がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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テンペスト行脚~首里城/西のアザナ~

2009年09月05日 | ・『テンペスト』行脚

■西のアザナ■

那覇港を埋め尽くすように碇泊する大艦隊は王宮からもはっきりと肉眼で捉えられた。

「おいおい今度は大艦隊だぞ」

多嘉良が物見台の西のアザナから那覇港を見下ろしている。

黒い船団に埋め尽くされた那覇港は無数の橋が架かっているように見えた。
すぐに多嘉良の袖が引っ張られ、交代しろと次々と役人たちが這い上がってくる。

列強の船には慣れている王府だが、これだけの大艦隊の入港は前代未聞だ。
那覇港の収容能力を遥かに超えている。

 

「一体今度は何を要求するつもりだ?」

「大丈夫。評定所筆者たちが今度も上手くやってくれるさ。
おい、喜舎場親方だ。道を開けろ」

噂を聞きつけ西のアザナにやってきた朝薫は、硬い表情をしていた。

 

―――寧温。君の言う通り、王宮が狙われたよ。

「喜舎場親方、なに暗い顔してるんですか。
いつも通りのらりくらりとかわしてやればいいじゃないですか。
がはははは」

多嘉良も他の役人たちもいつもの列強訪問だと高をくくっている。

だが、朝薫にはこれが通常の異国船入港でないことはわかっていた。

「評定所筆者と表十五人衆をすぐに全員招集しろ。
非番の者も呼び出すんだ!」

 

「テンペスト(下)」より

 

    

はい、幕末の重要なターニングポイント、ペリーによる黒船来航。

黒船艦隊が浦賀湾に現れる前に、琉球に来ている…というのは有名な史実。

その黒船来琉の場面からお届けしました~。


さて、西のアザナは展望台みたいになっています。

那覇の町並みが一望でき、その向こうの海と、慶良間諸島、
視線を右にやるとなんとまぁ読谷村の残波岬まで見えます

沖縄はどこにいても海が見えます。


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テンペスト行脚~琉球菓子、サンピン茶~

2009年09月05日 | ・『テンペスト』行脚

■琉球菓子(花ぼうる)■ ※写真左端

「寧温、そなたの留まることを知らぬ辣腕はきいておるぞ。
ついに馬親方に討たれてしまったようだな。
だからあれほど王宮には気をつけをと言い聞かせたはずだったのに。
わはははは」

「失礼な。ちょっと油断しただけです」

恩師に馬鹿にされて頭にきた寧温は茶菓子の花ぼうるにかぶりついた。

 

『テンペスト(上)』より

 

 

■琉球菓子(薫餅(くんぺん))■ ※写真右奥下

「真鶴様に申し上げます。
王妃様は昨日の茶会で見立てた器を大変気に入っておられました。
お礼に菓子を取らせるとのことです

「王妃様より薫餅を賜りました」

琉球菓子の代表格である薫餅は、小麦粉と卵を使った
スコーンのような軽い口当たりだ。
中に胡麻とピーナツを和えた餡が入っていて、
ピーナツの食感と香りがアクセントになっている高級菓子である。

 

『テンペスト(下)』より

 

 

■琉球菓子(ちんすこう)■ ※写真右奥上

「寧温、おまえは今何をすべきだと思うか?」

「麻先生、私は科試を突破するために学問を究めることだと信じております」

「では寧温、何のために学問を極めるのだ?」

「それは自分を磨くためでございます」

「寧温は落第。茶菓子を食べてはならぬ」

そう言って寧温の膝元にあった菓子皿のちんすこうを取って食べた。

 

『テンペスト(上)』より

 

 

■琉球菓子(ちいるんこう)■ ※写真右下

「真鶴さん、この大鶏餃(タイチーチャオ)は絶品よ。一口でも食べてちょうだい」

「今は油っこいお菓子はちょっと…」

「じゃあ蒸し菓子のちいるんこうだったら食べられるわよね?」

真鶴は硯箱を肌身離さず抱えたまま微笑んだだけだった。

「もう、私のお菓子には泥なんか入ってないわよ!」

「真美那さんも泥薫餅を食べたんですか?」

「誰が食べるものですか。思戸に最初に毒味させてやったわよ」

 

『テンペスト(上)』より

 

■さんぴん茶■ ※写真手前

思戸への報復の準備はできている。
側室からのお礼ということで思戸にも●入りサンピン茶を飲んでもらう。

思戸はそれを平然と飲み干すだろう。

そして決して恭順しないという側室の意志を思い知る。

 

『テンペスト(下)』より

もうちょっといい引用箇所…あればよかったんですが…(苦笑)
ここしか頭に浮かばなかったワタシ…。

鎖之間(さすのま)では琉球菓子を味わえる体験施設になっています。

4種類の琉球菓子と、サンピン茶がセットになって300円。

琉球菓子についてのパンフレットももらえて、
食べながらスタッフの方の解説(5分弱くらい)も聞けます。

なのでここの鎖之間は300円を払わないと入れません(笑)

今日、初体験してきました!

300円なら安いですね!

500円とかでも良さそうなくらいだよ。
(ちなみにサンピン茶はおかわりできます)

琉球菓子が4種っていうのがいいです。
(小さくカットはされているけれど、それでいい)

 

予約もOKみたいなので大人数のときは問い合わせてみることをオススメします☆

 

そうそう、テンペスト、特に(下)ではお菓子作りが趣味の真美那さんの登場で
琉球菓子の場面がよく出てきます。

中でも“お嬢様爆弾”の千寿糕(せんじゅこう)。

この千寿糕もリストにありましたが今日のメニューではありませんでした。
(残念!食べたことないの~)

また次の機会に食べてみようと思います♪

 

なお、ちいるんこうに関しては過去の記事にもあります。 →コチラ。


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9月、沖縄。

2009年09月05日 | ・琉球/沖縄、徒然日記

朝、ちらっと雨が降ったようですが、
その後は晴れ、時々曇り。

暑かったです…。

でも風もあったし、今日は滝のような汗のかき方とはちょっと違ったので
ああ、一応沖縄でも夏は過ぎようとしているんだ、
と思いました。

日差しも、殺人的…よりは多少はマシだったしね。今日は。

さて、以前十分に回れなかった首里城とその周辺、
そして福州園に行ってきました。

 

ということは…

テンペスト行脚、再開(笑)

も~、しばらく続きそうなのでテンペスト関連の記事、
カテゴリ分けしましたよ
(『テンペストを読ム』)

 

写真と、その関連する文章で
少しでもテンペストの世界、そして
首里城の世界、琉球王朝の世界を発信できればと思います。

どうぞお付き合いくださいませ~


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首里城年間パス

2009年09月05日 | ・琉球/沖縄、徒然日記

首里城の年間パスポートをついに作っちゃいました

一年で二回これば元が取れる計算です。

これからも、秋と新年にある首里城イベントには確実に行くので
作っておいたほうがお得かなぁ~と。

今日はまたまた首里城(前回まわれなかったエリアを中心に)、
玉陵、そして福州園にも行ってきました!

で、本屋で『沖縄大好き検定』関連の本を買って、
ファミレスで腹ごしらえ休憩したところです

 

我ながらよくやるわぁ~


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いってきます

2009年09月05日 | ・徒然日記

現在、自宅周辺は若干曇ってるけど…

予報では昼間は晴れ、ということなので
カメラ片手にお出かけしてきます

 

いってきまーす


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