ジョーカー・ゲーム
柳 広司
陸軍内部でスパイを養成する機関が立ち上げられた
そこへの志願者は
おおよそ一般人の能力の常識からは、激しく飛び越えている者たちばかり
D機関
読んだ文章から相手の行動まで
瞬時に記憶し、いつでも完全な状態で引き出してみせる
さらには相手の手さばきも、その場でコピーし自分のものとする
常識を逸した試練が立て続けに与えられる中
「そんなことぐらい、自分にできてあたりまえだ」
と軽々こなし、自分のものとしていく生徒たち
その心を支えてるものは、恐ろしいまでの自負心
そして
爪の先から頭頂部まで満たされたニヒリズム
とらわれない
それがスパイの鉄則
短編5部構成
D機関立ち上げの経緯を綴った部分
D機関からの卒業生のスパイ活動を綴った部分
D機関での生徒の心の内を綴った部分
物語中の会話の中身が、今現在の日本を言っているような印象を受ける部分があった
政府の無能ぶり
個々が自立心を持たない
そしてそれを、自分にも突きつけられた
内容的には明るい話ではない
短編に区切られ適度な長さにまとまっている読みやすさ
そして、全編においてリンクされている人物「魔王」
これは、もう一回読もう