2016/11/23
「さんざめく小鳥の声のおさまればピラカンサの実のひとつだになき(鳥海明子)」
「和名では常磐山櫨子トキワサンザシというらしい鳥喜んでついばむという(花言葉:慈悲)」
「本日は新嘗祭で獲れた米神に供えて感謝する日と(『新嘗祭の新米』)」
「この日まで獲れたる米も食べないで物忌みをする新嘗の日まで
(戦後には勤労感謝の日となったが、昔は新嘗祭だった。冬至前後で下弦の月が出る日に)」
2016/11/22
「凛々とリンドウは咲きいたりけり大人になろうとかの日想いき(鳥海明子)」
「紫の筒状の花開きおり夕方雨に花は閉じたり(花言葉:正義)」
「りんだうや枯葉がちなる花咲きぬ(蕪村)」
「竜胆や朝はきらめく白馬岳(秋桜子)」
「手に巻きてつるりんどうの花一つ(年尾)」
「冬に入り二番目の節気『小雪』なりほのほのと雪降る頃という(『虹蔵れて見えず』)」
「寒くなり虹出ることが希になりたまに出る虹季語になれると()」
「冬の虹消えぬ強さもやさしさも(中村草田男)」
2016/11/21
「山道をにぎやかに行く少女らはリュウノウギクを帽子に挿せり(鳥海明子)」
「万葉の百代草モモヨグサとは野菊かと遠江の防人歌いしという
(静岡によく咲いている。花言葉:無情の美)」
「この道にふつと消えたき野菊かな(矢島渚男)」
「野菊とは雨にも負けず何もせず(和田吾朗)」
「はればれとたとへば野菊濃きごとく(高安風生)」
「冬のくえ刺身や鍋やあら煮など美味とはいえど高くて食えん(『くえ鍋』)」
「天然のくえは中々獲れなくて養殖施設増えているらし
(白身は淡泊で旨味あり、皮はぷるぷるのゼラチン質、出汁の旨味で雑炊に)」
2016/11/20
「イワレンゲのはな見に来よという人を訪ねゆく日の空のたかさよ()」
「蓮華とは葉が特徴もイワレンゲ岩の上とか藁屋根に咲く(花言葉:よき家庭を築く)」
「滝の末めぐりて濡らす石蓮華(稚草)」
「仏法の山に咲きけり岩蓮華(白日子)」
「小学の三年生頃遊びたり押しくらまんじゅう馬乗りなどを
(『押しくらまんじゅう』)」
「知っとるけ押しくらまんじゅうの歌詞等を3節以降忘れていたり
(オシクラマンジュウオサレテナクナアンマリオストアンコガデルゾアンコガデタラツマンデタベロ)」
2016/11/19
「老衰で藤原てい氏逝くという母に重なる特別な人
(享年98才、80才以降の晩年は痴呆も進み施設で暮らしていたらしい。
すでに亡くなっていると思っていたので吃驚だった)」
「ていさんはわが母に似て引き揚げし厳しかるらむ子を三人連れ
(わが家は、兄を連れていたが亡くなった)」
「ていさんの書きし体験その当時ミリオンセラーで運命拓く
(『流れる星は生きている』後、自伝として『旅路』も書いた)」
「一介の気象官なるその夫・新田次郎は妻から生れる
(次男の正彦氏は、数学者で元・大学教授だったが、今は人気のエッセイストに)」
「引き揚げという事実などあるまじき不条理なりし当事者にては()」
「今もまだ中・露と米のいざこざは人間性の否定に通ず
(イスラム難民の発生やテロによる犠牲など)」