こんな本を読みました。
「琉球御嶽伝説 島人が語り継ぐスピリチュアルファンタジー」
(きぐちさとこ著/ソニーマガジンズ/2008)
神話的な話かと思いきや、
百十踏揚の話と史跡紹介だった。
本のタイトルと中身、合ってないような?
(ま、ワタシ的には結果オーライになったんだけど)
「首里森御嶽にまつわる姫の物語」
最初のページから度肝抜かれました。
↓
姫、 そんなところにいたんですか。
ねえ、首里はどっち?
危ないから下りましょう。
だって、今日、金丸おじちゃまは首里に行ってしまうんでしょ。
私も行くってお父様にお願いしたけど、ダメって言うんだもん。
ねぇ、金丸おじちゃま、首里なんかに行かなくてもいいじゃない。
ずっと越来にいてよ。
わがままを言っちゃいけません。
姫のお父様がすすめてくださって、首里へ行けることになったのですから。
姫、降りてきてください。
木に登った姫など聞いたことがない。
やれやれ。
おじちゃま、私、大きくなったらおじちゃまのお嫁さんになる。
あはは、嬉しいことを言ってくださる。
本当よ。絶対おじちゃまのお嫁さんになるから。
(19-)
・・・あれっ!?(笑)
読んでみて思ったのは、
うーーーーん……女子っぽい(笑)
でした(笑)
確かに著者が女性の琉球史モノって珍しいかも!?
表紙もピンクだしね。
文体もゆるいし、行間ゆったりだし、
展開もあっさりしてるし、
ライトノベルのようでした。
まぁ、でもそれがある意味新鮮と言うか。
中学生とか、割と興味持って読めるんじゃないかな?
どっちもどっちだけど、親戚なのに殺し合いまでやっちゃって、悲惨よね。
首里のお城も焼けちゃったっていうし、
私ならもっとクールにいくけどな。
でも、布里伯父さまが南部へ移って、結局お父様が王様になるのよね。
今度こそ、争いのない世の中にしてもらわなくちゃ。
あ、これ、お父様にしっかり言っておこうっと。
でも、これってラッキー?と姫は思いました。
なんたって首里だし。金丸おじさまはいるし。
やっと田舎脱出!お祈りしてて良かった。
それに、私、王女様!?
(24-)
こんなノリなので、
正史通りに身内を討たれ悲しみはするのですが
時代に翻弄された悲劇の姫
という感じはあまりなかったス
阿真和利(33)はいい人。
護佐丸(70)は影薄い。
賢勇(不詳)は百十踏揚の熱烈なファン(笑)
百十踏揚がアイドル化してます(笑)
黒幕は…まぁ結局金丸なんだけど、
それでもドロドロした感じじゃなくて、
そんなつもりじゃなかったのになぜかこうなってしまった
という感じ。
「おっ、なるほどこうきたか」と思った所は、
百十踏揚と賢雄が勝連から脱出したこと、
勝連が先に首里を攻めたこと、
阿麻和利が勝連から脱出して読谷へ逃れたこと、
この3つの言い伝えに関する
筆者ならではの解釈と描写。
全体的に軽いんでやっぱりさらっと流れましたが、
話としてもうちょっとしっかり膨らませれば
もっと面白くなりそうなんだけどなー。
最後に、物語最後のページから。
姫様。
私はただ、あなただけには分かって欲しかったのです。
私が王位に就くことの意味を、あなただけには。
(99)
あーもー、かわたさんが大喜びしそうだ(笑)
やはり「百十踏揚」を超える小説はまだないな(^^;
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ちなみに、著者が「はじめに」で
私なりの解釈と脚色を加えたフィクションです
としっかり断っているのですが、
だから、阿麻和利が
阿真和利
表記なのか?
司馬遼太郎が龍馬を竜馬としたように。
うーむ…違和感ありあり(^^;