もれる雪重なる巌イハホの趣を彫エり成し、奇巧タクミに草樹の花を綵イロドり発ヒラく。此に属ツきて掾マツリゴトヒト久米朝臣廣繩がよめる歌一首 )」
「雪の島巌に殖タてる撫子は千世に咲かぬか君が挿頭カザシに(遊行女婦ウカレメ蒲生娘子ガマフノイラツメが歌一首 #19.4232)」
「雪の庭の巌に植えた撫子は千世に咲いてて君の挿頭カザシに()」
「打ち羽振ハブき鶏カケは鳴くともかくばかり降り敷く雪に君いまさめやも(#19.4233)」
「羽振りつつ鶏は鳴くけどこのように降り積もる中帰らないよね()」
「この宴皆飲みあかしコケコッコそこで1席縄麻呂が言う(ここに、諸人モロヒト酒酣タケナハにして、更深ヨフケ鶏トリ鳴く。此に因りて主人内藏伊美吉ウチクライミキキ縄麻呂がよめる歌一首)」